10.アラバマ大学の黒人入学
フォレストのナレーション:「僕だけかもしれないが、大学はヘンな所だった」
TVのナレーター:
「本日、機動隊がアラバマ大学の構内へ。2人の黒人学生の入学にフォレス知事は抗議を表明しました。入り口をふさぐウォレス知事に対し、ケネディ大統領は機動隊に実力行使を指令。画面は州軍のグラハム指揮官とウォレス知事です。」
《ジョージ・ウォレス:アメリカの政治家》
2度目の州知事選挙では一転して過激な主張を繰り返し、人種隔離政策や労働者の権利拡大を強く訴え、圧倒的得票で1962年にアラバマ州知事に就任する。このときウォレスが掲げたスローガンは「今ここで人種隔離を!明日も人種隔離を!永遠に人種隔離を!」(I say segregation now, segregation tomorrow, segregation forever.)という人種差別主義的なものであった。
《アラバマ大学への黒人学生入学阻止事件》
1963年には2人の黒人学生であるジェームズ・フッドとヴィヴィアン・マローンのアラバマ大学の入学を阻止するために、自ら大学の門の前に立ちはだかった。これに対してジョン・F・ケネディ大統領は黒人学生を保護するために州兵を派遣するとともに、司法副長官のニコラス・カッツェンバックを特使として派遣し、2人の入学を認めるよう求める大統領布告を読み上げて認めさせた。尚この事件の際、交渉に当たったロバート・ケネディから「それでもあなたはアメリカの市民か!」と一喝された
~Wikipediaより~
大学構内に人だかりができていました。
フォレスト:「何があったんだい?」
学生:「黒タヌキが入学する」
フォレスト:「ママはほうきで追い払うよ」
フォレストは比喩を理解できていませんでした。
学生:「『黒人』の事だよ。この大学へ入ってくる」
フォレスト:「彼らが?ここへ?」
ウォレス/アラバマ州知事:
「ここにいる州軍は、アラバマ州民のために闘う味方です。アラバマに住む我々の兄弟です。勝利は我々のものです。なぜなら我々の警告が今日、全米の人々の前で実証されるからです。この国は軍事独裁国への道を歩んでいるのです。」
TVナレーター:「本日をもってアラバマ大学は人種差別を廃止して2人の黒人学生は晴れて入学を許されました。ウォレス知事は暴徒の動きを制止...」
実際の演説映像の中にフォレストが映り込んでキョロキョロとしています。
何と皮肉がこもったシーンでしょう。
この演説でフォレストはウォレス知事の挨拶時に手をあげる仕草を見つめて、のちにものまねを始めます。
堂々と入学する二人の黒人学生。
その一人が本を落としますが、フォレストはただ一人彼女のために拾ってあげます。
実際の入学映像に特殊撮影でフォレストを写し込ませています。
当時の周りの黒人差別がどのようなものだったかを如実に物語っていますね。
フォレストのナレーション:
「数年後、あの時怒ってた小男は大統領に立候補した」
「それに怒った奴が発泡」
「彼は死ななかった」
バスを待つ黒人のナースはフォレストに親近感を持ったのか、去る時に声をかけました。
黒人ナース:「私のバスが来たわ」
フォレスト:「9番ですか?」
黒人ナース:「いいえ、4番よ」
フォレスト:「失礼しました」
11.女子寮の夢
隣にいた赤ん坊を抱えた白人女性が近寄ってきてフォレストに話しかけます。
白人婦人:
「私も覚えているわ」
「知事が撃たれた時、大学生だったの」
フォレスト:「女子大?男女共学の大学?」
白人婦人:「共学よ」
フォレスト:
「ジェニーは女子大で僕は入れてもらえなかった」
「でもよく会いに行った」
ジェニーはボーイフレンドに送ってもらって、車内でいちゃついていました。
それを見たフォレストはジェニーが襲われていると思い、ボーイフレンドに殴りかかります。
ジェニー:
「フォレスト!やめて!」
「フォレスト!やめて!何するのよ!」
ボーイフレンド:「こいつは何だ!」
ジェニー:
「ビリー、やめて!」
「話を聞いて」
「フォレスト、ひどいわ!」
フォレスト:
「チョコレートだよ」
