プチ早期退職者の資産運用+αブログ

高配当株、連続増配株への投資

株式の額面と1割配当(昔の話)

 株式投資を始めた頃、株式には額面があり、額面に対して1割配当が基本だと言われていた。例えば、額面50円の株が時価200円になっても、利益が増えても年間配当はずっと5円のままという感じだ。配当利回りに期待して保有するのは電力株ぐらいで、普通、株は値上がり期待で買うものだった。もっと昔は、額面で出資した株の配当は不安定なので、預金金利よりも利回りが高いのも当然と思われていたようだ。


預金よりも高配当株が有利

 ところが、今は無額面株式になったし、外国人株主の増加に伴う利益還元圧力の高まり等によって、この何年かは業績に応じて増配する企業が多くなった。国債や預金は超低金利なので、多少の値下がりリスクはあっても株の配当の方が圧倒的に有利だ。いざという時のための貯金(生活防衛のためのコア貯蓄)以外は、預金代わりに高配当株を選んだ方がいいと思っている。


実質配当利回りの向上

 増配が続いた結果、昔購入した株の中には、購入価格に対する予想配当利回りが2桁に達しているものがある。保有株の中で1番予想配当利回りが高いのは2014年10月に150円で購入した双日で11.3%になる。次に高いのは、2012年12月に現在の1株換算で900円で購入したNTTで10.5%になる。株価も上昇していて、双日で2.3倍、NTTで3.1倍ほどになっている。このようなお宝株になると、よほどの業績悪化見通しとか値下がり見込みがない限り、おとなしく配当をもらっていれば十分だと思えるようになる。売れば税金が高いし。




増配株への投資

 上記のように安い時期に増配銘柄を買えると、資産と受取配当がどんどん増えていく。配当利回りが高いと当初の投資額の回収も早いので、やがてタダで配当をもらっているような感じになる。そういう株を狙って投資する増配株投資という考え方もある。利益が増えないのに配当性向を高めて増配している場合もあるが、継続的に増配できる会社というのは収益力も向上している場合が多いので、そういう会社の株を買えばいい銘柄を選べるというメリットもある。

 以前ブログで書いたZAi(マネー誌 ダイヤモンド・ザイ)でも、高配当株や連続増配株が特集の中で定期的に紹介されていて、それを参考に選ぶこともできる。
 また、米国には長期にわたり増配を続けている有名企業も多く、それに着目して買い続ける投資法もあり、有力だと思う。私はやってないが、米国株にもずいぶん投資しやすくなっているので、その気になればハードルは低いと思う。


増配株を買うタイミング

 連続増配株は、基本的に相応に評価されいて、右肩上がりの株価になっていて買い難い。目を付けておいて、相場環境で大きく下落した時に買うのがいいだろう。ただ、いつ大きく下げるか分からないから結局買いそびれてしまう可能性もあり、適当なところで買っておいてもいいと思う。あるいは、一旦業績が下がって連続増配が途切れそうで株価が落ちてきた銘柄を買う手もある。ただ、業績が回復するとは限らないが。


ビジネスモデルの崩壊に注意

 連続増配株でも業績に陰りがあって下げてきた株を買う場合は要注意だ。足踏みして増配が止まる程度ならよいのだが、ビジネスモデルが根本的に崩れて儲からなくなってきている場合があからだ。ZAi 2017年9月号で連続増配株として紹介されていた中から、右肩上がりが崩れている銘柄を選び、様子をみながら買ったことがある。

 会社の懇親会の案内でも馴染みのあったぐるなびだった。当時のぐるなびは、前期までは連続最高益更新中で連続増配していたが、食べログとの競争に負けつつあって業績悪化見込みだった。その点も考慮したつもりだったが、四季報に20年3月期は赤字転落見込み(最近のIRでは回避)が出るまで落ちていくとは想像できなかった。購入後の2018年3月期に44円あった配当は翌期には8円に一気に下がり、株価も急落していった。最近では楽天との提携で少し持ち直していて、今後に期待したいところだ。
 なお、ぐるなびは最初に買った後も難平買いしていて、節税売に利用したりもしている。




バリュートラップに注意

 業績はそこそこよく、配当利回りもいいという株がある。割安だと思って買うと、一定の稼ぎはあるが成長性の乏しい株に投資してしまうことになる。その結果、株価も全然上がらないという事態になる。いわゆるバリュートラップというやつだ。配当利回りと合わせてPBRやPERでスクリーニングして銘柄を選ぶと引っかかりやすい。

 それを承知でそういう株を買う手はあるし、私もそういう銘柄ももっている。ただし、上がらないだけならまだしも、徐々に稼ぎが落ちてくると減配になり、株価も下げてくる。いつの間にか割安でなくなり、PBRが低いだけの株になったりするので、監視は必要だ。


見かけだけの高配当株に注意

 業績悪化を先取りして株価が下げてきた結果、高配当利回りに見えているだけの株もある。その後、どんどん業績悪化が進み、減配になる。市況産業にそういう株が多いので、安易に拾ってしまうのだけは避けたい。最近では、鉄鋼株が特にひどかった


 私は高配当株を比較的多く持っていて、退職後の主要な収入源ひとつになっている。幸いなことに、メイン口座分の配当には手を付けずに何とか生活できており、口座に入った配当は貴重な再投資の原資になっている。

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