缶詰絵日記

漫画、旅行、TVドラマ、なんでも好きなものを詰め込んで、日常を描き留めます。

2015年末 秋田その2

2016-01-09 22:26:33 | 旅行
実家で父母と酒を飲みつつ、幼少期の話題に。
今も覚えていますが、母の生家は怖かった…。というか、はっきりと、化物屋敷でした。

家までの道が蛇行しており、車がすれ違えないほどの狭さ。家の前方、後方を山で挟まれ、晴天なのに陽が当たらない。家のすぐ近くにはキリスト教徒墓地(土葬)が。
家自体地盤沈下で奥に向かって傾いており、廊下を転げ落ちそうになるほど。窓には何故か、内側から鉄格子。
そして極めつけは…
母の父が美術関連のひとであった事もありますが、家のそこかしこに鬼の面(本来神様らしいのだけれど)がかざってあること。赤々として牙をのぞかせるその面は、幼いわたしに強烈なまでの恐怖心を植え付けました。

おそらく数回しかあの家に泊まったことは無いのだけれど、正直、行きたくなかった。
だって本当に怖かった。
ばあちゃんと母さんが庭で花の世話をしているとき、居間で私と姉は絵を描いていたけれど、廊下や二階や隣の部屋に、常に誰かが居る気配がしてた。
二階で寝ているときも、羽衣の能面がいつもこちらを見ていたし、ばあちゃんの作った日本人形が異様なまでの存在感を放っていた。
思いあまってばあちゃんの部屋を覗いたときの、真っ暗なんだけど部屋全体が真っ赤に染まっている光景が忘れられない。
ばあちゃん一人しか暮らしていない家なのに、あんなにたくさんの気配があるなんて。
ぞぞぞ。

唯一あの家の中で邪悪な空気の無い部屋がありました。
母さんの、父にあたるひとの部屋。
西洋風で、暖炉があり石膏胸像がふたつ置かれていた。布張りのソファ、大袈裟に重いガラスの灰皿、壁の油絵、そして、部屋全体を包む柔らかなオレンジ色の光。
あの部屋だけが、唯一あの家を闊歩する人あらざる者から逃れられる場所でした。

もう売ってしまった家だし、最後に訪れたのは20年も前のことだから、母は覚えていないと思っていたみたいだけれど、今回のこの話で私の記憶の鮮明さに驚いたようでした。
なんせおばあちゃんが亡くなる前1度だけ見せてくれた、自分で焼いた七宝焼きのペンダントトップのデザインまで覚えていたものだから…。

自分でも不思議だけれど、幼い私の記憶は映画のように、私の視界ではっきりと残っている。
ときどき、夢で過去の出来事を見て目覚めたときに現在と区別がつかなくなるほど。
鮮明な記憶は恐ろしい。

さて明日も、ちょっと怖いけど不思議な体験のお話です( ^ω^ )

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