「ごめんよ」
「僕は寮へ帰る」
ジェニー:
「フォレスト、ズブ濡れよ」
「いらっしゃい」
ジェニーのようないつも愛情を求めている『愛情飢餓感』がある人は、他人に依存しないと不安でたまらないんですね。
そして、それを利用する人がたくさんいることも事実です。
このボーイフレンドはそういう人であり、そのことにジェニーも薄っすらと気づいているのだろうと思います。
簡単にフォレストを許して、女子寮の部屋に案内しました。
次の会話でとても大事な言葉が話されています。
ジェニー:
「夢を持ってる?」
「将来何に?」
フォレスト:「『将来何に?』僕は僕だよ」
ジェニー:
「あなたはあなただけど、違うあなたになるのよ」
「私は有名になるわ」
「ジョーン・バエズのようなシンガー」
「誰もいないステージにはギターと私の声だけ」
「私1人」
「観客の1人1人に歌いかける」
「1対1で語りかけるの」
フォレストの言葉の方が逆説的です。
幸せになるための、自己実現のための近道のように感じますね。
あるがままの自分でいることが幸せを引き寄せてくる。
ジェニーは今の自分を否定しています。
努力して、今の自分を変えて生まれ変わりたい。
そして、人々の愛をすべて受け取りたいと願っています。
劣等感をもつ人は一人残らず、生まれ変わろうと必死にもがき、実らぬ努力をします。
どうして実らないかと言うと、何かを達成したとしても『渇き』は決して潤わないからです。
それほど、『愛情飢餓感』は底しれぬものであり、『無価値感』『自己否定』は治まることは決してありません。
人にはそれぞれの能力があります。
自分の適性に合っていない能力を目指しても、決してたどり着けません。
そのあとに来るのは、人への『嫉妬や恨み』と『自己憐憫』、そして『虚無感』です。
無理に決まってますよね。人はスーパーマンにはなれません。
ジェニー:
「女の子と一緒だった事は?」
「家庭科の時間は隣に座っていたよ」
ジェニーは下着を外し、フォレストに体を触らせました。
フォレストは呼吸を忘れ、苦しくなります。
フォレスト:「ごめん」
ジェニー:「いいのよ」
フォレスト:「目が回る」
ジェニー:「家庭科とは違う?」
フォレスト:「違うよ」
ジェニーは下着をつけて、子供の頃のようにフォレストの体のぬくもりを感じました。
傷ついたジェニーが癒やされているのが分かるシーンです。
12.ケネディ大統領
相変わらずのアメフトでの大活躍。
応援団の人文字が前回は『GO ALABAMA』から『GO FORREST』に変わっていて面白いです。
加えて『STOP FORREST』の横断幕。
相手選手たちはフォレストの速さにキリキリ舞いです。
フォレストのナレーション:
「大学ではフットボールの試合ばかり」
「『全米代表チーム』とかへ入れられ、合衆国の大統領に会う事ができた。」
『代表チームに入れられ』というのがフォレストだから嫌味がないのがいいですね。
TVのナレーター:「ケネディ大統領は全米代表フットボール・チームを激励」
フォレストのナレーション:
「大統領に招かれて一番うれしかったのは食べ物」
「部屋中に食べ物と飲み物が並べてあった」
「腹は減ってなかったけど、のどが渇いて、それに無料だったので、ドクター・ペッパーを15本あけた」
飲みすぎてしまって、トイレに行きたくなり、もぞもぞしている映像が本物のケネディ大統領といっしょに映っています。
ケネディ大統領:「おめでとう、気分は?」
フォレスト:「小便したい」
ケネディ大統領:「『小便したい』だそうだ」
ホワイトハウスのトイレにはマリリン・モンローとケネディ兄弟の写真がありました。
ケネディ大統領にゆかりの深い悲劇の人物たちですね。
フォレストのナレーション:
「車に乗っている若い大統領を誰かが銃で撃った」
「数年後には、彼の弟がホテルのキッチンで撃たれた」
「兄弟って大変なんだな」
「5年間フットボールをして僕は大学を卒業した」
「ママは鼻を高くした」
13.入隊
卒業式にもらった陸軍案内に応募します。
これも面白い所ですが、ロバート・ゼメキス監督は小学校のバスと同じシチュエーションで陸軍に入隊します。
