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よい子の読書感想文 

読書感想文904

『スマホはどこまで脳を壊すか』(榊浩平著 川島隆太監修 朝日新書)

 話題になった『スマホ脳』に便乗した本かと思ったが、東北大学の研究者らが長年にわたる研究成果に基づいて著した提言ということで手にした。タイミング的に、出版サイドは便乗してやろうと思ったのかもしれないが。
 さまざまなエビデンスが示され、スマホの悪影響に愕然とさせられる。スマホを使う時間の長さが、学力の低下に比例し、鬱病の発生率に比例する。
 自分の子供が、勉強についていけなくなったり、学校を休むようになったタイミングが、スマホを持った時期に重複しており、親としては危惧していたことが証だてられていき、暗然たる思いである。
 本書を、子供にも読んでほしいが、スマホ依存になるにつれ、活字離れも進んでおり、欲しくて買った本まで積読している。親の勧めるものなど、読みはしないだろう。
 その他にも、著者は認知症患者の増大を危惧している。脳を劣化させるスマホ等の機器を若いときから常用してきた世代。これらが高齢者となるとき。・・・
 単に年金受給者が増えるとかいう問題ではない。健康のために運動することも、老後への投資だというが、デジタルデトックスに努めることもまた、脳を保全するための投資といえるだろう。
 紙の本や新聞を読むことの有意義を再確認もした。

 さて、高校の課題で論文を書くことににった私の子供は、『自己肯定感』をテーマに選んだらしく、それを低下させるものの一つがスマホかもしれないという私のアドバイスによって本書を紐解いてくれた。
 少しは危機感を共有できればいいが。
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