●一眼レフと一眼もどきとミラーレス一眼の違い?
一眼のカメラ買おうと思うんだけど、
どのカメラもたいてい一眼だよね?
一眼は本来の意味を失ってるんだからねっ!
★ポイント
今回は『一眼』と名のつくカメラのお話です。
『一眼レフ』
『一眼もどき』
『リフなし一眼(ミラーレス一眼)』
の違いは、どういうものかを見ていきましょう。
●はじめに
まずは、カメラの種類について考えます。
物の名前は何かと対比になってつけられていることが多いです。
とりわけ、カメラはそういう名づけかたをされています。
たとえば、『何を撮るのか』の観点での対比では、
・静止画用カメラ(スティルカメラ)
・動画用カメラ(ムービーカメラ)
の二つにわけられます。
今のデジタルカメラ、通称デジカメでは
動画も取れる静止画用カメラがありますが、
もともと静止画を撮るように作られたカメラに
動画撮影機能がおまけでついているので、
あれは静止画撮影用カメラに分類されます。
次に、スティルカメラを『どの感光体によって撮影するのか』
という対比では、
・写真フィルムカメラ(フィルムカメラ)
・デジタル感光体カメラ(デジタルカメラ)
に分けられます。
感光体とは光を感知して性質を変化させるようなもののことで、
フィルムカメラでは感光体であるフィルムに光を当てて変化させ、
画像を記録します。
デジタルカメラでは機械的に作られた感光版のようなものに
光をあて、それを一枚の画像として画を作って記録します。
そして、フィルム方式に関係なく、
『どのようなファインダー方式をとっているのか』
という対比をすると、
・一眼
・ (名無し、もしくはコンパクトなど)
というタイプに分けられます。
●一眼とは?
一眼カメラの『一眼』とはなにかと言えば、
本来はレンズを含めたファインダーシステムのことです。
『カメラのレンズが見ているものが撮影者にも見えるシステム』
これを、一眼と呼びました。
(厳密には、
『ピント合わせと撮影をひとつのレンズで行うことができる』
ことを言いますが、それは
『カメラのひとつしかないレンズが見ている景色を
ファインダーで見て、ピント合わせすることができ、
その画像と同じ画像を撮影できる』
とほぼ同じであり、それを簡略化して
『カメラのレンズが見ているものが撮影者にも見えるシステム』
としています)
古いカメラではカンテラのような縦長の形をして、
レンズが二個あるものがありますが、あの場合は二眼と呼びます。
現在一般店では見ることはないので、
今のカメラは、二眼と名前がつくことはまずないでしょう。
そのため、ここでは取り上げません。
カメラのレンズが見ているものが撮影者には見えないカメラは、
安いカメラにありがちです。
たとえばレンズつきフィルムカメラやトイカメラ、
いわゆるバカチョンカメラなどでは、
ファインダーのような四角い窓はありますが、
その窓はカメラ本体を貫通して向こうがわが見えるだけです。
よって、カメラのレンズが見ているものが撮影者には
見えないので、構造上からも一眼とは呼びません。
ただし、です。
安いデジタルカメラの中には、ファインダーがなく、
背面モニターに撮ろうとしている画像が映るものがあります。
先ほど、
『カメラのレンズが見ているものが撮影者にも見えるシステム』
のことを一眼というのだと述べました。
こういったデジカメでは、カメラのレンズの前に手を置けば、
モニターにその手が映ります。
つまり、最近のデジタルカメラは
たいていが『一眼』なのです。
でもカメラ売り場で「一眼のカメラが欲しい」なんて言っても、
コンパクトデジカメなどの場所に案内されることはないでしょう。
それは、なぜでしょうか。
●ずれてしまった『一眼』の意味
一眼、の本来の意味は
『カメラのレンズが見ているものが撮影者にも見えるシステム』
です。
でも、いまや本来の意味は失われてしまいました。
変わりに、その単語でまったく違うことを
表現することになったのです。
では現在どういう意味なのかといえば、
『レンズ交換可能』ないしは、
『本体だけではレンズがなく、
別途、レンズを用意しないと使えない』
という意味です。
つまり、『デジタル一眼カメラ』であれば、それは
『デジタル/一眼/レンズ交換/スティルカメラ』
を意味するのであり、
詳しく述べれば、
・外の画像をデジタル感光体で処理して記録する、
・カメラのレンズが見ているものが
撮影者にも見えるシステムを持った、
・本体だけではレンズがなく、