フォレスト:「僕はフォレスト・ガンプ」
バスの運転手:
「名前なんかクソ食らえだ!」
「ザーメンなめてるウジ虫め!」
「とっとと座れ、タマなし野郎!」
軍曹の口が悪いのは『愛と青春の旅立ち』のように昔からずっとですね。
フォレストはスクールバスと同じようにほぼ満員のバスで席を探します。
男A:「よそへ行け」
男B:「行け」
フォレストのナレーション:
「これは間違いだったのか、入隊最初の日にもう怒鳴られた」
「どうなるのか見当もつかなかった」
バッバ:
「座りなよ」
「エビ捕り船に乗った事は?」
フォレスト:「ないよ、大きな船は乗ったけど」
バッバ:
「エビを捕る船だよ。おれはずっと乗ってた」
「最初は9つの時。おじさんの船でエビを捕った」
「やっと自分の船を買えそうだ」
「おれはベンジャミン・ブルー」
「皆は『バッバ』と」
「ひどいだろ?黒人は皆『バッバ』だ」
フォレスト:「僕はフォレスト・ガンプ。呼び名もフォレスト・ガンプ」
フォレストのナレーション:
「バッバの家は入江地帯で、ママの得意はエビ料理」
「ママのママもエビ料理」
「そのまたママもエビ料理」
「エビのことなら何でも知ってる一家だった」
白人に給仕する姿を何世代も見せることで、黒人の奴隷の歴史が分かりますね。
ブラックジョークですね。
バッバ:
「エビの事なら何でも知ってる」
「兵役を終えたらおれもエビで暮らしを立てる」
「いいね」
一般兵が整列している所に、怖い軍曹が顔を近づけて罵倒する、軍隊ではお馴染みのシーンです。
軍曹:
「ガーンプ!」
「貴様はなぜ軍隊に入った?」
フォレスト:「軍曹殿に従うためです!」
軍曹:
「クソったれめ!」
「貴様は天才だ」
「すばらしい答えだ」
「お前の知能指数は160か?」
「実に頼もしい新兵だ」
フォレストのナレーション:
「不思議な事に僕は釘のように軍隊にピッタリはまった」
「ベッドをきちんと作って直立不動」
「『はい、軍曹殿!』と答えればいいのだ」
ライフルの組み立ての訓練です。
バッバはエビのことばかり話します。
バッバ:
「仕掛けた網を引き上げる」
「運のいい日は50キロ捕れる」
「2人で1日10時間働くとガソリン代を差し引いても...」
フォレスト:「出来ました!」
軍曹:「早いな、どうやった?」
フォレスト:「お教え通りに」
軍曹:
「たまげたな、こいつは新記録だ」
「ただの兵隊では惜しい」
「士官学校から末は将軍になる人材だ」
「次は銃を解体しろ!」
バッバ:
「前にも言ったが、エビは海の果物だ」
「焼いても、茹でても、煮ても、炒めてもいい」
「エビ・カレー、エビのうま煮、エビ・ガンボ、エビフライ、カラ揚げ、衣揚げ、パイナップル味、レモン味、ココナッツ味、ペッパー味、エビ・スープ、エビ・シチュー、エビ・サラダ、エビ・ポテト、エビ・バーガー、エビ・サンド...」
「それだけかな?」
フォレストのナレーション:
「兵舎の夜は寂しかった」
「ベッドに横になってママを想った」
「そしてジェニーの事も」
すると隣の男からポルノ雑誌を渡されます。
見てみると、ジェニーが掲載されていました。
14.風に吹かれて
フォレストのナレーション:
「大学のセーター姿で写真を撮らせたジェニーは大学を追い出された」
「彼女はツイてた」
「メンフィスで劇場を持ってる男が、彼女の写真を見て舞台で歌う仕事をくれた」
「僕は休みの日、バスに乗って彼女のショーを見に行った」
司会:
「次はハリウッドから招いた目にも楽しい歌姫。ビートニック・ビューティーの登場です」
「ミス・ボブ・ディロン」
彼女はアコースティックギターで上半身を隠し、歌を歌うストリッパーになっていました。
『風に吹かれて』〜ボブ・ディラン/ジョーン・バエズ〜の曲を弾いていました。
~『『風に吹かれて』(Blowin’ In The Wind) ボブ・ディラン~
♫ How many roads must a man walk down
どれだけ多くの道を歩めば
♫ Before you call him a man?
