湾岸戦争を学び直そうと思ってAmazonで検索し、「図説なら分かり易いな」と本書を選んだ。
多国籍軍が当初空爆で重要な施設を破壊し、イラク軍を無力化してから地上軍が進行した。結果、圧倒的な勝利を得て、ハイテク戦の曙と捉えられてきた。そういう概略は知っていたが、当時私は小学生で、その後、改まって学習する機会も作らずに来た。これはいけないなと思った次第であった。
戦闘の推移については文句の付け所のない内容だった。図及び写真を多用したグラフィカルな内容で、容易に状況が想像できる。また、案外緻密な論説も過不足なく掲載され、湾岸戦争を、その戦前戦後を含めて理解できた。
しかし、作戦・戦闘の経過や政戦略的なトピックは豊富なのに、多国籍軍がいかように情報を収集し、処理し、使用したかはほとんど論及されておらず、片手落ちと感じた。
読む側の多くが、作戦・戦闘のほうを関心の主体としており、『歴史群像』という商業誌はこれに応えざるを得ないのだろうけれど・・・
