やってきました。
秩父宮ラグビー場!
今日はジャパンラグビーリーグワンのプレーオフ準決勝、16試合のリーグ戦を全勝の首位で突破した埼玉パナソニックワイルドナイツ(以下、埼玉WK)と、昨年に続き4位で突破した横浜キヤノンイーグルス(以下、横浜E)の一戦。
奇しくも、リーグ戦順位が昨年と同じ埼玉WK1位・横浜Eが4位だったため、準決勝での対戦も昨年と同じ。
かつ、昨年の最終順位は埼玉WKが2位、横浜Eが3位だったため、リーグ戦では2回対戦する同カンファレンスに属し、開幕戦では埼玉WK53-12横浜E、最終節の再戦では横浜E14-43埼玉WKと、直近の対戦でも埼玉WKが6トライを奪い、横浜Eは後半無得点に終わる完敗でした。
知将沢木監督はその2つの完敗を受けて、果たしてどのようなゲームプランで臨むのか・・・。
埼玉WKはPR稲垣が欠場も、HO坂手、LOジャック・コーネルセン、FLベン・ガンター、SO松田、CTBディラン・ライリーらWRC2023日本代表をスタメンに揃え、CTBにRWC南アフリカ代表ダミアン・デアレンデ、WTBにはWRCオーストラリア代表マリカ・コロインベテ、FBには”W司令塔”山沢拓也も先発。
控えにもおなじみHO堀江、PRヴァル・アサレリ愛とクレイグ・ミラー、FL福井、CTB長田と後半にもWRC日本代表が控え、稲垣の欠場を感じさせない豪華布陣。
一方の横浜EはFLにシオネ・ハラシリ、FBに小倉のWRC2023日本代表の他、南アフリカ代表のCTBジェシー・クリエルにオーストラリア代表LOマシュー・フィリップが先発に入っているものの、長期欠場中の南アフリカ代表SHファフ・デクラークは今回も間に合わず。
しかしながらHO庭井、No.8アマナキ・レレイ・マフィ、SO田村ら日本代表キャップ10以上の選手もおり、どこまで埼玉WKに食らいつくことができるか。
選手の入場です。
相変わらず2チームバラバラで整列も記念撮影もない入場です・・・。
試合は左に陣を取った横浜Eのキックオフで試合開始。
最初のセットプレーは横浜E。
前半1分の自陣でのラインアウトでしたが、得点にはつながらず。
埼玉WKは直後の攻撃で、松田の突破からチャンスをつかみます。
CTBダミアン・デアレンデにつないで押し込むと、連続攻撃から最後は右サイドに展開、WTB竹山が右隅にグラウンディング。
このプレーの直前にオブストラクションがあったかTMOが入りましたが、なかったとの判定で埼玉WKが先制。
このコンバージョンはSO松田が蹴りましたが、角度のない難しいキックで外れました・・・。
前半4分で5-0と埼玉がリード。
直後のプレーで、埼玉WK陣内の埼玉WKボールのラックにシオネ・ハラシリがジャッカルを仕掛け、埼玉WKの反則を引き出してペナルティを獲得。
このPGは田村がしっかり決めて5-3と2点差に。
すると今度はFB山沢が中央相手選手を引き付けてCTBディラン・ライリーへパス、フォローに上がったFLラグラン・ボーシェーにつなぐと、右サイドを駆け上がったWTBコロインベテにパス、コロインベテは相手DFのタックルを弾き飛ばす突進で深く突き進むと最後は内側をフォローに上がったLOジャック・コーネルセンに渡してトライ。
”W司令塔”山沢の見事な判断から、流れるようなパスとコロインベテの力強い突進と、個とチームの力が見事に融合したトライが生まれました。
コロインベテが3人ぐらいぶっ飛ばして、横浜EのDFを無効化しちゃったのは見事でした。
このコンバージョンは松田がしっかり決めて10-3。
今日は試合開始からなかなかスクラムになりませんでしたが、15分過ぎに埼玉WKが横浜E陣内に入ったところでスクラムを獲得。
しかし、この攻撃では得点につながらず。
直後の18分には埼玉WK陣内に入ったところで横浜Eボールのラインアウト。
目の前で見ごたえのあるセットプレーが続きますが、得点には至りません。
まあ、席がハーフライン付近なので、近くのセットプレーはなかなか点に結びつかなくて当然ですけどね。
20分過ぎには横浜Eが距離のるペナルティを獲得して、点差を詰めるべくショットを選択しますが・・・。
何とこのキックは左ポストに当たって外にはじかれて得点ならず。
25分過ぎには埼玉WKが横浜E陣内深くでラインアウトを獲得。
FW戦には自信のある埼玉WKがモールを組んで押す!
