名張市立病院を守りよくする会

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名張市立病院を守りよくする会が講演会と総会ひらく

2025-02-16 13:48:00 | 日記

深刻な経営と地域医療の現状を告発。「独法化は中止し、市民的議論で再検討を」


多くの市民、職員とともに運動を広げていく

 

名張市立病院を守りよくする会は1月26日、「名張市立病院の『独法化』にどう立ち向かうか」と題した講演会と定期総会を武道交流館いきいきで開きました。

和田四十八代表世話人が開会あいさつし、すずらん台で住民説明会を開かせたが、なぜ独法化しないとできないのかと聞いても市当局はこたえられない。なぜ独法化するのか分からないという市民が多い。市民とともに『独法化』に立ち向かっていきたい」と述べました。

講演した立命館大学経済学部授業担当講師の大松美樹雄さんは、公立病院の独法化をはじめ各地で行われている民営化の動きについて、「病院事業を自治体行政から追い出し、公の関与を縮小していくものだ。地域のヘルスケアを管理する自前の能力育成の放棄であり、市と市民によるガバナンス(統治)が及ばなくなること一番の問題だ」と述べました。

名張市立病院の経営実態にも言及。医業費用が収益を上回り2億6千万円余の赤字(23年度)となっているにもかかわらず、「経営強化プラン」では独法化後の2027年度に黒字化に転換できるとしていることを指摘し、「独法化するだけで黒字化する根拠があるのか。願望を数値にしただけだ。職員のやる気をそいでよくなるわけがない」と厳しく批判しました。

今後の運動について、「カフェ」などを通じて市民と職員に問題の本質を分かりやすく示し続けることや各市議・後援者らに働きかけていく―など実践的な取り組みを提言しました。

日本共産党の三原じゅん子市議が、独法化移行前にあらわになっている深刻な職員・経営・地域医療の実態について報告。①看護師らの離職が続き、200床のうち146床しか稼働できず、救急の受け入れを制限ている看護師のメンタル休職者の比率は全国・県内平均を大きく上回る異常事態 ②入院患者が減り2億円の赤字になっているのに、独法化の新給与システムなどに1億円かかる上に2026年度に10億円の施設改良を予定しているが自前で調達できず、市が貸し付ける計画だ「財政危機」といいながらそんなことができるのか ③この1月から市内で分娩施設がなくなるにもかかわらず、独法化の中期目標」には産科開設が盛り込まれなかった。応急診療所の夜間診療もなくなる―と指摘。「〝住む街〟である名張市に求められるのは、医療・介護・福祉・教育の充実で安心して住み続けられるまちづくりだ。そのために市立病院を守り、いのちと暮らしを守る自治体行政こそ求められると語りました。

定期総会では、臼井照男事務局長が報告。この間の取り組みを振り返るとともに、病院経営と地域医療の現状を踏まえて、「独法化計画はいったん中止し、市民の要求・ニーズに応え、職員が誇りと安心を持って働ける市立病院とるよう、市民的な議論を尽くして再検討するよう求めていく取り組み提案ました。今年10月予定の独法化が実施されても、医療サービスの低下や患者の負担増、職員の待遇悪化を許さず、救急の堅持をはじめ市民の要求・ニーズに応える市立病院となるように運動を継続し、市民のいのちと健康を守る公的責任を追及していく市民的な運動に取り組んでいこうと呼びかけました

討論では、「日本婦人の会として産科確保について市と県、厚労省にも要請した。近くで安心して産めるようにしてほしいというのが市民の願いだ。SNSなども活用して市民世論を広げていく「市立病院から退院して母がまた脳こうそくで倒れたのに市立病院で受け入れを断られた。市立病院の役割を果たせていない」看護師不足で入院制限することになり、いつから解消するといえないことが深刻だ。独法化などしている場合ではない」と発言が相次ぎました。

職員アンケート結果について、「職員説明会に同意できない人が約半分。経営形態への不安が6割を超え、声を上げても改善されないという人も約7割いた。独法になれば辞めるかもという人が10人いた。市や病院はこうした声にこたえるべきだ」と報告されました。

今後の取り組みについても、「昨年夏に取り組んだ署名には2000人を超える市民が署名してくれた。この人たちに現状と産科の問題などを知らせる取り組みを」などの提案が出されました。

大松さんは、「決してあきらめる必要はなく、これまで協力してくれた多くの市民に知らせて運動していくことが重要だ」と助言。医師確保についても、三重大に限る必要はなく、近隣に都市が多いのだから他の大学病院と連携することを追求すべきだと指摘。「市立病院の職員に対して、市民が応援しているよというメッセージを届けて、連携していくことが重要だ」と語りました。

総会では、代表世話人として、和田四十八(日本年金者組合伊賀名張支部長)、内橋晃子新日本婦人の会名張支部長)、安原弘美名張市議会の民主化を求める会代表)、臼井照男伊賀名張地域一般労働組合執行委員長)の各氏が提案され、経過報告、活動方針などとともに承認されました。 〆


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