ひきこもりと言うと、単に「自宅から出ることができない」「本人の弱さやわがまま」「怠け」などのように思われがちですが、それは完全な間違いです。ひきこもり状態にある当事者は、数々の過去のつらい体験(恐怖条件付けという)から、頑張りたくても頑張れない、わかってはいるけどできない、そのように大変苦しい状況に追い込まれているのが実際であり、ひきこもり状態にある方への正しい認識です。
支援の方法は、本人を「説得する」ことでも「諭す」ことでも「叱咤激励」することでも、また一方で「放置」することでもありません。これらの良かれとおもっての熱いかかわりは時に本人を苦しめ、逆に状況を悪化させてしまいます。場合によっては、ひきこもり状態がひどくなるだけではなく、うつ病やパニック障害、強迫性障害や社交不安障害のようなこころの病としての症状が出現し、さらに状況をこじらせることも少なくありません。当事者の方やご家族による互いの暴力や暴言、最悪の場合は、命を殺めてしまうことさえあります。
では、このような事態に陥らないためにはどのように支援することが正しいのでしょうか。
それは、トラウマインフォームドケアという概念を知り、当事者の方のみならずご家族もひきこもりと言う概念を正しく理解し、そしてそれらに基づいた正しいかかわり方を実践することです。そうすれば、状況はすこしずつ(いくらかは年単位で)改善していきます。
本セミナーでは、そうした事柄の考え方から支援の実際までを、山口大学大学院の山根俊恵教授とともに田邉がお話しいたします。
参加対象は、「外出はできるのに働きたいのに働けない方」「ひきこもりの状態にある方のご家族」「教育関係者」「医療福祉関係者」「行政関係者」など、どなたでもどのような立場でも役に立つ内容となっております。政府のひきこもり支援対策がまだまだ不十分な状況の中、当法人は、より実践的な支援の考え方をお伝えしていきます。
ひきこもりの啓発が目的ですので、参加費は無料としております。
大変有意義な内容になっておりますので、ぜひ奮ってご参加下さい。