がここで埼玉WKに反則がありスクラムに。
しかし、このスクラムは埼玉WKが完全に押し勝ち、圧力に屈した横浜Eはコラプシングの反則。
このペナルティはショットを選択し、27分に松田がしっかり決めて13-3に。
点差を詰めるはずが離されるという、ラグビーの妙味が出て、点差は10点差になりました。
差を詰めるべく、横浜Eも攻撃を仕掛けますが・・・。
埼玉WKが奪ってカウンター!
山沢がキックとドリブルで横浜E陣内深く突進しますが、横浜Eが先にボールを抑えて得点ならず、この後も得点は産まれずに、13-3で前半終了。
後半はエンドを変えて埼玉WKのキックオフで試合再開。
後半は開始直後に田村のキックパスが通りかけるも、キャッチできず。
そして、横浜E攻勢が続いて、43分には左サイド深くのラインアウトからモールを組んで押し込んでトライ。
誰のトライか全然わかりませんでしたが、シオネ・ハラシリでした。
やや難しい角度のコンバージョンでしたが、今度は田村がしっかり決めました。
スコアは13-10と3点差に
直後に埼玉WKは交代のカードを切ります。
フロントロー三枚替えを敢行し、クレイグ・ミラー、堀江、ヴァル・アサエリ愛の日本代表ラインに。
その直後には堀江が自陣のDFからジャッカルを決めて松田につなぎ、キックパスからディランライリーがカウンターも、ドリブルがラインを割って得点ならず。
しかし、追加点は横浜Eでした。
連続攻撃を仕掛けて徐々に埼玉WKのDFラインを押し込むと、手薄になっていた左サイドに展開、最後は左ライン際を駆け上がったWTB竹澤にわたってトライ。
13-15となり、この試合初めて横浜Eがリード。
さらに、この角度のないコンバージョンも、田村が決めて13-17に。
これで埼玉WKにはトライが必要な点差になりました。
前半はノートライに抑えられていた横浜Eでしたが、モールで突破、パスからランで突破と違うパターンで連続トライに成功。
しかし、互いに時間はまだ十分。
今度は埼玉WKが横浜E陣内深くに攻め込みます。
松田が突破して、ゴール直前で倒され・・・。
ゴールライン手前に選手が密集。
このプレーにホイッスルが鳴って、横浜Eに反則があり、その反則が無ければトライに至っていたということから、埼玉WKに認定トライの判定。
59分に松田をフォローしたダミアン・デアレンデのトライになりました。
さらにPR岡部がシンビンと、横浜Eには厳しい状況に。
そして、この角度と距離のコンバージョンを松田が外すはずもなく、20-17と再逆転に成功。
しかし、時間はまだ20分もあり、時間充分。
64分には横浜Eのジェシー・クリエルがドロップを狙うも失敗。
71分には横浜Eのノットリリースの反則からタッチキックを選択するも得点機にはつながらず。
埼玉WKはさらに押し込みますが・・・。
埼玉WKのノックオンで危機回避も、ゴールライン手前のスクラムとピンチは続きます。
75分には埼玉WKが横浜Eボールをターンオーバーして、途中出場の長田が右隅にグラウンディングしましたが・・・。
このプレーはかろうじてノックオンで横浜Eボールのスクラムに。
そうしながらも時間が過ぎていく・・・。
横浜Eはこのボールからどうにかして攻撃につなげたいし、埼玉WKはどうにかしてマイボールにして時間を使い切りたい時間帯です。
横浜Eは前にボールを進めるためにあえてキックを選択、中央付近でのFW戦を仕掛けますが・・・。
79分には横浜Eボールから痛恨のスローフォワード、さらに埼玉WKボールのスクラムでコラプシング。
そして、埼玉WKボールのまま時計は80分を過ぎホーンが鳴り・・・。
埼玉WKが3年連続の決勝進出を勝ち取りました。
リーグ戦の2戦続けての完敗から立て直し、前半の失点を抑えて後半一気に逆転したところまでは良かったのですが・・・。
反則による認定トライとシンビンは痛かったですね。
そして、最後の攻撃のチャンスをスローフォワードで逸したことも。
デクラークを欠く布陣ながら、モールでもランでもトライを奪い、本当にあと一歩の試合でした。
一方で埼玉WKはリーグ戦での力強さがちょっとトーンダウンした格好ではありますが、さすがの勝負強さを発揮した試合でもありました。
明日の準決勝では、2年ぶりプレーオフ進出のリーグ戦2位東芝ブレイブルーパス東京と3年連続プレーオフ進出の同3位サントリー東京サンゴリアスの今季3戦目の東京ダービーがあり、埼玉WKはその勝者と来週5月26日の国立競技場の試合で対戦します。
明日の試合も来週も楽しみです。