戦史を学習する一環として購入した。緒戦における快進撃は、弱体の中国軍や植民地軍が相手だから、あまり参考にならないとは思っていたが、本書を通読して、大変勉強になったことは確かである。
付録として作戦図がついており、理解を深めてくれる。戦術を学習するにあたって、史実に基づいた教材としてこれほど貴重なものはない。なにしろ結果がわかっているから、その戦術の誤りや現場の錯誤がいかように影響したかが切実に学べるのである。
本書は昭和17年、破竹の勢いでビルマを進行した日本陸軍第15軍の作戦を取り上げている。あまり参考にはできないと高を括っていたが、日本軍の果敢な迂回、英印軍の(潔いほどの)遅滞行動は、戦術のてにをはを知るにはうってつけの教材だった。
次は日本軍が河川障害に依託して劣勢を補おうとした防勢作戦『イラワジ会戦』を読む。どのように守ろうとし、それが何故瓦解したのか。興味は尽きない。
