笑う 七色 福来たる

盲導犬の訓練を終え、どうも犬となって帰ってきた七色。そんな七色と隊長のぐ~たらで楽しい訓練生活。 

非常階段

2011-05-12 | 七色の日常


 「 ななばん ななタン いきましゅ! 」


ここはお馴染みのマンソンの非常階段。

犬を飼うことが許可されているマンソンではあるが、「 おおむね中型犬まで 」 という掟がある為、

「 おおむね中型犬 」 には到底見えない七色は、入ることができない。

だから人目を忍んで こそこそと裏口から入り、非常階段を上って行かねばならない。


非常階段を利用する人は滅多にいないので、

未だにマンソンの住人と会ったことはないけれど、

監視カメラがあるので、そこから警備の人に見られている可能性は十分ある。 

また、先日の震災で、非常階段のタイルがはがれ落ちたので、工事の業者さんと鉢合わせするかも知れない。


だから



 「 いそげ えっさ ほいさっ 」 


いつもよりも速く上らなければならないのだった。


そして最上階まで上ると、動悸 息が切れ めまいで、「 誰か。ワタスに救心を下さい! 」 と心の中心で叫んだ隊長。 


薄れゆく意識の中で、この顔が見えた。
 



 「 ぽぽぽ ぽ~ん 」 


なに。この胸やけしそうなほどの爽やかな元気ちゃんの笑顔。 

この笑顔を見たら、掟を破って隠れてコソコソと上ってきた重圧から一気に解放され、疲れも7%程軽減した気がした。



だが・・・・


今日は、震災後の点検に管理会社の人が来る日。




 「 おせわになってましゅ。ななタン でしゅ 」


・・・・・とは言えず・・・・ 





 「 ここに わたしは いません。ねむってなんか いません 」


・・・・・とも言えず・・・・・



七色には、車の中で待機してもらうこととなった。




 「 ななタンは ダイエットして ちゅうがたけんに なれるように がんばりましゅ 」



・・・・・頑張らなくてよろすぃ。







マンソンの部屋の中は、地震でひび割れやすき間、傷ができましたが、自己負担になる部分は目をつぶり、とりあえず無償でできる範囲だけ修繕してもらうことにしました。まだ2年しか経ってないマンソンなのに、お隣は、目をつぶることができなかったようで、既にリフォーム工事をしているようです。大型犬もどうか目をつぶって許してくれないかな。と非常階段を上る度に願う。 


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