ゴキ研

ゴキゲン中飛車研究ノート

定跡の基本から最前線まで詳しく紹介。

石田流菅井新手における新構想

2012年08月20日 19時45分59秒 | 石田流菅井新手
7/29(日)社団戦に出場してきた。

5部のチームから参加し、チームは2勝2敗だった。

個人成績は3勝1敗で内約は以下の通り。

1局目:先手5筋位取り中飛車対居飛車押え込み 結果:勝ち
2局目:石田流菅井新手対角交換△3二銀型   結果:負け
3局目:相振り飛車                    結果:勝ち
4局目:相振り飛車                    結果:勝ち

負けてしまったが、第2局は私が考案した新手で模様が良くなり指しやすかった。

今回は負けた反省と新手の紹介を兼ねてこの対局を振り返りたい。

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初手からの指し手
▲7六歩△3四歩▲7五歩△8四歩▲7八飛△8五歩
▲7六飛(第1図)


             【第1図】

私の石田流を明示する3手目▲7五歩に対し、飛車先を伸ばしてきたので菅井新手で対抗した。

普通の升田式石田流よりも早い段階で攻めの手を繰り出す含みを見せて可能性の多い出だしだが、
この戦型を使う以上乱戦も覚悟しなければならない。

第1図からの指し手
△8八角成▲同 銀△3二銀(第2図)


             【第2図】

居飛車の△8八角成は当然で、このタイミングを逃すと▲6六歩で石田流の好形に組まれる。

相手の手を制限する上で必要な手だ。

問題はその後で、居飛車には△2二銀や△4五角など様々な乱戦になる。

現在の結論は△3二銀が最善で先手の急戦は成功しない事になっている。

このあたりの事情は将棋世界 2012年 04月号が詳しいので参考にしてほしい。

ここで私の考えた研究手が登場する。


                     将棋世界 2012年 04月号


第2図からの指し手
▲4五角(第3図)


             【第3図】

この筋違い角が用意の一手で、一歩を持った状態で升田式石田流に合流させる狙い。

通常の升田式石田流に比べて手が作りやすい意味がある。


第3図からの指し手
△6二銀▲3四角(第4図)


             【第4図】

△6二銀では△5四角もあったと思うが、▲同角△同歩▲4五角でやはり一歩の入手が出来る。

本譜▲3四角と進出した手が2三と4三の地点を睨み、後手陣の左銀を釘付けにして囲いの発展を阻害している。

この角が△3二銀型を咎めに行っているのだ。

第4図からの指し手
△4二玉▲4八玉△3一玉▲3八玉△8四飛▲5六角
△6四歩▲7七桂△6三銀(第5図)


             【第5図】

お互いに陣形を整備したところで、このまま3四の角に威張られても気持ちが悪いので
後手は△8四飛と追い払う。

そこで引いた▲5六角が8三~9二へ左辺に利いて益々好調。


第5図からの指し手
▲8六歩(第6図)


             【第6図】

ここでシンプルに▲8六歩から飛車を責めたが、▲9六歩も一考の余地があった。

以下、△7二金▲9五歩(参考図1)と進むのであれば、
後手は△8二金と受けても▲8六歩で大成功。



             【参考図1】

そこで、▲9六歩には△5四銀▲9五歩△5五銀▲4五角が考えられる展開だが、
これは▲6三角成の先手になっている。

以下、△6二金▲7四歩△同歩▲8六歩△同歩▲8五歩△8二飛▲7四飛△7三歩
▲8四飛△同飛▲同歩(参考図2)と捌いてどうか。


             【参考図2】

先手陣は囲いが未完成だが低い陣形で案外隙が無い。

例えば、△8七歩成▲同銀△8八飛▲7八銀△8七角は▲7九歩(参考図3)で受かる。


             【参考図3】

7筋を交換した成果が大きいのが分かると思う。

第6図からの指し手
△同 歩▲8五歩△8二飛▲8六飛△8三歩(第7図)


             【第7図】

本譜の展開も8筋の逆襲が成功して筋違い角で入手した一歩を活用して好調。

しかし、次の手が問題だった。


第7図からの指し手
▲8四歩△同 歩▲8三歩△6二飛▲8四飛△7二金(第8図)


