FIFA WORLDCUP2022も残すところ3位決定戦と決勝を残すのみ。
日本時間で0時に開始された3位決定戦は、クロアチア対モロッコと、グループリーグで同居したチームの対戦になりました。
初戦勝利した同士で第二戦で対戦した両チームは、最終戦にベルギー戦を残すクロアチアは勝利が欲しいところでしたが、モロッコのその後の躍進のベースとなる堅守で0-0のスコアレスドローでした。
お互いに手の内を知る両チームが、どのようなメンバー、戦術で臨むのかも興味深い一戦。
クロアチアはこれまでの4-1-2-3から3バックにシフトし、3-5-2にして若手の経験も積ませようという考えか、先発を5名入れ替えしましたが、今大会活躍しているGKリバコビッチ、CBグバルディオル、MFモドリッチ、CFクラマリッチに左サイドのペリシッチはこの試合も先発。
一方のモロッコは4-1-2-3を変えずに先発は3名入れ替え。MFに代表初出場の18歳のエルハヌスをサプライズ起用。
試合はいきなり序盤に動きます。
クロアチアは7分にゴール正面やや左でFKを得ると、中央に送らずに縦へふわりとしたパス。それをペリシッチが体をひねりながらバックヘッドのような形で中央に送ると、グバルディオルがフリーでダイビングヘッドで合わせ、ゴール左に刺さり先制。
しかし、モロッコもその直後のプレーで反撃。左サイドからクロスを送ると、クロアチアの選手の頭に当たったボールはゴール前中央に流れ、走り込んでいたダリがたたきつけるヘディング。GKリバコビッチを破ってあっという間の同点。
その後は互角のボール保持率から、徐々にクロアチアが持つ時間が増え始めます。
すると、間もなく30分といいうところで今度はモロッコが攻勢。
右サイドワンツーで崩してハキミが折り返したマイナスのクロスは中央の選手に合わず。
モロッコが続けざまにCKを得てニアに送ったボールをエンネシリが合わせるもボールはファーに流れて合わせる選手がおらず。
さらに左サイドワンツーからペナルティエリアに侵入するもクロアチアDFに阻まれと、モロッコの流れかに思えましたが・・・。
追加点は前半終了間際、クロアチアでした。
中央から右サイドに短く展開、中央にいたマイェルに折り返すも、ボールは収まらずモロッコが奪ったかに見えましたが、すぐにクロアチアがボールを奪取。左サイドにグラウンダーで送ると、パスを受けたオルシッチは右足インフロントでダイレクトシュート。ファーサイドネットを狙ったボールはポストに当たってモロッコゴールに吸い込まれ、クロアチアが勝ち越します。
その後、アディショナルタイム2分含めて試合は動かず、クロアチアが2-1でリードして折り返します。
後半はモロッコが1人交代してスタート。11分にも18歳のエルハヌスを代えるなど、前線のリフレッシュを図りますが、前半のような決定機はなかなか作れません。
さらに19分には同点ゴールのCBのダリ含め2名を代え、21分にもMFエルヤミクを代え5枚のカードを使い切りました。
クロアチアは21分に前線のリヴァヤと中盤のマイェルを交代。
28分には攻めあがったグヴァルディオルが倒されますがノーファール。その流れでモロッコのカウンターでハキミが攻めあがるもクロアチアがカット。
直後のモロッコの攻撃で、左サイドから逆サイドにクロスが入り、エンネシリにフリーで渡るもGKがセーブと、激しく攻守が入れ替わりましたがゴールは生まれず。
リプレイで見たら、グヴァルディオルの足には確かにモロッコDFの足が当たっていましたが、倒れるかというとそれほどの激しさではなかったもののVARにもならず、その後のモロッコの攻撃をカットしたクロアチアの激しいチャージも流され、ちょっとお互いに後味の悪い感じでしたが・・・。
その後クロアチアは無理に攻撃をしないように見受けられ、モロッコに多くチャンスが訪れましたが、枠内シュートもほとんどなく、ゴールは生まれず。
アディショナルタイムには、左サイドクロスからエンネシリのヘディングも、ボールはバーの上を超え、直後にタイムアップ。
クロアチアが98年の3位、前回の準優勝に次ぐ3位を勝ち取りました。
試合は3位決定戦らしい点の取り合いで始まりましたが、後半は中盤の争いと両チームのゴール前の踏ん張りでゴールは生まれませんでした。
それでも、今大会躍進したモロッコのしっかりした技術の高さはクロアチアにも劣らず、中盤の主導権争いや、要所のショートパスやドリブルでの崩しで惜しいシーンも作り、良い試合だったと思います。
4年後は48チーム参加で、これまで5枠の競争が激しいアフリカ勢には追い風になるかもしれません。
もちろん、クロアチアも今回は前回大会を経験した選手が主軸ながら、CBグヴァルディオルやMFマイェルらの若手、大活躍したGKリバコビッチやMFコバチッチの中堅選手は次回も健在でしょうし、是非また次回も旋風を起こして欲しいチームです。
さあ、22時間後はいよいよ決勝です。
共に3回目の優勝を目指す両チームが激しく美しく戦うことを期待しています。