新国立競技場に天皇杯決勝を見に行きました。
これまでほとんど元日に行われており、帰省していたので見に行けなかったのが、これで4年連続で観戦。
決勝のカードはガンバ大阪(以下G大阪)対ヴィッセル神戸(以下神戸)の関西対決。
向かって左がG大阪側。
ほぼ満席で埋め尽くされています。
対して右側の神戸側サポーター席は上段に空席が目立つ感じ。
今日は東京での関西ダービーとあってか満席にはならなかったのですが、ルヴァンカップは名古屋対新潟で満席だったのになあ・・・。
やっぱ関西の方が遠いからか(苦笑)。
G大阪は現在J1リーグ4位、首位の神戸との勝ち点差は8の為、優勝の可能性は無くなりましたが、ACL出場枠がかかる3位以上の可能性があり、この天皇杯を制すとACL2の出場枠が手に入ります。
決勝進出はコロナ禍で開催された第100回大会で川崎フロンターレに敗れて以来の進出ですが、優勝となると三冠を獲得した翌年の2015年第95回大会以来遠ざかっており、Jリーグ開幕以降最多の鹿島の5回に並ぶことができるか。
(※G大阪はJリーグ以前は松下電器時代に1回優勝、大会最多は三菱重工で4回・Jリーグ以降4回の浦和レッズと8回の慶応BRB)
今大会は2回戦以外すべて1点差勝ちと接戦をものにして勝ち上がってきており、その勝負強さが決勝でも発揮されるか。
一方、神戸は現在J1リーグで後半戦の猛追でついに第35節から首位に立ち、今大会でも準決勝の1失点のみの堅守で決勝進出、2019年の第99回大会でイニエスタを擁し、ビジャの引退試合となった初優勝以来の2度目の優勝、そしてJ1リーグとの二冠を狙います。
開会セレモニーが始まりました。
天皇杯の返還は、前述の三菱重工時代に4度の優勝を経験した松本育夫さん。
私の世代では国際試合の解説と言えばこの方でした。
そして両チームのフラッグをはためかせた演出が行われ・・・。
出ました恒例「頂上決戦」の超巨大横断幕。
このためだけに国立競技場の倉庫に眠っているのでしょうね(苦笑)。
キックオフ前にサポーター席では鮮やかなコレオが掲げられました。
神戸側は空席が目立つ上段スタンドが無いのが残念ですが、こちらもチームカラーのえんじ色で彩られました。
エンドは左に神戸、右に大阪。
G大阪スターティングイレブンはGK一森、DF福岡、半田、黒川、中谷、MF山田、倉田、鈴木、山下、ダワン、FW坂本。
神戸はGK前川、DF酒井、マテウス・トゥーレル、山川、初瀬、MF扇原、武藤、井手口、井出、FW宮代、大迫。
G大阪はJ1リーグで12得点と攻撃をけん引してきたFW宇佐美が直前の負傷で欠場、8得点の坂本が代役を務めます。DFには代表に推す声もある中谷、パリ五輪代表にも選出(負傷で離脱)された半田らのDF陣はJ1リーグで失点数が2番目に少ない堅守を誇ります。
一方で神戸は11得点の大迫・武藤、10得点の宮代が揃って先発の他、中盤には扇原や井手口の日本代表経験者、DFにも元日本代表の酒井、GKは現役日本代表の前川がおり、ワールドカップ2018年大会出場の選手がベンチの山口も含めて4人もいて、タレントの質量では神戸が際立っています。
試合は神戸のキックオフ。
神戸は右に偏って配置され、キックオフで下げたボールは前に大きく蹴ってスタート。
受けるG大阪は神戸に合わせて左に寄せてはいますがフラットな4バックなのがはっきりわかります。
試合はなかなか思うようにボールをキープで黄な神戸に対し、G大阪はしっかりと足元につなぐ展開で始まりました。
開始2分にはG大阪がCKを獲得し、8分には左からクロスを入れてGK前川がはじいたボールを短くマイナスで折り返し、ヘディングで狙うも枠外に。
