「生きながら死人となりてなりはてて
思いのままにするわざぞよき」 (至道無難禅師)
*江戸時代初期の臨済宗の僧侶。岐阜県関ヶ原に生まれ。
もしも、生前の 「死」 を完全に実現出来たなら、
思いのままに振る舞ったとしても、その行い(わざ)は
よいものであると述べています。
生前の「死」とは、自分のエゴを「無」にすることを
意味するのでしょう。
その意味においては「ありのままの自分」といった言葉
とは全く違います。
「思いのまま」 や 「ありのまま」 の状態が許されるのは
自分のエゴを完全に克服した時です。
「ありのまま」 は決して安易な自己肯定であってはなりません。
「自分はもうこれでよい」 と自分で決めつけて反省することを
やめてしまったならば、人としての成長はそこで終わってしまう
ことでしょう。
常に今の自分の有り様を問い直しつつ、次なる高みを目指して
生きることこそ大切なのだと説いています。
初蛍 川の流れを 知らずして
2020.06.27 moai291