人は人として認められるの?
♫ How many seas must a white dove sail
どれだけ多くの海の上を飛べば
♫ Before she sleeps in the sand?
白い鳩は砂浜の上で休めるの?
♫ And how many times must the cannon balls fly
どれだけ多くの鉄砲玉が飛んだら
♫ Before they’re forever banned?
それらが禁止されるの?
♫ The answer, my friend, is blowin’ in the wind
友よ、答えは風の中に舞っている
♫ The answer is blowin’ in the wind.
答えは風の中に舞っている
フォレストのナレーション:
「彼女の夢は叶った」
「フォーク・シンガーだ」
この皮肉はとても悲しいものがあります。
『どれだけ多くの道を歩めば、人は人として認められるの?』はジェニーの今の心情を表していて、切なくなりますね。
歌詞とジェニーの現状をシンクロさせているところが、観るものの心に響きます。
観客:
「ハーモニカに替えな」
「オッパイを見せろよ」
ジェニーは脚を触ってきた客と喧嘩になります。
ジェニー:
「やめて、歌ってるのよ!」
「やめて!」
フォレストはステージに上がり、客をジェニーから引き離しました。
ジェニー:
「フォレスト、あなたなの?」
「ここで何を?」
フォレストは裸のジェニーを抱えあげ連れ出そうとします。
ジェニー:「フォレスト、やめて!」
二人は舞台から出ました。
ジェニー:「私を助けようとするのはやめて」
フォレスト:「あいつら乱暴を」
ジェニー:
「あれくらい慣れっこよ」
「いいこと?いい加減にやめて」
フォレスト:「でも君を愛してるんだ」
ジェニー:
「愛が何か分かっていないのに...」
「昔、祈った事覚えてる?」
「『遠くへ逃げたいから鳥になりたい』と」
フォレスト:「もちろん、覚えてるよ」
ジェニー:「この橋から飛べる?」
フォレスト:「どういう意味だい?」
ジェニー:「いいの」
ジェニーは自死まで追い詰められていました。
どうしようもない『無力感』がジェニーを捕らえて離さないでいます。
ジェニー:「もう行くわ」
ジェニーは知り合いの車を見つけ、乗り込もうとしました。
フォレスト:「待てよ」
ジェニー:
「私の事はもうほっといて」
「乗せて」
「どこへでも」
フォレスト:
「さよなら、ジェニー」
「僕はベトナムに送られる」
「遠い外国だよ」
それを聞いたジェニーは車に乗り込むのを止めました。
ジェニー:
「待ってて」
「それなら約束して」
「何かあったら勇気など見せずに走って」
フォレスト:
「分かった」
「ジェニー」
「毎日、手紙を書くよ」
ジェニーは何も言わず車に乗り込み去っていきました。
フォレストに度々干渉されながらも、心優しいジェニーはフォレストを許してきました。
それも段々と心の余裕が無くなってきているところが切なくなりますね。
一方のフォレストは、辛抱強くジェニーを見守り続けています。
フォレストから『無償の愛』を感じずにはいられません。
ジェニーにとって、フォレストは心の巣のはずです。
ジェニーは劣等感のため、そして自身の理想像を追い続けているので、今はまだ素直に受け入れることができないんですね。
フォレストのナレーション:「そのまま彼女は行ってしまった」
15.戦場へ
《ベトナム戦争》
