名張市立病院を守りよくする会

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【声明】市民無視の「中間報告」を撤回し、市民の要求を踏まえた市立病院改革を議論するよう求める

2023-12-23 21:05:16 | 日記

2023年12月21日

 

 声明

 市民無視の「中間報告」を撤回し、市民の要求を踏まえた市立病院改革を議論するよう求める

 

名張市立病院を守りよくする会

 

 名張市議会は13日の全員協議会で、市立病院を「独立行政法人への見直しが最適」とする市立病院経営改革特別委員会の「中間報告」を了承し、21日に北川市長に提出しました。しかし、この「中間報告」は、とりまとめのやり方もその内容についても重大な問題点を抱えており、直ちに撤回して、市民の意見を踏まえた改革論議を行うよう求めるものです。

 

 ■独法化ありきで反対意見を無視

中間報告は、名張市議会市立病院経営改革特別委員会の各会派代表からなる委員6名中2名の委員が「独法化した場合の財政試算も出ておらず拙速だ」「なぜ独法化が良いのか理由が不明」「独法化を議会が推進することになるので中間報告は出すべきではない」と反対したにもかかわらず、それを無視して一方的にまとめたものです。5会派中2会派がこの報告には参加していないにも関わらず、市議会として「独立行政法人化が最適である」と結論づけることは、議会の民主的運営にも反するものであり速やかに撤回すべきものです。

 「独法化」について市長が市民にきちんと説明もせず、市民的議論も合意もないまま決めようとしているもとで、その暴走をただすべき議員・市議会が、同じように市民的議論も合意もないまま「独法化」を推し進めることは市民に対する責任を果たしているとはいえません。

 

 ■独法化する理由も必要もない

中間報告は、「独法化」が「最適」とする説得力ある理由を示さないまま、「独法化ありき」でまとめられたものです。「経営改善に取り組んできたが、十分な成果が表れていない」としていますが、救急医療や小児科など不採算医療を担い、コロナ禍で市民のいのちを守る重要な役割を果たしてきた市立病院を、財政収支だけで判断することは誤りです。

 「一般会計からの繰り出しが市財政に大きな影響を与えている」としていますが、一般会計からの繰り出し約12億円は市民のいのちと健康を守るために自治体として必要な負担であり、市の一般会計300億円にてらせば「大きな負担」などと呼べません。しかも半分程度は国からの地方交付税で措置されており、年8億円程度の建設時債務も29年度からなくなります。財政負担を理由に独法化する必要性はまったくありません。

 「独法化」の理由にあげる「自主性・迅速性」についても、現行の公営企業法のもとで自主性・迅速性を発揮してサービスと経営を改善している公立病院が全国にいくつもあり、特別委員会の視察でもそのことを確認してきたはずです。「独法化」しなければ自主性・迅速性を発揮できないということには、何ら根拠も説得力もありません。

 

 それでも「独法化」に固執するのは、市の直営では「職員定数の制限や給与決定権限が限定的」だと中間報告で述べる通り、市の財政負担を減らすために、サービスや人員、人件費の削減がもっと自由に迅速にできるようにしたいということにほかなりません。すでに市議会では、「独法化」を主張する議員から、診療内容や病床の再編などの主張が出されています。市立病院の「独法化」は、国や県が計画している病院・病床の再編・削減への突破口ともなる危険を抱えています。

 

 ■「安全・安心の医療」に背く

 「独法化」とは、市民の意見が反映できる市の直営をやめ、議会の関与を遠ざけ、収益・効率優先で経営するものです。医療サービスの切り捨てや患者の負担増などが予想され、安全・安心の医療を求める市民の願いに背くものです。

 実際、各地で「独法化」された病院経営では、理事長によるワンマン経営も加わって、不採算の医療サービスの切り捨てや職員の賃金カット・非正規雇用の拡大、患者の負担増が行われたり、数々の不正行為も横行し深刻な問題になっています。

 「独法化」になれば、市民から託された市議会の役割・チェック機能も大きく後退します。これまでは予算・決算の審議・議決をはじめあらゆる問題についてただすことができましたが、「独法化」になれば予算・決算審議もできなくなり、病院責任者を議会に呼んで直接質問することもできません。議会の役割が形骸化し、市民に対する責任を果たせなくなります。

 「中間報告」は撤回し、市民の意見・要求が反映されるように市の直営で、市議会の役割も維持できる、現行法(公営企業法)のもとで改革論議を行うよう求めます。

 

 ■守りよくする取り組みはこれから

 名張市立病院は市民の願いと運動で18年余の歳月を経て生まれた「市民の宝」とも呼ぶべきものであり、これからも市立病院として維持・発展させていくことこそ市民の願いです。このような中間報告を市長に提出して、市民的議論・合意もない「独法化」を推進すれば、市民からの批判や市民との矛盾は避けられません。

 「独法化」を許さず、名張市立病院を守りよくしていく取り組みはこれからです。そのために市民のみなさんが声をあげていただくことを呼びかけるとともに、私たちはその先頭に立って奮闘することを表明するものです。

                                          以上


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