東日本大震災から2年目にあたってのアピール
東日本大震災の発生から2年間が過ぎようとしています。
被災地では、障害者を含む多くの人々がなお支援を必要とし、また今後の復興に向けては長く険しい道のりが予想されます。
私たち障害団体・関係団体は、被災障害者に対する支援を続けるとともに、ドキュメンタリー映画や支援活動の報告書の作成などを行いながら、震災に関わる課題が今も継続中であることを強く訴えていきたいと思います。
大震災から2年目を迎えようとしている今、私たちは、国、自治体を含むすべての人々に、次のことを提言します。
1、東日本大震災における障害者の死亡率が、住民全体の死亡率の2倍以上であるという自治体や報道機関の調査結果を踏まえ、被災障害者の実情(生活実態、数的データを含む)を速やかに把握するとともに、国に検証委員会などの検証の場を設け、課題解決への方向性を見出すこと。
2、現在も、被災地、ならびに避難先の各地において、支援を必要とする障害者が数多くいる実情を認識し、制度やサービスの利用、移動の支援、住宅の支援(みなし仮設を含む仮設住宅、復興住宅の居住性を含む)等の支援を、国、自治体において継続すること。
3、上に述べた被災障害者の実情把握と検証、支援活動、そして今後の復興のあらゆる過程に、障害当事者が参加できるようにするとともに、行政における防災、復興の部局に、障害当事者を任用すること。
4、障害者が住みやすい社会は、すべての人が住みやすい社会であることから、今後の被災地の復興ならびにあらゆる地域の防災対策においては、障害者権利条約を指標の基本に位置づけ、誰もが住みやすい「インクルーシブ」な社会(共生社会)の構築を獅ニすること。
5、本年から2015年にかけて開催される国連を中心とする国際会議において、東日本大震災を含むこれまでの震災・災害の経験を基に、国際的な防災戦略にあって、障害者に関わる問題を明確に位置づけるよう、日本から世界に発信し続けること。
2013年3月5日
日本障害フォーラム(JDF)
東日本大震災被災障害者総合支援本部第三次報告会
参加者一同
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