私は青龍というと青から感じるものもあって、怖いイメージがありました。
次のイラストは中国の星宿・星座のことを調べて見ていた『星空帝国 古代中国星宿揭秘』に載っていたものです。
古代中国では春の宵の星空はこんなふうに見えていたのか…
星の位置は正確に描かれていて、柳に重なって縦に北斗七星、左角がうしかい座のアークトゥルス、右角におとめ座のスピカ、この2つの星と青龍の頭の左にあるしし座のデネボラ(獅子の尾を意味します)で春の大三角形になります。
スピカは角宿の距星で、角宿の角は青龍のツノでした。
私はてっきり牛だろうと思っていたのですが。
アークトゥルスは中国の星名で大角、大きなツノです。角宿には属していませんが、やはり青龍にちなんだ名前がつけられていました。
次のイラストは東方青龍に属する七つの星宿全体に星座絵を重ねたもの
こちらの絵図では角宿だけで左右の角を表現しています。亢宿はのど、氐宿は爪、心宿は心臓、尾宿は尻尾に見立てられていました。箕宿は穀物の殻・ごみなどを除く道具、箕青龍の糞ともみなされました。ここでは尾の鰭に描かれています。
先日、香椎宮で春分の観測をしていた記事を読んでいて、香椎宮のカシはおとめ座のスピカを示しているとの説を見かけました。
「橿日宮(かしいぐう)の社伝によれば、“かし”とはスピカの古語で、春分秋分の象徴としてこれを祀る祠が古宮、即ち日振宮(ひふりのみや)であった。」
(真鍋大覚『灘の国の星 拾遺』)
仲哀天皇が橿日宮にいたAD199年春分の日の夕景の東の星空をSkySafariで再現した図です。
春分の日、太陽は真東から昇り、スピカは秋分点の近くにあって、太陽と180度反対の方向に位置するので、太陽が真西に沈むタイミングで東の地平線から昇ってきて、そのときはうしかい座のアークトゥルスも地平線から少し上で輝いています。
古代中国人はこの二星に春を呼ぶ青龍の姿を重ね合わせて季節の変化を読み取ったのでしょう。
青龍は怖いものと思っていましたが、春に芽吹き花開かせる命の活性化を司る霊獣でした。とすると青龍の青はブルーじゃなくて…
春を呼ぶ青龍の色は緑色
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