ベトナム戦争(べとなむせんそう、ベトナム語:Chiến tranh Việt Nam / 戰爭越南、英語: Vietnam War)は、当時南北に分断されていたベトナムで社会主義のベトナム民主共和国(北ベトナム)と資本主義のベトナム共和国(南ベトナム)の間で勃発した戦争であり、冷戦中に起こった資本主義と社会主義の代理戦争であるとされる。経済力・物量の差から「象と蟻」の戦いと揶揄された。
ベトナムの南北両国では以前から対立が続いており、南ベトナム国内では北ベトナムに支援された反政府組織である南ベトナム解放民族戦線(解放戦線)が活動して南ベトナムの警察や軍などと争いが起こっていた。南ベトナムの同盟国であるアメリカ合衆国(アメリカ)は以前から軍事顧問を送り込むなどして南ベトナムを援助していたが、1964年8月のトンキン湾事件を契機として全面的な軍事介入を開始した。南北ベトナムと解放戦線、そしてアメリカは一気に全面戦争に突入したが、アメリカ軍は北ベトナム軍や解放戦線側によるゲリラ戦を相手に苦戦し、最終的に和平協定を結んで撤退した。戦争はその後、1975年4月30日に北ベトナム軍が南ベトナムの首都サイゴン(現在のホーチミン市)を陥落させるまで続いた。
~Wikipediaより~
フォレストは出征前に母のもとに帰ります。
母は黙って優しくフォレストを抱きしめました。
綺麗なまだ暖かな夕陽がフォレストを包み込んでいました。
それは母性そのもののようでした。
フォレストの母:「無事に戻って来るのよ」
『フォーチュネイト・サン』〜クリーデンス・クリアウォーター・リヴァイヴァル〜の曲と共に軍用ヘリの音でベトナム時代が始まりました。
フォレストのナレーション:
「ベトナムはアメリカととても違った国だと聞かされてた」
「缶ビールとバーベキュー以外は確かに違ってた」
バッバ:
「この海にはエビがいるぞ」
「エビの捕れる国だ」
「戦争に勝ってここを占領したら、エビの漁師をここに呼ぼう」
「腰を抜かすほどエビが捕れる」
ベトナムに赴任してきたフォレストとバッバは小隊長に挨拶に行きます。
ダン小隊長:「お前らが新兵か?」
士官だと分かり二人は慌てて敬礼します。
ダン小隊長:
「手を下げろ!」
「ここでは敬礼するな」
「士官だと分かると狙撃される」
「小隊長のダン・テイラー中尉だ」
「その下唇は?」
バッバの下唇が突き出ている顔を見て言いました。
バッバ:「生まれつきです」
ダン小隊長:
「引っ込めとけ。地雷線に触るぞ」
「出身は?」
フォレスト&バッバ:「アラバマ州です!」
ダン小隊長:「双子か?」
フォレスト:「血はつながっていません」
ダン小隊長:
「ここは厄介な所じゃない」
「すべて俺と古参兵を見習ってりゃいい」
「生きてる兵隊と死んだ兵隊の違いは1つ」
「靴下だ」
「足をいつも清潔に保て」
「靴下は休憩のたびにはき替えろ」
「メコン川は足を腐らす」
「軍曹、おれの注文したロープは?」
軍曹:「発注してあります」
ダン小隊長:「催促しろ!」
フォレストのナレーション:
「頼りになる上官だ」
「いい上官で僕は幸運だ」
フォレストの考え方はいつも前向きなんですね。
不安、心配事があれば、一気に心はそれに囚われて、恐怖心で一杯になります。
フォレストのナレーション:
「軍人の家系に違いない」
「先祖は国のために戦い戦死した」
前述のバッバの家系と同様に、アメリカの今までの戦争で戦死するシーンがコメディタッチで映されています。
途中で『スループ・ジョン・B』~ザ・ビーチボーイズ〜の曲が流れてきます。
ダン小隊長:
「アーカンソー出身か?」
