もむでんブログ

雨中の激戦!3年ぶり2度目の戴冠か?初戴冠か?(ルヴァンカップ2024決勝 名古屋グランパス3-3(PK5-4)アルビレックス新潟

やってきました。

ルヴァンカップ2024の決勝戦の舞台、国立競技場へ!

対戦カードは3年前に初戴冠した名古屋グランパスと、チームにとって初タイトルを狙う、初のカップ戦ファイナルに挑むアルビレックス新潟。

今大会は初めてJ1-J3まで参加する全60チームのトーナメント、一発勝負の1stラウンド10チームの勝ちあがりを決定し、ホームアンドアウェイのプレーオフトーナメントで5チームに絞った後、ACL出場3チームを加えた8チームのトーナメントで、準々決勝と準決勝がホームアンドアウェイで行われてきました。

名古屋はJ1リーグで現在首位を走る広島を準々決勝で、ACL出場の為準々決勝から登場して札幌に勝って駒を進めてきた横浜Fマリノスを準決勝で、友に接戦で下しての決勝進出。

一方の新潟はJ1リーグで現在3位の町田ゼルビアに準々決勝で対戦、1戦目大勝後2戦目は負けたものの得点で上回っての勝ち上がり、準決勝では昨年天皇杯王者でACLに出場し、唯一J2勢で残っていたヴァンフォーレ甲府を下してきた川崎フロンターレにやはり1戦目の大勝含む2連勝で決勝進出。

共にJ1リーグ優勝争いするチームを準々決勝で、ACL出場チームを準決勝で下してきましたが、苦しんで勝ち上がった名古屋のしぶとさか、1戦目大勝で勝ち上がってきた新潟の勢いか、注目の一戦です。

 

こんなサイネージもあって数多くの人がカメラに収めています。

あ、誰かの手が入っちまった。

 

席はバックスタンド二層の最前列でなかなかの良席。

実は抽選でも外れ、先着の一般販売でも取れず、リセールでわずか数日前にゲットできた席。

行けなくなった方、ありがとうございます。

リセールでも出たそばから売れていくので、本当に運が良かったです。

天気は雨ですが開始直前は小雨で、席はほぼ全席屋根で覆われているので安心して観戦できます。

 

選手入場を前に両チームサポーターのコレオも掲げられました。

両サポーターのボルテージも最高潮に。

 

ちなみに、ルヴァンカップの歴代優勝チームを見ると、ヴェルディ川崎の3連覇に始まり、鹿島アントラーズ・ジュビロ磐田・浦和レッズ・ガンバ大阪・横浜FM・柏レイソルなどのリーグ優勝経験のあるチームの戴冠が多いものの、合間合間にはジェフ千葉やFC東京などの優勝を挟んでおり、過去7年間では6回の初優勝チームを生み出しています。

(とはいえ、川崎F、名古屋、広島などは既にJリーグ制覇経験があるチームでしたが。)

直前のリーグで苦戦しているチームの勝利も多いらしく、そのジンクスに当てはめると新潟有利になるようで。

 

さあ、選手の入場です!

 

 

左が白のユニフォームの新潟、右が赤のユニフォームの名古屋。

各チームのエンブレムのパネルの前に並んでいるのですが、バックスタンドから見ると黒い板で残念(苦笑)。

 

試合は自分から見て左に陣を取った新潟のキックオフで開始。

新潟はGK阿部、DF右から藤原、舞行龍ジェームズ、稲村、橋本、MFはセントラルに秋山と宮本、右サイドに太田、左サイドに谷口、FWは小野と長谷川。

登録上4-4-2ですが、基本布陣は4-2-3-1の様子。

一方の名古屋はGKが今シーズンで退団が決まっているランゲラック、DF河面、三國ケネディエブス、内田、MFはセントラルに稲垣と椎橋、右サイド野上、左サイドに徳元、シャドーに森島、FW和泉と永井で、登録上3-4-1-2ですが、基本布陣は現在の日本代表で用いている3-4-2-1なので永井の1トップでしょうか。