             【第8図】

8筋を更に攻めたが、これは指し過ぎであった。

後手は待望の一歩を入手させてしまい、打開させやすくしてしまった様だ。

ここは囲いを発展させるのが損のない手であった。


第8図からの指し手
▲2八玉△5四銀▲6六歩△4四歩▲8六飛△9四歩▲3八銀△5五銀


             【第9図】

既に変長な流れにしているが、ここで角の逃げ場が当然の様で失着だった。

第9図からの指し手
▲7八角△8五歩▲同 桂△6五歩▲同 歩△6六角


             【第10図】

角の利きが多いので▲7八角が当然の様で悪手。

ここは▲8九角としておけばリードを保っていた。

第10図△6六角が△7五角・△5七角成・△8八角成~△7七銀の狙いで厳しい。

▲8九角なら△8八角成が無いので、本譜の様な急がされた攻めをする必要が無かった。

第10図からの指し手
▲8二歩成△同 金▲7三桂成△同 桂▲7四歩△6五桂
▲6六飛△同 銀▲8四角△6四飛▲6六角



             【第11図】

△6五桂と活用されてしまったと思ってたが、後から見ると▲6三歩があった。

以下、△4二飛▲7三歩成△8八角成▲同飛△7七桂成▲8二飛成△同飛▲同と△7八と▲同金でどうか。(図面略)

これは、駒の損得なく捌けた計算で、振り飛車陣の方が固い。

攻めては▲3四桂が早く、▲7六角の様な攻防手も出て来そうだ。

冷静に指していれば勝てる将棋であったと後悔が尽きない。

本譜は銀得しても二枚飛車は大きく自信が無い。

以下は指し手が乱れに乱れて敗れた。

参考までに私が指した実戦例を2例載せる。

悪い構想ではないと思うので腕に自信なある方は試してもらいたい。


先手:ゴキ研管理人
後手:相手
▲7六歩△3四歩▲7五歩△8四歩▲7八飛△8五歩
▲7六飛△8八角成▲同 銀△3二銀▲4五角△6二銀
▲3四角△4二玉▲4八玉△3一玉▲3八玉△8四飛
▲5六角△6四歩▲7七桂△6三銀▲8六歩△同 歩
▲8五歩△8二飛▲8六飛△8三歩▲8四歩△同 歩
▲8三歩△6二飛▲8四飛△7二金▲2八玉△5四銀
▲6六歩△4四歩▲8六飛△9四歩▲3八銀△5五銀
▲7八角△8五歩▲同 桂△6五歩▲同 歩△6六角
▲8二歩成△同 金▲7三桂成△同 桂▲7四歩△6五桂
▲6六飛△同 銀▲8四角△6四飛▲6六角△3三歩
▲8七角△6七飛▲5五角△5七桂不成▲6八歩△8七飛成
▲同 銀△5四飛▲8二角成△4九桂成▲同 銀△5七桂
▲3九金△6九桂成▲8一飛△4二金打▲5五歩△7四飛
▲8三馬△7九飛成▲6五馬△7一歩▲8二飛成△7二金
▲9一龍△6八龍▲3八銀△6五龍▲2六香△6八龍
▲3五桂△6七角▲7六銀△6六角▲4九銀打△3九角成
▲投了

