宮城県亘理郡亘理町
地形図のABCDが陸前浜街道で、旧国道6号線。現在の国道6号線は市街地の西側を南北に通る。旧市街地には、昭和以前の面影が残る。
(A) 亘理小学校
三叉路の遠見遮断街路である。住宅がブロック塀で守られている。左折が小学校。右折が陸前浜街道。
(A) 三叉路付近
1863年建築のカドサワ株式会社の土蔵建築が見られる(2016年改築)。角地にはあるが、カドサワは角沢ではなく、門沢である。街路と姓は無関係である。
(B) 右折すぐ左折
城下町あるいは宿場町などに特有の連続直角路である。敵軍あるいは盗賊の攻撃から商家を守るため、遠くを見通すことができないような街路設計である(遠見遮断)。
(B) 直線道路
遠見遮断を抜ければ直線道路である。数100m先には、また障害がある。
(C) 横道も遠見遮断
左から右に向かう直線道路は陸前浜街道。これに交差する町道は、手前から向こうに走る屈曲路である。遠見遮断の横道をそのまま拡幅したものである。
(D) 陸羽街道の急カーブ
遠見遮断は直角路だけではない。ゆるやかなカーブにすることで、見通しを遮断する方法もある。南北に直線であった道路がS字型のカーブを描いている。
(D) この遠見遮断のクランクには旧家がある。ここの遠見遮断(クランク、枡形、屈曲路)の南側は商業地域、北側は農業地域である。遠見遮断が宿場町の境界になっている。
(E) 三角形の土地
陸前浜街道に隣接する三角形の土地に燃料店がある。その一角には小さな祠もある。近くには旅館もあるから、長旅の無事を祈願したものであろう。