なんと欧米の航空業界は深刻な人材不足のせいで、シミュレーションだけのフライト訓練を行って養成機関を短くしようとする動きが実際にあるそうだ。
そうなると空を飛んだことのないパイロットがデビューすることになってしまう。
パイロットの人手不足が原因で欠航が頻発する航空会社がヤバイ
最近ピーチ・アビエーション、バニラエア、エアDOなどのLCCでパイロットの人手不足が原因での欠航が頻発する事態が起きている。
しかしこれは低価格のLCCのみでなく航空業界全般に起こっていることなのだ。
世界中でパイロットが大量に不足しているのが現状なのだ。
ICAO(国際民間航空機関)が予測する事態は2010年全世界で46万人であったパイロットが、2030年にはおよそ2倍の98万人が必要になる。
なかでもアジア太平洋地域はより深刻で、4.5倍のパイロット需要が見込まれている。
原因は路線の拡張、座席数の減少、LCCの台頭
これらの原因として考えられるのは、世界各地での路線の拡張、ジャンポジェットをやめて座席数の少ない燃費効率のいい航空機に変えたこと、低価格のLCCの予想以上の台頭が挙げられる。
特にLCCの小型の中距離飛行機による路線が増えたことによるパイロットの需要が大きいのだ。
今やパイロットも人気の職業ではなくなった。
ひと昔前、航空機のパイロットといえば憧れの人気商売だった。
TBSのドラマでキムタクがかっこいいパイロットを演じていたのもかなり前の事になる。
最近はこの手のドラマはとんと見る事がなくった。
しかし今やパイロットの労働環境は大きく変わり、憧れの職業とは言えなくなってきている。
乗務時間はどんどん増えるのに対し渡航先の宿泊数は減少する。
これはスケジュールがよりタイトになってきている事を示している。
パイロット独自のさまざまな手当も廃止される方向で、給料事態も激減しているのだ。
ファストフードの時給より安いLCCもあると言われているが本当だろうか?
あまりに厳しいスケジュールが事故につながらないか、客として乗る側としてはそれが一番気になるところだ。
こうしたパイロット不足を受けて中国系エアラインが高額の給与を示して引き抜きを行っているという話も聞く。
パイロット不足解消の策
航空会社といえば自社のパイロットの管理・育成にはかなりのコストをかけていたものだった。
しかし現状では安く使える外国人を雇ったりパイロットの育成自体をアウトソーシングしたりしているのだ。
冒頭で書いた「シミュレーションだけのフライト訓練を行って養成機関を短くしようとする動き」は実際に起きていて、ほんとに空を飛んだ事のないパイロットがデビューしてしまう。
乗る側は慎重に航空会社を選ぶ時代になる
このような事態はまだあまり世間には浸透していないようだ。
やはり安いLCCが人気でどうしてもそこに集中しがちだが、忙しければ忙しい航空会社ほど深刻なパイロット不足に悩まされているはずなので、安全面ではしっかりしているのか心配になってくる。
乗客として乗る側は慎重に航空会社を選ぶ時代になってきたのだ。