「何これ? 」:指導者
「弟子は良質の材木のようなものであり、
指導者は大工のようなものである。
良質の材木でも巧みな大工の手にかからなければ、
良い材質が現れない。」 (道元)
よい指導者とは、人の能力を見抜く眼力を持ち
その素質を無限に育む智慧を有している。
【閑話休題】:進化型石炭火力発電
いま瀬戸内の島で、二酸化炭素を出さない石炭を使った
カーボン・ニュートラルで高効率な石炭火力発電所の
実証事業が行われています。
従来の石炭火力発電の基本は、石炭を燃やした熱で水を温め、
水蒸気でタービンを回して発電します。
この進化型火力発電は、石炭を蒸し焼きにして、
「可燃性のガス」を作り、そのガスでガスタービンを回し、
さらに排熱で蒸気タービンをも回すという複合方式です。
これを『石炭ガス化複合発電(IGCC)』と呼んでいます。
IGCCの発電効率は、従来型石炭火力の最新プラントに比べ、
15%以上も向上するとの事です。
この研究は、石炭の燃焼で生じた「ガス」から
二酸化炭素を分離・回収する技術も含まれます。
石炭を蒸し焼きにすると、「可燃性の水素」や
「一酸化炭素」などが混じったガスが出てきます。
そのガスの中の一酸化炭素を二酸化炭素に変え、
二酸化炭素だけを分離・回収する仕組みです。
取り出した二酸化炭素を、漏れ出さないように圧力をかけて
地中に埋め、回収・貯留することを「CCS」と言います。
「CCS」とは、「Carbon dioxide Capture and Storage」の略で、
日本語では「二酸化炭素回収・貯留」技術と呼ばれています。
これらの技術により、「カーボン・ニュートラルな火力発電」が
実現可能になります。
この発電方式は、もはや『石炭火力発電』ではなく
『ガス火力発電』とも呼ぶべき存在です。
たしかに原料こそ石炭ですが、発電に使うのはガスであり、
効率は従来の通常の石炭火力を遥かに凌駕しています。
電力供給の変動を相殺する調整弁の役目を果たせるのは、
出力をスピーディに調整できる火力発電です。
石炭ガス化複合発電(IGCC)は、『低炭素』『脱炭素』ではなく
『低CO2』『脱CO2』と言うことになります。
「炭素」自体は非常に有用な資源ですので、これを賢くリサイクル
して使っていくべきだと思慮されます。
第4次エネルギー基本計画・エネルギーミックスの
「エネルギー電源構成:2030年」の方針では、
日本が定める2030年のエネルギー電源構成比率は、
①再生可能エネルギー(22〜24%)
③原子力発電(20〜22%)
②化石燃料(56%)
今だに、原子力発電が20〜22%とは?
(核燃料リサイクルシステムのプルサーマル計画が頓挫しているのに。)
「フクシマ」の現実をみれば、原子力発電は、即、撤退すべきでしょう。
「原子力発電」が、安価で安全な「ベースロード電源」だなんて、
誰も信じていません。
電力会社の、政治への圧力が強力と言う事なのでしょうか?
(考え過ぎなのでしょうか?)
* 菜の花や 近くて遠き 佐渡島
2021.04.09.moai291