キックオフの布陣を見ても両チーム結構バラバラで、最近の試合でよく見るピシっとした布陣で始めるのではない感じが印象的です。

 

試合はキックオフ後のけり出したボールをカットした名古屋が右サイド深く侵入し、1分経たずCKを得る立ち上がり。

その後は徐々にボールが落ち着き、新潟がポゼッションを徐々に高めていき、名古屋が縦へのパスとサイドからの攻めというパターンに。

最初のシュートは名古屋で、敵陣に少し入ったところのファウルでFKを得ると、クロスを送って折り返しのこぼれからシュートを打つも枠の外。

8分以には新潟がショートカウンターからシュートは枠をとらえるもGKの正面に。

11分にも新潟はグラウンダーのクロスを送ってシュートもGKが弾いてCKに。

13分にも新潟がくさびの縦パスからはたいてシュートもわずかに右ポストの外。

序盤は新潟のポゼッションから優勢の印象。

印象的なのは新潟の最終ラインにボールが下がった際に、GKを挟むようにCBが開いてボールを回すビルドアップ。

名古屋はそれに対して永井の追廻を中心にプレスをかけるのですが、圧巻だったのはそのプレスを1タッチ・2タッチのパスワークでかわし、逆サイドにパスを通すとそのまま一気にパス交換で敵陣の再度まで攻めあがった攻撃。

まるでヨーロッパの強豪チームのような相手のプレスを交わす個人技と流れるようなパスワークを見せました。

ただ、やっぱり素人目に見たらペナルティエリア内でGKも含んでのパスまわしはドキドキするもの。

 

そのドキドキが嫌な方向で当たってしまったのが30分のプレイでした。

GK安部が回ってきたボールを縦にグラウンダーのパスを出したところ、そのボールは味方の足元ではなく、名古屋のFW永井の正面へ。

永井はフリーで右足インサイドでコントロールシュート、ゴール左へ見事に決まって名古屋が先制。

コーナーに走って喜ぶ長いとチームメイト。

 

劣勢からの先制で喜ぶサポーター。

 

その後も新潟はポゼッションサッカーを続け、32分には長谷川がゴール正面からフリーでシュートを放つもGK正面で得点ならず。

37分には新潟のくさびのパスに名古屋がチャージするもファイル。

そのFKは直接狙うもGK正面と、枠内シュートは新潟の方が多い展開は変わらず。

 

しかし、次の得点はまたもや名古屋。

ペナルティエリア内への縦パスに競り合ったこぼれを足元に納めた和泉は、すぐ右にいた永井にショートパス。

永井が再びダイレクトでインサイドのコントロールシュートを放つとまたもやゴール左に決まって2-0!

同じパターンで喜ぶ名古屋イレブン。

 

前半アディショナルは3分ありましたが、前半はこのまま2-0、名古屋リードで折り返します。

ボールポゼッションの高い側が低い側に点を取られるケースはサッカーではよく見る光景ですが、正直言うとすぐれたパスワークを見せている新潟が、勝負に徹する名古屋にここぞの勝負強さを見せられたような前半でした。

 

後半はエンドを変えて、左に陣を取った名古屋のキックオフ。

交代もなく、両チーム夫人の変更もない様子。

2点リードした名古屋は、前半のプレスを少し変え、相手DFが前を向いてキープするときはそれほど追わず、相手が後ろを向いたらプレスをかけるパターンに変更した様子。

新潟のポゼッションは前半と変わらず、縦へのパスと徳元からのセットプレーを中心に応戦する名古屋。

 