「リトルロックを知ってるがいい町だ」
あまり話を聞かない上官ですね。それでもフォレストは頼りになると言っているところが面白いですね。
ダン小隊長:
「荷物を解いて足りない物は軍曹に請求しろ」
「腹が減ったらステーキがある」
「隊律を忘れるなよ。足を清潔に保て」
「バカはするな。特に敵に撃たれるような事はな」
フォレスト:「命令に従うぞ」
フォレストのナレーション:
「あちこちを歩いてこの国の方々を見た」
「捜す相手は『ゲリラ』ってヤツだ」
「面倒な事もあった」
「小隊長は道を歩いててヘンだとヒラめくと、こう怒鳴った『伏せて声を出すな!』」
「僕らは従った」
「僕だけの意見だけど、皆いい兵隊ばかりだった」
「フェニックス出身の『ダラス』」
「デトロイト出身の『クリーブランド』」
「『テキサス』は彼は何州の出身かな?」
「ベトナムではいつもどこか行く所があった」
「何かやる事もあった」
「ある日雨が降り始めて4ヶ月ずっと降り続けた」
「あらゆる雨を経験した」
「身を刺すような雨」
「ボタボタ降る大粒の雨」
「横から吹きつける雨」
「時には下から吹きあげる雨もあった」
「雨は夜も降り続けた」
バッバ:「フォレスト、互いに寄り掛かって寝よう」
「泥の中に倒れないで済む」
「お前とおれは相棒だ」
「兄弟のように互いを気づかってる」
「考えてた事がある」
「大切な事を尋ねたい」
「おれとエビ商売を始めないか?」
フォレスト:「いいよ」
バッバ:「全部、経費を計算した」
「船を買うのは幾らか」
「ガソリン代もな。船で寝起きすりゃ、安上がりだ」
「おれが船長。だが稼ぎはきっちり分ける」
「5割ずつだ。それに好きなだけエビが食えるぞ」
フォレスト:「お前は頭がいい」
フォレストのナレーション:
「バッバは頭がよかった」
「ジェニーにもその事を書いた」
「ほとんど毎日手紙を書いた」
「僕のしてる事を書き、彼女のしてる事を尋ねた」
「『いつも君を想ってる』と」
「『君の返事を待ちわびている』という事も書いた」
皮肉にも、差し込まれるジェニーの映像はヒッピーになってあてどなく移動しているシーンでした。
《ヒッピー》
1960年代のアメリカで既存の道徳観や生活様式に反抗し,ひげや長髪をたくわえ,ジーンズや風変りな衣装を身につけ,ドラッグやサイケデリックなロック音楽,東洋的な瞑想を好み,定職につくことを拒否して放浪した人々を指す。アメリカにおいて、ヒッピーの一部はベトナム戦争と徴兵制に反対し、そのため主流社会の軍事的覇権主義に反対し、父親世代の第二次大戦や原子爆弾への無条件支持の姿勢、ベトナムでの米軍の圧倒的な軍事力による暴力やホロコーストなどに対して、音楽や麻薬、非暴力によって対抗(カウンター)しようとした。結果、自然と愛と平和とセックスと自由、巡礼の旅の愛好家として社会にうけとめられた。彼等は当時、西側の若者の間で流行した毛沢東思想や、コミューンの形成、環境運動や動物愛護、自然食、LSD、マジックマッシュルーム、マリファナ擁護に加えて、ヨガ、インド哲学、ヒンヅー教、禅、仏教などの東洋思想に関心をよせた。これまでの欧米の思想にはない概念を東洋からみちびきだすことによって、より平和で調和に満ちたユートピアを夢見た。
~Wikipediaより~
フォレストのナレーション:
「無事だと知らせたかった」
「手紙の最後はいつも同じ。『愛をこめて、フォレスト・ガンプ』」
~PART③へつづく
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