14分にもG大阪が右CKを得て、流れたボールをG大阪の山田がボレーも枠外へ。
対する神戸はマイボール時に酒井が高い位置に張り出し、サイドからの崩しを狙いますが、G大阪は突破を許しません。
18分に神戸は左サイドから斜めにスルーパスが入り、宮代が飛び出すもGK一森が触ってCKに逃げます。
その神戸の右CKはこぼれ球をミドルで狙いますがミートせず枠外へ。
24分にはG大阪が流れるような展開で左→中央→右へと展開し、攻めあがった半田がシュートも枠外。
27分には神戸がクロスを入れ、こぼれを井手口がミドルで狙うも枠外へ。
31分には右サイドで大迫が起点になりポストプレーから酒井へ、酒井がクロスを上げると中央に上がっていた武藤がヘッドで狙うもミートせず枠外へ。
ようやく神戸がらしい攻撃でチャンスをつかみました。
33分には神戸の武藤がライン際突破を図るもファウルで止められ、そのFKからクロスを上げるもG大阪がクリア。
武藤は通常時右MFに入っていますが、酒井が高い位置を取ったり、2トップの大迫が右に流れると中央に入ったり、宮代が引いたり開いたりしたスペースに上がったりしていたようです。
同様に左サイドでも宮代が流れて井出との連携を図るなど2トップが動いて再度のMFと流動的なポジションを取っており、少しずつ攻撃が機能し始めてきたように見えました。
後半37分には神戸が左サイドでスローインを得るとロングスローを試みます。
すっぽ抜け気味でチャンスにはなりませんでしたが。
この後はロングスローは見られず仕舞いでした。
結局前半はお互いにゴールを脅かすような場面はほとんど見られずに終了。
後半は両チームメンバーを代えずに左に陣を取ったG大阪のキックオフで再開。
後半もなかなかチャンスがつかめない両チームでしたが、先にカードを切ったのはG大阪でした。
54分にベテランMF倉田に代えてウェルトンを投入。
直後に神戸が左CKを得ますが、G大阪はカウンターを仕掛け、ダワンがミドルシュート、しかしGK前川の正面。
57分にはG大阪の左CKもシュートに至らず。
58分には神戸がMF井出に代えてFW佐々木を投入。
60分には神戸が右CKを得るもやはりシュートに至らず。
互いにセットプレー、流れの中共に決定機をつかめない状況でしたが、64分神戸は前川のフィードを右寄りで神戸の佐々木とG大阪の中谷が競ってこぼれ球を中央で大迫が拾い、左サイドを駆け上がった武藤にパス、武藤のシュートはG大阪DFが阻みますが、そのこぼれを中央に詰めた宮代が押し込んで先制。
左コーナー付近で喜びを爆発させる神戸。
中々決定機が無い試合でようやくGOALの文字が。
ポジションが流動的なので、交代で入った佐々木の役割が良くわかっていませんでしたが、右寄りで中谷を引き付けてつぶれ、フォローした大迫が納めたことで、G大阪のDFラインが崩れていたところに、決定力のある大迫・武藤・宮代の10得点トリオが仕事をしました。
71分にはG大阪が山下に代えてファン・アラーノ、山田に代えてイッサム・ジェバリを投入、中盤のリフレッシュを図ります。
G大阪は73分には左CKを得ますがシュートに至らず。
75分にはウェルトンのクロスからダワンがヘッドでミートしますがわずかに右ポストの外へ。
直後に神戸は宮代に代えてジョアン・パトリッキ、初瀬に代えて本田を投入。
前半はお互いに外国籍選手が1人しかいませんでしたが、この時間になってカタカナが増えましたw。
77分には神戸が右CKからジョアン・パトリッキがヘッドも枠外。
79分にもジョアン・パトリッキがクロスを上げますが、GK一森がキャッチ。
82分には大迫に代えてMF山口を投入する神戸。中盤を落ち着かせて時間を使う意図でしょうか。
