武蔵野グリーンタウンは、植栽の管理を野田造園(株)さんに委託しています。
野田造園さんからは毎月作業報告を受けているのですが、、、ただの堅苦しい作業報告だけではなくて担当していただいている樹木医さんの”草木への愛♪”を感じるコラムがあります。
今回は、草と木の違いについてわかりやすく説明してくださっています。
少し長いのですが(笑)、理事会の中だけでとどめておくのももったいないくらい興味深いお話でした。
このような方々の協力があって武蔵野グリーンタウンの緑は守られているのですね♪
//* ---- 以下、植栽コラム本文(7月分) ---- *//
今年はなかなか梅雨が明けず、雨がよく降りました。7月は雨の降らなかった日は1日だけだそうです。
おかげで草や木は元気一杯、よく伸び茂っています。ところで草や木といいますが、草と木の違いってなんでしょう?・・・意外と直ぐに明解な答えの出てこない難問です。
植物学でも草のことを草本、木のことを木本と言い区別していますが、本質的違いは曖昧なようです。
子供に聞いてみると面白いなるほどと思える答えが返ってきます。
「木は大きくて登れるもの、草は細くて小さくて地面一面に生えるもの」とか、「硬いのが木、柔らかいのが草」とか「長生きするのが木、一年で枯れるのが草」とか言います。
高学年になると、「年輪のあるのが木で、ないのが草」とか「形成層があって太くなるのが木、形成層が無くて太らないのが草」とか専門的になってきます。
なるほどと納得してしまいますが、植物学ではどう定義されているのでしょうか。
樹木医の方が全員受験勉強で活用したはずの「樹木医の手引きP87樹木とはなにか」から引用してみましょう。
少々長くなりますが、勉強のつもりで我慢してください。
「植物学においては、植物体の特に地上部が枯れずに長年生き続け、茎や根で分化した形成層が引き続いて活動し得るかどうかによって、木本と草本は分けられる。植物は、種子が発芽すると、芽生えの茎頂と根端の分裂組織が活動して一時成長を行い、茎と根を伸ばす。ほとんどこの段階で止まって一生を終えるのが草本である。この後、更に形成層輪ができ、その働きによって連年茎や根を太らせる二次肥大成長を行うのが木本である。つまり木本と草本の別は二次肥大成長の有無によって決められる。」
ややこしいですね。これを定義として次のようにまとめています。
『木本:茎及び根が二次肥大成長を行って多量の木部を形成し、その細胞壁の多くが木化して鞏固(きょうこ)になる植物。ちなみに草本は、木部のあまり発達しない草質か多肉質の茎をもち、多くは地上部が1年で枯れる植物。』
定義の方が少しは分かりやすくなっています。
樹木医の本ですから木本主体の書き方になっています。
木と草の違いは、「硬くて長生きして登れるのが木、柔らかくて1年で枯れるのが草」という子供の認識で間違いないようですし、分かりやすい気がします。
以上