時折シュートは放つも両チーム決定機がなく、64分に新潟が最初の交代のカードを切り、サイドの太田とボランチの宮本を下げ、星と長倉を投入。

すると70分、新潟は右サイドでのボールキープからマークをはがし、左足インフロントで曲がり落ちるボールを送ると、頭で合わせたのはMFの谷口。

遂にランゲラックの守るゴールを破って2-1と新潟が1点を返します。

喜びながら自陣へ引き上げる新潟イレブン。

 

ゴールの表示にサポーターも歓喜。

 

新潟は得点直後に得点を決めた谷口と小野に代えて奥村と小見を投入。

名古屋も遅ればせながら75分に最初のカードを切って、和泉に代えて山岸、80分にはこの試合のここまでの功労者の永井と野上に代えて中山と菊池を投入。

前半に2得点し後半には敵ボールを長いランニングから奪うなどの働きを見せていた永井の交代はまあ当然かなと思いましたが。

 

終盤に差し掛かって非常にコンパクトな陣形でボールを争う攻防は見ごたえ充分。

78分には直接FKを得た新潟はねらうものの壁に当たりCKに。

試合は80分を過ぎると両チームの攻防の切り替わりが激しくなり、クロスやシュートの本数が増えるスリリングな展開に。

88分には新潟がカウンターを仕掛けるも早い段階で名古屋が戦術的ファウルで止め、直後の89分には秋山のミドルもGKがセーブ。

 

スコアは2-1のまま残り僅か。このまま名古屋が逃げ切るのか。

 

今日の入場者は62,517人と、ルヴァンカップの最多を更新したそう。

そして、アディショナル表示は6分と表示され、十分な時間も名古屋が着々と逃げ切りを図ります。

 

アディショナルタイムも4分を過ぎたかと言う時間で、ペナルティエリア左に侵入した小見が縦への抜け出しを測ると、もつれて倒れる小見。

主審はゴールキックを指しましたが、その後VARの判定に。

 

静寂が続く中主審の手はペナルティスポットを指し、アディショナル6分を過ぎた時間で土壇場のPKを獲得!

 

キッカーは小見。

放ったシュートは右に飛ぶランゲラックとは逆方向へ!

 

これが決まって新潟が土壇場の同点!!

 

試合はそのまま2-2でタイムアップ、15分ハーフの延長戦に。

すごい試合になってきました。

1点ビハインドから土壇場の同点劇は2019年の決勝を思い出す・・・。

 

延長前半は左に陣を取った新潟のキックオフ。

 

土壇場で追いつかれた名古屋の精神的ダメージはいかほどかと思いましたが、延長で先手を取ったのは名古屋。

開始直後の3分に名古屋は、交代で入っていた山中のクロスのこぼれを山岸が拾い、後半から入っていた中山への短いパスをダイレクトシュート。

ネットに突き刺さって、延長戦も名古屋が先手を取ります。

 

沸き立つサポーター。

隣の人の拍手も映ってしまったw。

 

またもやゴール確認の中断が入りましたが・・・。

判定は覆らず、名古屋が3-2とリード。

 

前半はそのまま名古屋リードで折り返し。

後半は名古屋のキックオフ、下げたボールを前線に蹴る名古屋。

 

名古屋は延長から入ったユンカーが鋭い動きと視野の広さで攻撃をリードしますが、決定的場面に至らず、しかし主導権を相手に渡さず逃げ切りを図る名古屋でしたが・・・。

110分に新潟のポゼッションサッカーが実を結びます。

舞行龍ジェームズのビルドアップで始まったボールが中央の長倉に渡ると、ペナルティエリア左に向けてスルーパス、そこに走り込んだ小見の足元にピタリと合うと、シュートはGKの動きを冷静に見て流し込み、再び同点に!