最後に、81dojoで唯一指して勝った棋譜があるので参考までに。

81dojoへ

#KIF version=2.0 encoding=UTF-8
開始日時:2011/06/21
場所:81-Dojo (ver.2012/07/04)
手合割:平手
先手:mus_musculus
後手:
手数----指手---------消費時間--
1 7六歩(77) ( 0:1/)
2 3四歩(33) ( 0:1/)
3 7五歩(76) ( 0:4/)
4 8四歩(83) ( 0:1/)
5 7八飛(28) ( 0:1/)
6 8五歩(84) ( 0:1/)
7 7六飛(78) ( 0:1/)
8 8八角成(22) ( 0:2/)
9 同 銀(79) ( 0:1/)
10 3二銀(31) ( 0:1/)
11 4五角打 ( 0:1/)
12 6二銀(71) ( 0:2/)
13 3四角(45) ( 0:2/)
14 4二玉(51) ( 0:1/)
15 4八玉(59) ( 0:23/)
16 8四飛(82) ( 0:4/)
17 5六角(34) ( 0:6/)
18 3一玉(42) ( 0:1/)
19 3八玉(48) ( 0:11/)
20 5二金(61) ( 0:7/)
21 2八玉(38) ( 0:1/)
22 6四歩(63) ( 0:1/)
23 3八銀(39) ( 0:12/)
24 6三銀(62) ( 0:1/)
25 7七桂(89) ( 0:14/)
26 9四歩(93) ( 0:2/)
27 7八金(69) ( 0:3/)
28 2二玉(31) ( 0:2/)
29 8六歩(87) ( 0:9/)
30 同 歩(85) ( 0:19/)
31 8五歩打 ( 0:3/)
32 8二飛(84) ( 0:1/)
33 8六飛(76) ( 0:1/)
34 9三桂(81) ( 0:1/)
35 8四歩(85) ( 0:23/)
36 8五歩打 ( 0:2/)
37 8三歩成(84) ( 0:13/)
38 8六歩(85) ( 0:1/)
39 8二と(83) ( 0:1/)
40 6九角打 ( 0:11/)
41 7九金(78) ( 0:31/)
42 8七歩成(86) ( 0:5/)
43 6九金(79) ( 0:4/)
44 8八と(87) ( 0:1/)
45 9一と(82) ( 0:49/)
46 8九飛打 ( 0:16/)
47 6六角打 ( 0:2/)
48 4四銀打 ( 0:3/)
49 5八金(69) ( 0:12/)
50 9九飛成(89) ( 0:1/)
51 4六香打 ( 0:5/)
52 3三銀(44) ( 0:1/)
53 7四歩(75) ( 0:21/)
54 同 歩(73) ( 0:3/)
55 9三角成(66) ( 0:27/)
56 5四香打 ( 0:2/)
57 4五角(56) ( 0:2/)
58 8七と(88) ( 0:5/)
59 8五桂(77) ( 0:7/)
60 4四歩(43) ( 0:1/)
61 3六角(45) ( 0:2/)
62 4三金(52) ( 0:1/)
63 7三桂成(85) ( 0:57/)
64 5二銀(63) ( 0:2/)
65 6二成桂(73) ( 0:2/)
66 3五歩打 ( 0:1/)
67 2五角(36) ( 0:2/)
68 2四歩(23) ( 0:1/)
69 1六角(25) ( 0:10/)
70 1四歩(13) ( 0:1/)
71 5二成桂(62) ( 0:2/)
72 同 金(41) ( 0:1/)
73 8一飛打 ( 0:21/)
74 1五歩(14) ( 0:2/)
75 4三角成(16) ( 0:2/)
76 同 金(52) ( 0:1/)
77 6六馬(93) ( 0:22/)
78 9八龍(99) ( 0:4/)
79 5六歩(57) ( 0:45/)
80 7五角打 ( 0:20/)
81 7六馬(66) ( 0:42/)
82 5六香(54) ( 0:4/)
83 4四香(46) ( 1:23/)
84 5四金(43) ( 0:17/)
85 4二香成(44) ( 0:17/)
86 5八香成(56) ( 0:5/)
87 3一飛成(81) ( 0:7/)
88 1三玉(22) ( 0:1/)
89 3二龍(31) ( 0:6/)
90 2二金打 ( 0:7/)
91 1四銀打 ( 0:36/)
92 同 玉(13) ( 0:2/)
93 2六桂打 ( 0:1/)
94 投了 ( 0:2/)

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さて、今回初めてiPadから図面を作成してみたがいかがだろうか?

正直、見易いとは言い難いと思う。

Twitterで図面を載せる際に使っている方法で、

柿木将棋アプリのMenu→将棋世界で局面検索→スクリーンショット→他アプリでトリミング

という手順で編集したのだが、手間が掛かるのと、図面番号(第x図など)を入れられず、
分岐局面から図面が作成できないので大変だった。

ブログ編集にはちょっと向かないかなと感じたので、次回からはこれまで通りの方法に戻そうと思う。

来週からまた社団戦があるので応援して頂ければ幸いです。

次回からは超速対銀対抗の居飛車急戦を体系的に整理して行こうと思う。

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