ラグビー日本代表の国内テストマッチ5連戦の最終戦は、フィジー代表を相手に、前半6分に代表復帰したばかりのFLラブスカフニが退場にあるアクシデントがあり、一時0-28と大差をつけられ、2トライを返すものの、後半終了のホーンを聞いて気が緩んだのか、易々とライン突破を許してダメ押しトライを献上、12-35で敗れました。
今日は19:15開始のナイター。
バックスタンド前から6列目の良席です。
両チームの選手が入場。
そして、フィジー代表も”ハカ”をやるんですね。
迫力のあるハカで会場も盛り上がります。
試合前の円陣を組む日本代表。
今日は先に書いた通り、ラブスカフニが代表復帰。日本代表選抜時はまだ負傷していたため、日本代表候補10名に入っていますが、傷が癒えたことと、リーチ・マイケルがサモア戦の危険なタックルで3試合出場停止だったこともあり、キャプテンシーのあるベテランを起用したということでしょうか。
先発は、稲垣、坂手、ヴァルアサエリ愛のワイルドナイツフロントローに、LOジェームス・ムーアとアマト・ファカタヴァ、FLにジャック・コーネルセンとピーター・ラブスカフニ、No8姫野、SH齋藤、SO松田、WTBは左ジョネ・ナイカブラ、右セミシ・マシレワ、CTB長田とディラン・ライリー、FBに松島。
8名が前回大会経験者で、このテストマッチで初キャップの選手との融合を図る意図を感じます。
試合は3分にいきなり動きます。
まだ守りのリズムもつかめない中で、フィジーがランと短いパスを組み合わせてラインを突破、いきなり先制トライを許します。
中央正面のコンバージョンも易々と決めて0-7でフィジーがリード。
すると、6分にはラブスカフニのタックルがTMOとなり、判定の結果ハイタックルで一発退場。
サモア戦のリーチ・マイケル同様、早い時間帯に精神的支柱のベテランを失うことに。
TMOで何度も再生されていましたが、タックルは低く入る練習を積んでいるはずですが、低く構える前に相手が前に出てくるので高い位置にぶつかってしまったようで、リーチ・マイケルのパターンと同じように見えました。
ラインアウトもこんな目の前で見えるのですが・・・。
今日はちょっとミスが多かったですね・・・。
日本ボールのスクラムも目の前ですが、ラブスカフニの代役はジョネ・ナイカブラのようでした。
ちょっとそれ苦しくない?と思いましたが、さすがに押し負けるので、日本ボールの際は早く出すようにしていたように見受けられました、
一方でサモアボールの際はすぐに出さず、日本の反則を誘うようにしていたようです。
14分には自陣深くでフィジーボールのスクラムとなり、コラプシングからさらにスクラム、最後は連続攻撃で押し込まれます。
16分に2つ目のトライを許してしまいます。
その後は持ちこたえるものの、37分には再び深い位置でスクラムを与えます。
ここも押し込まれてしまい、なだれ込むようにトライを許します。
このコンバージョンも成功して0-21。
3TG差と大きく離されて前半が終了。
後半最初のペナルティはフィジーで、日本はラインアウトを選択しますが、得点につなげられず。
一方で日本のオフサイドにフィジーはショットを選択しますが決められず。
お互いにチャンスを得ながらも特典に結び付けられません。
しかし、後半のスコアはまたしてもフィジーに。
57分に中央をランと短いパスで崩されて後半最初のトライ。
コンバージョンも決めてスコアは0-28。
さらにフィジーは60分に日本陣内のライアンアウトからモールを混んで押し込み、トライを奪ったかと思われましたが、オブストラクションでノートライ。
62分には右サイドから中→右へと展開され、トライかと思われましたが、TMOでオフサイドの判定でノートライ。
TMOが日本の味方をしてくれているうちに反撃のリズムをつかみたいところ。
68分には日本が自陣から中央を割って独走かと思われましたが、フィジーDFが追いついてトライならず。
しかし、ようやくチャンスらしいチャンスが生まれました。
そして69分にはフィジーのノックオンからスクラムに。
71分にスクラムからつないだボールをジョネナイカブラがトライ。
ようやく日本が反撃の狼煙を上げました。
コンバージョンは松田に代わって入った李が決めて7-28。
しかし、74分には日本のキャッチミスをフィジーに奪われ独走。
トライ!
かと思われましたが、三度TMOでハイタックルが判明しノートライ、かつハイタックルを犯したシレリ・マンガラがシンビンで残り時間を14人対14人で戦うことになりました。
残りが6分なので、終了まで14人と言う結果は同じなのですが、同じハイタックルでラブスカフニがレッドでシレリ・マンガラがイエローなのはなぜ・・・。
そして76分には日本の反撃からセミシ・マシレワがトライ!
両ウイングの活躍で12-28と差を縮めます
角度のあるコンバージョンは失敗で、2TGでも追いつけないちょっと厳しい点差に。
この後のの3分はフィジーがマイボールで時間を使う展開になります。
そして80分が経過してホーンが鳴った瞬間、誰もがボールをけりだすと思った瞬間にフィジーはギアアップしてランでラインブレイク。
完全に虚を突かれた日本は追いつけず、ダメ押しトライを献上。
コンバージョン決められて12-35に。
そして試合はノーサイド。
これで、テストマッチ5連戦は1勝4敗と負けが大きく先行して終了しました。
RWCに出場するサモア、トンガ、フィジーとの3試合のうち2試合が試合開始直後のFL退場と言う不運に見舞われましたが、2点差に詰め寄ったサモア戦と違い、今日の試合はPGなしで5トライを奪われる厳しい内容でした。
フィジーは日本のボール保持時の寄せの早さが素晴らしく、守りの入り方は日本より良かった印象です。
また、数的優位になってからは前回大会での日本のストロングポイントだったスクラムで優位性を作って日本のフロントラインの体力を削り、ゲームを通しての優位性作りに成功した試合だったと思います。
さすがに本大会では2回も退場は出ないと思いますが、可能性は0ではないだけに、インランド、サモア、アルゼンチンと言った強豪相手に数的ビハインドを作らない試合運びも重要になってきます。
そして、8月15日に迫った本大会メンバー発表。
日本代表36名から33名に絞られる予定が、今日の試合で当初日本代表候補だったラブスカフニやベン・ガンターが出場したことで、負傷者と回復具合の判断で結構変わってきそうな印象を受けました。
一方で、ラブスカフニは今日の試合のハイタックルの一発退場で、リーチマイケルのように複数試合出場停止を課せられた場合、プール戦に出場できない可能性が出るため、代表選考に大きな影響を及ぼしそうです。
ちなみに、リーチマイケルは出場停止3試合の為、出場停止は渡欧後のイタリア戦までで、本番はプール戦初戦から復帰できる見込みです。
33名は5試合の出場と活躍度、そして負傷と回復度合いで決めることになるのでしょうが、時間が有れば5試合の情報などを見てメンバー選考を予想してみたく思います。