幼い頃、田んぼや山を駆け回って遊んでいました。
4月も近くなり、雪が消え始めた田んぼの畦道では、目を凝らして蕗の薹を探します。
まだ小さい株でも、見つけると春の到来を実感できて嬉しかったものです。
土筆とかヨモギも春を告げる使者。
夢中でポケットに詰め込んで、家に持ち帰りました。
ただ私の母は都会育ちで、野生の植物の調理法を知らなかったのか、
あまり料理には使ってくれませんでした。
秋のイナゴも袋一杯に取って来ても母には頼めず、
友だちのおばあちゃんにイナゴの佃煮にしてもらい
ご馳走になりました。おばあちゃんは、イナゴを新聞紙に広げ
何日か日に当てて干してから
砂糖と醤油で甘じょっぱく煮るのだと教えてくれました。
甘くて栄養たっぷりのイナゴの佃煮は最高のおやつでした。
昨日近くのお店で見つけた蕗の薹。
畦道でなくても、やはり嬉しいものです。
下処理で根元を少しだけカットしたら、キッチンに春の香りが
漂いました。田んぼのアロマです。