事務局長通信

【読み終えた本】(170807)

【読み終えた本】(170807)
<「生活保護なめんな」ジャンパー事件から考える>
(生活保護問題対策全国会議編;あけび書房)

今年1月に神奈川県小田原市で発覚した衝撃の事件。何が問題であったか、どういう現状にあったかを解明しながら、当事者も含めた検証作業によって改善へ進み始めた小田原市の現状や今後の課題について書かれた生活保護問題対策全国会議による編著本です。

この事件をはじめに聞いて直感的に思ったのは、「人権侵害も甚だしい」と同時に「対岸の火事」にしてはいけないと言うことでした。「何があったのか」「問題の本質は何か」を確認したいと思っていました。事件発生から半年で出版された本は、そんな思いに応える中身を持っていました。

直接的なジャンパー作成のきっかけとなったとされる事件は、きちんとした制度運用と利用者に寄り添う対応がされていれば起こることはなかったのではないかというは分析はよく理解できました。小田原市が検証会議に生保利用をしたことのある方をメンバーに加えたことは、市の真摯な姿勢の現れであると同時に本来の暮らしに関わる制度検討のありようを示していると思いました。また、社会保障制度全般の施策で「自己責任」が強調される中、利用者が孤立させれているのと同時に支援の中核を担っている公務労働者自身が孤立させられている状況にもきちんと目を向けないといけないと感じました。誰と一緒に何に怒りを持つべきか、よくとらえていきたいですね。

生活保護に関わる問題を指摘するだけでなく、社会保障・社会福祉制度全般にもつながりり福祉労働の本来のありようにも結びつく中身だと思いました。

それにしても、この間生活保護をめぐる状況に関わりが多くなって思うのは、自治体間格差の何と大きいことか。びっくりすると同時に、きちんとした制度運用を求めていく運動も本当に必要です。

今後の小田原市に注目ですね。
ぜひ多くのみなさんに読んでほしいです。

http://booklog.jp/users/na1129jr/archives/1/4871541525


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