ナショナル劇場の時代劇枠は、松下幸之助が利益を度外視して始めたサービス業のようなもので、若者向け企業が年寄り向けのボランティアをやっていたようなものだ。
それは昭和後期から平成初めの高度経済成長とバブル経済の時代で実現できた。
しかし平成に入って松下幸之助が他界し、バブル崩壊のあと、失われた10年が20年になって、金融危機。
1990年代後半で、すでにパナソニックにとって『水戸黄門』のような時代劇を続ける意義は完全になくなっていた。
TBSはもともと『水戸黄門』の映像化はアナクロ(時代遅れ)として否定的で、印籠シーンにも反対していたようなので、松下電器にとって時代劇を続ける意味がなくなれば、TBSにとってもパナソニック提供の枠で時代劇を続ける理由はなくなっていた。
明治から大正、昭和までの松下幸之助の生涯を描いた『神様の女房』もNHKで放送されている始末だ。
『水戸黄門』終了はナショナル劇場が現代劇枠に戻っただけの話である。
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