84分以はG大阪がゴール前でFKを得てウェルトンが狙いますがGK前川がキャッチ。
86分にはG大阪が前係になったところを神戸にカットされ、ファン・アラーノがファウルで止めてイエローカード。
88分にはG大阪がDF黒川に代えてMF岸本、鈴木に代えて美藤と、3バックにシフト。
89分には神戸陣内浅いところでG大阪が得たFKをゴール前に上げますがシュートに至らず。
アディショナルは6分。
91分にはG大阪が右CKを得ますがゴール前のファウルで神戸ボールに。
93分には神戸陣内でG大阪がファウル、94分にはG大阪が自陣で処理しようとしたボールをハンド。
神戸は蹴り込まずにつなぎます。
96分には神戸陣内でG大阪がファウルして万事休す。
G大阪陣内で時間は進み・・・。
試合終了のホイッスルが響き渡りました。
喜ぶ神戸イレブン。
(小さくて喜んでいるさまがわかりませんが・・・)
オーロラビジョンには「WINNERS」の文字が。
激闘を終え、挨拶する両イレブン。
試合は序盤はG大阪がポゼッションで優位に立ち、神戸が自分の形を作れない状態が長く続いた中で、唯一とも言って良いチャンスを神戸が決定力のある前線のメンバーで決めきり、決定力でやや見劣りするG大阪はボールを持っても決定的に崩す形に至らなかったという結果でした。
終ってみたら宇佐美の欠場が痛かったですね・・・。
そしてインタビューを行って表彰式に移りました。
準優勝のガンバ大阪。
残念ながら9年ぶりのタイトルも、今大会でのACL出場権獲得は叶わずでした。
続いて優勝した神戸へのメダル授与、関連カップの授与ですが、何と今の天皇杯はカップだけで6個授与されるらしいです。
なので壇上には各カップや表彰を受け取った選手が8人もいます。
誰が何を受け取るか決めておかないと困りますね(苦笑)。
そして遠因が壇上に上がり、天皇杯も授与。
そして、サポーターの「ウ~~~~~」の掛け声が上がり・・・。
パーン!
優勝おめでとう!!
キラキラキラ・・・
やっぱ優勝セレモニーはこれですな。
ちなみに、ACLは現在行われている大会からAFCチャンピオンズリーグエリート(ACLE)と、AFCチャンピオンズリーグ2(ACL2)に変わっており(厳密にはACL2の下にさらにACLチャレンジがある)、来年度(ACL2025/26)は天皇杯出場チームがACL2に出場する取り決めとなっています。
(※ACLE2024/25はJ1リーグ1位の神戸、2位の横浜F・マリノス、天皇杯優勝の川崎が出場)
過去は日本からはJ1リーグ1~3位と天皇杯優勝チームがACLに出場しており、天皇杯優勝チームがJ1リーグ1位から3位に入った場合はJ1リーグ4位が来る上がり出場していました。
次回(2025/26)は、前年ACLE優勝チームが日本の場合はその優勝チームとJ1リーグ1位と2位に、または前年ACLE優勝チームが日本以外の場合はJ1リーグ1~3位にACLE出場権が与えられます。
過去は天皇杯優勝チームがJ1の1~3位に入った場合、4位が繰り上がり出場していましたが変わったようですね。
従って、G大阪がACLに出場するには最低でもリーグで3位に入る必要がありますが、3位だと現在ACLE2024/25に出場している横浜FMと川崎が優勝した場合は出場権を得られないようです。
あれ?そうなると天皇杯出場チームがJ1で1~3位に入ったら、ACLE/ACL2出場チームはどうなるの?と思いましたがJリーグ公式HPには書かれていませんでした。
何か複雑すぎてよくわからなくなっているので、わかり次第レポートしたいと思います。
何はともあれ、ヴィッセル神戸、2度目の優勝おめでとう!!