単身赴任の成果 (2007-05-09の自分史より)
母の介護に専念するために 単身赴任を3ヶ月前に始めた頃の追憶です。
平穏な日々が続くことを願っている毎日でした。
母の血圧の薬をもらいに行ってきました。
外は寒いので、母はドライブの事はあきらめているようです。
食欲があり、風邪を引いていなければ大丈夫!
と言うことで、薬を出してくださいました。
「薬をもらってきたよ~~」というと、
「もう、どこも悪くないから飲まなくって良いよ~」と母が言います。
「80を過ぎたら手にも皺が多くなって血管がつぶされて
細くなっているのが見えるでしょ?
血液を通りやすくするために、この小さな薬が働いてくれるのよ。
今は良いお薬のおかげで、みんな長生きできるようになったわねえ~」
と静かに言って聞かせました。
得心できたようです。
この大字での最高長寿者は母です。
母の中ではユキちゃんもサカエさんもサトちゃんもみんな元気なのです。
悲しい知らせは一切聞かせていないから、みんな長生きだと喜んでいます。
出かけた時のお土産は新しい週刊誌でした。
新聞を以前は繰り返し見ていたが、年末頃から女性週刊誌をいつも広げて
メガネをかけて見ているので、買ってあげることにしています。
別に旧くっても母は頓着していませんけどね・・
氷川きよしさんと韓国四天皇の情報は詳しいのです。
ベ・ヨンジュンとかイ・ピョンホンなどとペをべと読んだり、
ビをピと覚えていたりで笑わせてくれます。
夜トイレに起きた時も、かならず私の布団をしっかり掛け直してから
部屋を出て行く習慣は変わっていません。
床暖なので暑くなって はねのけていることが多いのですが、
母にすると 娘が風邪を引くと思うのでしょう。
何回も触られるので その都度起こされてしまうのです。
まだ周りに気遣いできる母なので ありがたいと思うことにしています。
山に餌がなくなったのか、百舌鳥が葉牡丹の鉢に留まり
葉っぱをついばんでいるのが母の部屋の前庭に見えたようです。
「かわいいのがいるよ~~」と大慌てで朝食中でしたが、
私の部屋まで そ~っと呼びにきてくれました。
行って見るとすでに飛び立った後でしたが・・・
話し相手がいるってことは毎日がとても楽しいよって
母は態度で教えてくれます。
しっかりと人間を取り戻してくれ、残りの人生を楽しく
過ごしてくれていると感じます。
お墓参りは毎日散歩コースの初めに位置づけて、
母の様子をお伝えしお礼を述べることにしています。
先祖の守りを大きく受けているんだな~と実感の日々なのですよ。
日差しがあると、私の部屋は南向きなのでとても温かくて明るいのです。
観葉植物の鉢を15鉢ほど越冬させているので、
さながらに温室暮らしのようです。
植物と同居しているのは花好きにはうれしく、母もよくやって来て眺めています。
11月の初めに連れ合いが贈ってくれたポインセチアの大鉢が
元気でひときわ艶やかなのが うれしい眺め♪
カランコエとハナキリンとサボテンの鉢は何年来かの常連さんで、
幾鉢も色とりどりに大きく育って花を咲かせています。
母の感情が普通に戻ってきているのは11月末から気付いていました。
昨日は一瞬驚いてしまったのですよ。
「ヒロちゃんが永い事こちらにいたら、奈良の方は大丈夫なの?」と
出し抜けに聞いてきたのです。
「大丈夫、だいじょうぶ♪
私はもうおばあちゃんになって、若いお母さんはいるし8人家族だからねえ。
お勤めは終わったからゆっくり竹田に行って、一人暮らしのお母さんを
喜ばしてやれって、父さんが言ってくれたのよ~」と答えました。
「そうねえ~♪それなら安心、安心!」
妹たちも介護に来て 終わって帰るときは声をかけずに黙って帰ることにしています。
別れの挨拶をすると、一瞬でも悲しい別れの気分を味わわせることになるからです。
5分もすると来てくれていたことも忘れてしまう認知症ですから・・
目の前に見えるだけが存在する世界。
あれこれ繋ぎ合わせた話はできない母でした。
驚くような回復ぶりを感じます。
単身赴任の成果あり~(^^)/
お父さん、ありがとう!と感謝でいっぱいの私でした。
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今朝の癒しをお届けしますね
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