 

またまた歓喜に沸く新潟サポーター。

 

しかし、またゴール確認中の表示が・・・。

が、結局判定は覆らず、スコアは3-3。

 

試合はその後も両チームの攻守が激しく切り替わる攻防を見せますがスコアは動かず、120分で決着つかずPK戦へ。

 

先行は新潟。

互いに一人目が決めるものの、2人目に入り新潟の長倉が失敗。

そして名古屋の2人目は何とGKのランゲラック。

これをしっかり決めて名古屋1点リードに。

 

3,4人目も両チーム成功し、ついに運命の5人目へ。

 

後がない新潟ですが、5人目小見も決めて同点に。

しかし、名古屋は決めれば勝利。

 

最後のキッカー、山岸の蹴ったボールは・・・。

GK安部の逆を突いてゴールへ。

 

ベンチに向けて走り出し山岸とランゲラック。

 

あっという間に見守っていたイレブンも、すでに交代した選手、試合に出ていない選手も駆け寄る名古屋ベンチ前。

 

最後の年にタイトルを手にしたランゲラックにも選手が集まります。

 

いやぁもう、何とも壮絶な試合でした。

スコア推移こそ違うものの、3-3からPK戦で決着、最後は優勝経験のあるチームが勝つという結果も5年前と同じ

 

名古屋の歓喜の一方、まだ立ち上がれない新潟GKの阿部、迎えに行く新潟の選手も印象的。

 

死力を尽くした新潟の選手も大半はセンターサークルで膝を落としています。

家に帰ってスタッツを見てびっくりしました。

(いずれも左が名古屋、右が新潟)

シュート:11-24

枠内シュート:5-11

パス成功:258-594

CK:7-8

FK:13-20

オフサイド:1-1

ボール保持率(%):38-62

 

いずれも新潟が大きく上回り、シュート・枠内シュートとも新潟が名古屋の倍以上。

枠内シュートはそれぞれ半分近くという割合の多さがスリリングな試合を演出しています。

パス成功数は新潟が名古屋の何と2.3倍と、ボール保持率以上に突出した数字になっています。

少ないチャンスをものにした名古屋の勝負強さと執念は賞賛に値しますが、ポゼッションサッカーを貫いて記憶に残る試合をした新潟のサッカーもファンの記憶に残ることでしょう。

 

ピッチに戻るとMVPが発表され、先ほどのスタッツでわかる通りの内容で劣勢の試合を、再三に渡るセーブでゴールを守ったランゲラックに。

ちょっと功労賞も入っているかも・・・。

2-0、ないし2-1の勝利なら永井の可能性もあっただけに。

 

そしてJリーグカップは再び名古屋の手に。

 

おめでとう、名古屋!!

 

そして名古屋の選手が台上に集合して・・・。

 

パーン!!!

 

優勝と言えば定番になった金の紙吹雪とスモーク演出。

 

あぁ、この様子をメインスタンドから見たかった。

 

最後はMVPを取ったランゲラックへロングインタビュー。

 

ランゲラックにとっても名古屋にとってもこれ以上ない結果になりました。

一方の新潟は、初タイトルこそ逃したものの、前述のとおりブロックを敷いた堅守からショートカウンターを狙うサッカー全盛の中で、ポゼッションサッカーの美しさを観る者の目に刻みました。

3月に東京Vとの試合を見た時はここまでだとは思わなかったのですけどね・・・。

2022年のJ2優勝、昨年はJ1残留と天皇杯ベスト8、そして今年もJ1残留は確実でルヴァンカップで準優勝と着実にステップアップさせてきた松橋監督の手腕にも感嘆です。

是非近い将来のタイトル獲得を見てみたいチームです。

 

さて、激戦過ぎて超長々書きましたが、今年のサッカーもまずは今日で一冠が決まり、11月23日にガンバ大阪対ヴィッセル神戸の関西対決で天皇杯決勝、J1リーグも残すは4節で日本代表のワールドカップアジア三次予選のブレイクを挟んで12月8日に閉幕します。

町田が失速、首位に浮上した広島も足踏みして、ひたひたと上がってきた神戸の2連覇と二冠の可能性が高まって来たように思えます。

とは言え何が起こるかわからないのがサッカー。

最後まで結果を見届けたいと思います。

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