別途レンズを用意しないと使えない、
・静止画を撮影するカメラ
ということを含んだ名前なのです。
いわゆる一眼レフやリフなし一眼は、
本体には写真を撮るためのレンズがありません。
コンパクトカメラなどではレンズがついている場所に
ぽっかりと穴が開いているだけです。
●一眼と名のつく三種類
さて、ここからが本題です。
上記を踏まえて、冒頭にも述べた
『一眼レフ』
『一眼もどき』
『リフなし一眼(ミラーレス一眼)』
を見てみましょう。
ここで言う『一眼』とは、簡単に言えば『レンズ交換型』
ということですので、それぞれを直すと
『レンズ交換型レフ』カメラ、
『レンズ交換型もどき』カメラ、
『リフなしレンズ交換型』カメラ、
となります。
この三種類、どれもレンズ交換型なのかと思いきや――
『一眼もどき』はレンズ交換ができません。
がんもどきという食べ物がありますが、
あれはがんもどき→
【雁のように見えるけれど、雁『ではない』】という
意味の食べ物です。
同じく、一眼もどきとは
【一眼のように見えるけれど、『一眼ではない』カメラ】
つまり
【レンズ交換型に見えるけれど、
『レンズ交換型ではない』カメラ】
という意味です。
つまり、一眼もどきカメラとは、
いわゆるコンパクトカメラからコンパクトさを抜いたもの
と考えるとわかりやすいでしょう。
●『一眼レフ』と『リフなし一眼』
さて、残りの二種類、
リフ式一眼とリフなし一眼、
つまり一眼レフとミラーレス一眼の違いを見ていきましょう。
今はわかりやすくデジカメとして考えます。
このどちらにも共通しているのが、
・撮影はデジタル処理方式
・ファインダーは一眼式
・本体にレンズはなく、追加レンズ必須形態
・静止画撮影用
というものです。
簡単に『デジタル一眼』と呼んでいるとわからなくなりますが、
本来は
『デジタル処理撮影式 一眼ファインダー式
外付けレンズ必須型 静止画撮影用カメラ』
とでも呼ぶべきカメラです。
ではその上で、『一眼レフ』と『リフなし一眼』の
何が違うかと言えば――
これも、ファインダーシステムが異なります。
一眼レフは、ファインダーをのぞいたまま
太陽を見ると、目がおかしくなります。
リフなし一眼はファインダーをのぞいたまま
太陽を見ても、どうにもなりません。
(ただし、どっちもどうにかなる可能性があるので
試そうとはしないでください)
この差は何かと言えば、いわゆるレフ。
写真を撮るとき、顔の下に影ができるのを防ぐため、
レフ板を使うことがあります。
レフ板とは何かといえば、リフレクター、反射物のことで、
簡単に言えば鏡です。
こどものころ、厚紙と鏡を組み合わせて潜望鏡、
なんて工作をしたことはないでしょうか。
あの仕組みが通称『レフ』。
英語読みなら『リフ』。
一眼レフの中には鏡を使った仕掛けがあって、
レンズに写る世界を直接ファインダーから
見えるようにしています。
そのため、太陽を見ると目を傷めるのです。
一方のリフなし一眼は、鏡を使っていません。
テレビ局のカメラが撮った映像をテレビで受信するように、
カメラのレンズに入る画像をデジタル処理し、
ファインダーの中に設置したモニターに映しているだけです。
テレビに写った太陽を見ても目がおかしくならないのと
同じ理由で、太陽を見ても平気なわけです。
ごく簡単に言えば、リフなし一眼とは、
コンパクトデジカメにレンズ交換機能をつけただけのものです。
リフありの一眼は、機体内に実際の鏡の類を使い
それを動かして撮影しているので、
ほかのものに比べて大型化しやすくなり、
動作機構が増える分、パーツが増えて値段も高くなります。
リフありの一眼の撮影音、『バシャッ』というのは
中の鏡が跳ね上がる音です。
レンズの光がファインダーに来ていては
感光体に光が行かず撮影できないので、
鏡を跳ね上げて感光体に光をあて、撮影をしています。
というところを踏まえると、それぞれ意味的に正しい名称は、
・デジタル一眼レフカメラ=
『デジタル処理撮影式 物理反射一眼ファインダー式
外付けレンズ必須型 静止画撮影用カメラ』
であり、
・デジタルリフなし一眼カメラ=
『デジタル処理撮影式 デジタル処理一眼ファインダー式
外付けレンズ必須型 静止画撮影用カメラ』
となるでしょう。
もしわからなくなった場合は、
『一眼』とは『レンズ交換できる』、
もどきは『見た目はそうだけど、中身は違う』
と置き換えましょう。
一眼のカメラ買おうと思うんだけど、
どのカメラもたいてい一眼だよね?
