先天性魚鱗癬(指定難病160)のページを更新
- 先天性魚鱗癬は、先天的異常により胎児の時から皮膚の表面の角層が非常に厚くなり、皮膚のバリア機能が障害される疾患。出生時、あるいは、新生児期に、全身又は広範囲の皮膚が厚い角質に覆われている。 先天性魚鱗癬は、以下の4細分類を含む概念である。
細分類1:ケラチン症性魚鱗癬(表皮融解性魚鱗癬(優性・劣性)、表在性表皮融解性魚鱗癬を含む。)
細分類2:道化師様魚鱗癬
細分類3:道化師様魚鱗癬以外の常染色体劣性遺伝性魚鱗癬(先天性魚鱗癬様紅皮症、葉状魚鱗癬を含む。)
細分類4:魚鱗癬症候群(ネザートン症候群、シェーグレン・ラルソン症候群、KID(keratitis-ichtyosis -deafness)症候群、ドルフマン・シャナリン症候群、中性脂肪蓄積症、多発性スルファターゼ欠損症、X連鎖性劣性魚鱗癬症候群、ichthyosis, brittle hair, impaired intelligence, decreased fertility and short stature(IBID)、Trichothiodystrophy、毛包性魚鱗癬、CHILD(congenital hemidysplasia, ichthyosiform erythroderma or nevus, and limb defects)症候群、Conradi-Hunermann-Happle症候群を含む。) - 【原因】
- 皮膚最表面の表皮を作っている細胞(表皮細胞)の分化異常、脂質の産生、代謝、輸送の異常、皮膚バリアの形成障害により、皮膚表面の角層が著明に厚くなることによる。
- 【症状】
- 胎児期から皮膚表面の角層が厚くなり、出生時から新生児期に、全身又は広い範囲で皮膚表面が非常に厚い角質物質に覆われる。重症例では、眼瞼、口唇がめくれ返り、耳介の変形も認められる。皮膚に水疱形成がある例、新生児期に死亡する例、皮膚以外の臓器に異常を認める例もある。
- 【治療法】
- 根治療法はない。皮膚には、保湿剤やワセリン等の外用による対症療法を行う。重症例では、新生児期は、輸液・呼吸管理、正常体温の維持、皮膚の感染のコントロール等の保存的治療を行う。新生児期からのレチノイド全身投与療を行うこともある。
<出典:難病情報センター>
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