森 絵都さんの《風に舞いあがるビニールシート》を読んだ。
短編集。
表題の物語ではUNHCR(国連難民高等弁務官事務所)で働く女性と、同じUNHCRで働き、フィールドワークで家をほとんどあけている外国人の夫の関係を思い出していくように描かれている。
夫は子供を欲しくないと言う。
その理由は日々、難民と関わり、助けが必要な人間が世界にあふれている中で自分の子どもに費やす時間など持てないというようなことを言う。
そうか…妻としてはつらいと思うがそういう信念を持った男ならば仕方ないな…自分の子さえ良けりゃいいというような考えの人も多い中で、立派だ。しかし、誰にでもできることじゃないからこそパートナーに理解されるのも難しい
読み終わった直後、《LIONライオン-25年目のただいま》という映画を見た。
インドの子がお兄ちゃんとはぐれて家から遥か遠いところで迷子になって施設に連れて行かれるんだけど、そこからオーストラリア人の裕福な夫婦の元に養子としてもらわれて行く。そしてオーストラリアで何不自由なく育つが、自分がいなくなり心配してるであろうインドの家族に思いを馳せ、25年後にGoogle Earth🌍で故郷を見つけ出すっていう実話を基にした物語。
この映画でオーストラリアのお母さんが養子をとった理由を「子供を産めないわけじゃなかったけど、世界は人があふれているから今(既に産まれて)いる子供たちを引き取って育てることにしたの」というようなことを言うのだ。
「世界に人があふれているので、自分の子どもを産まない。」という、そんなに一般的には聞かないスタンスを持った人物に一日に2人も出会うなんて(実際は会ってないし、1人は小説の人物だから実在もしてないけど)なんかちょっとした驚き。
自分の信念をしっかり持って、恐れず突き進む生き方をしてる人は素晴らしい
報道写真家とかも憧れです。命かけて伝えたいことってほんと凄過ぎる。
私は一瞬で心揺さぶられるけど、その熱がすぐ冷めてしまって、実が伴わなくてこれじゃいかんなと思いながら変わらずに生きてるからなぁ…
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