ファイザーコロナワクチン接種後のNK/T細胞リンパ腫(ENKL)(弘前大学)。
73歳男性、2回目接種3ヶ月後に接種側の左上腕に腫瘍認め、生検でENKLと診断された例が論文になっています。
【BNT162b2 mRNAワクチン接種後に左腕の節外性NK/T細胞リンパ腫,鼻型(ENKL)を発症した症例を報告する.73歳の男性が、3ヶ月前にBNT162b2 mRNAワクチンを接種した部位である左腕のしこりを訴えた。副腎皮質ステロイドの外用とデブリードマンによる治療を受けたが、腫瘍は進行した。さらに、発熱、寝汗、全身倦怠感がみられた。検査所見では、血小板減少、乳酸脱水素酵素の上昇、可溶性インターロイキン2受容体濃度が認められた。皮膚生検の結果、ENKLと診断された。SMILE療法を50%投与し、放射線治療を行った結果、腫瘍の退縮が認められた。潜伏していたEpstein-Barrウイルス(EBV)感染NK/T細胞がワクチン接種により再活性化し、ENKLの発症に寄与したと考えられる。本症例は、BNT162b2 mRNAワクチン接種後のENKLの最初の報告である。本症例は、BNT162b2 COVID-19ワクチン接種後に、注射部位のENKLを含む悪性リンパ腫の発症リスクの可能性を強調するものである。】
T/NK細胞リンパ腫とは、悪性リンパ腫の種類の1つで、白血球の中のリンパ球のうち、Tリンパ球またはNKリンパ球ががん化する病気です。NK細胞腫瘍として,節外性NK/T細胞リンパ腫,鼻型(extranodal NK/T-cell lymphoma, nasal type:ENKL),アグレッシブNK細胞白血病(aggressive NK-cell leukemia:ANKL),慢性NK細胞増多症(chronic lymphoproliferative disorders of NK cells:CLPD-NK)の病型があります。