『ある日のひとこと』

『ある日のひとこと』 21-3-1〜10

2月は逃げると言うように瞬く間に過ぎ去った感じがする。1月が長く思えたのとは大違いだ。もちろん、3日少ないのが大きく影響しているにしても早かった。こんな風に感じてしまうのはこれといった大きな行事も変化もないまま同じような日々が淡々と過ぎていくからだろうか。3月は去ると言われるので、ここはしっかり計画を立てて長い1ヶ月になるよう努力していきたい。
21-3-1


1週間ほど前に近辺の排雪が行われ、氷の地面は残るけど雪はなくなり道幅もぐっと広がったと喜んでいたのに、昨日からの大雪で一気に冬景色に戻されてしまった。何しろ今年一番の大雪だからガッカリ度も大きい。雪がある上に雪が積もるのならまだあきらめもつくが一旦春近しと思わせておいての大雪は辛い。でも、三寒四温の時季なんだからこれもありとしなければ。
21-2-2


毎年同じようなことを言ってる気もするけど、やり始めるまでは面倒な気分でもいざやり始めてみるとそうでもないのが確定申告書の作成。領収書とレシートの整理とまとめと計算、それを下書き後に提出用に記入。手を付けたら後は機械的にやるだけなので淡々と進められる。少し緊張して疲れるのは最後のボールペンでの記入のときのみ。すでに解放されホッとしている。
21-3-3


長年に渡って身に付けたクセを直すにはかなりの努力と時間を要する。そのひとつが字。漢字を覚えるだけでなく綺麗な字を書けるようにしたいと思い立ち、意識的に書くようになって1年以上が経つというのに悪いクセがなかなか消えてくれない。もちろん、意識する前よりは随分綺麗になったとはいえ、気を抜くと逆戻りしてしまうのだ。このせめぎ合いはまだ続きそう。
21-3-4


3月の引越しの増える時期に入って、改めて昨年暮れにしておいて本当によかったと思う。移動が盛んになるときだから出入りも多くなり、その分住宅斡旋会社も忙しくなって客への対応も違ってくるに違いない。そして、これは予測してなかったが3月末での朝日カルチャーセンターの閉鎖に伴う4月からの新たな絵画教室のことを考えると引越しはあのときしかなかった。
21-3-5


東日本大震災から10年が経つ。余りにも甚大で記憶も鮮明なためそんなに経ったとは思えない。規模もさることながら同時刻に映像でその惨劇を目の当たりにした衝撃は忘れられない。あらゆるものを破壊しながら街へと押し寄せる大津波のヘリコプターからの映像は現実として捉えるのが難しい光景だった。でも、その現実に直面した人達には長過ぎる10年とも言える。
21-3-6


続き。震災の被害者にとっては10年前が昨日のことのように感じられるだろうけど、その悲惨な体験を10年間も毎日のように思い出し、持ち続けるのは本当に辛いと思う。さらに心だけでなく元の生活の場を取り戻せないまま過ごした10年も長い。平穏ならば作れたはずの思い出も奪われ、多くの人が失われた10年になってしまったに違いない。昨日はこれからも続く。
21-3-7


続き。大震災の秋に石巻を訪れた。この目で津波の怖さを確かめたかったのだ。日和地区の瓦礫はすでに片付けられ広大な更地になっていた。とにかく端から端まで見通せてしまうのだ。海沿いには瓦礫が山脈のように連なり、川沿いにはピラミッドのような巨大な瓦礫の山が作られていて、幹線道路の中央分離帯にはバカでかい石油タンクが残されていた。そして日和山へ。
21-3-8


津波に飲み込まれた小学校の横を抜けてすぐ裏の日和山に登った。展望台からは歩いて回ったときとは違う風景が広がっていた。平面と立体の違いだろうか。今度はより大きな空間とし捉えられた。さっきは見えなかった海もすぐ近くに見えて、街と隣接しているのがよくわかる。上からは見えても下では見えないものもあるのだ。道路だけの更地になった街をスケッチ。
20-3-9


続き。大震災に遭った多くの街の復興の姿を見ると、当時の更地の状態と大差なく見えてしまうのが悲しい。土地がかさ上げされ、さらに高い防潮堤が作られたというのに造成地には空き地が目立つのだ。新たな土地と防潮堤ができたとしてもそこに住む人がいなければ真の復興とは言えない。避難先での新生活を決断した人が大勢いるのも納得できる。10年は長すぎる。
21-3-10













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