一眼は本来の意味を失ってるんだからねっ!
★ポイント
今回は『一眼』と名のつくカメラのお話です。
『一眼レフ』
『一眼もどき』
『リフなし一眼(ミラーレス一眼)』
の違いは、どういうものかを見ていきましょう。
●はじめに
まずは、カメラの種類について考えます。
物の名前は何かと対比になってつけられていることが多いです。
とりわけ、カメラはそういう名づけかたをされています。
たとえば、『何を撮るのか』の観点での対比では、
・静止画用カメラ(スティルカメラ)
・動画用カメラ(ムービーカメラ)
の二つにわけられます。
今のデジタルカメラ、通称デジカメでは
動画も取れる静止画用カメラがありますが、
もともと静止画を撮るように作られたカメラに
動画撮影機能がおまけでついているので、
あれは静止画撮影用カメラに分類されます。
次に、スティルカメラを『どの感光体によって撮影するのか』
という対比では、
・写真フィルムカメラ(フィルムカメラ)
・デジタル感光体カメラ(デジタルカメラ)
に分けられます。
感光体とは光を感知して性質を変化させるようなもののことで、
フィルムカメラでは感光体であるフィルムに光を当てて変化させ、
画像を記録します。
デジタルカメラでは機械的に作られた感光版のようなものに
光をあて、それを一枚の画像として画を作って記録します。
そして、フィルム方式に関係なく、
『どのようなファインダー方式をとっているのか』
という対比をすると、
・一眼
・ (名無し、もしくはコンパクトなど)
というタイプに分けられます。
●一眼とは?
一眼カメラの『一眼』とはなにかと言えば、
本来はレンズを含めたファインダーシステムのことです。
『カメラのレンズが見ているものが撮影者にも見えるシステム』
これを、一眼と呼びました。
(厳密には、
『ピント合わせと撮影をひとつのレンズで行うことができる』
ことを言いますが、それは
『カメラのひとつしかないレンズが見ている景色を
ファインダーで見て、ピント合わせすることができ、
その画像と同じ画像を撮影できる』
とほぼ同じであり、それを簡略化して
『カメラのレンズが見ているものが撮影者にも見えるシステム』
としています)
古いカメラではカンテラのような縦長の形をして、
レンズが二個あるものがありますが、あの場合は二眼と呼びます。
現在一般店では見ることはないので、
今のカメラは、二眼と名前がつくことはまずないでしょう。
そのため、ここでは取り上げません。
カメラのレンズが見ているものが撮影者には見えないカメラは、
安いカメラにありがちです。
たとえばレンズつきフィルムカメラやトイカメラ、
いわゆるバカチョンカメラなどでは、
ファインダーのような四角い窓はありますが、
その窓はカメラ本体を貫通して向こうがわが見えるだけです。
よって、カメラのレンズが見ているものが撮影者には
見えないので、構造上からも一眼とは呼びません。
ただし、です。
安いデジタルカメラの中には、ファインダーがなく、
背面モニターに撮ろうとしている画像が映るものがあります。
先ほど、
『カメラのレンズが見ているものが撮影者にも見えるシステム』
のことを一眼というのだと述べました。
こういったデジカメでは、カメラのレンズの前に手を置けば、
モニターにその手が映ります。
つまり、最近のデジタルカメラは
たいていが『一眼』なのです。
でもカメラ売り場で「一眼のカメラが欲しい」なんて言っても、
コンパクトデジカメなどの場所に案内されることはないでしょう。
それは、なぜでしょうか。
●ずれてしまった『一眼』の意味
一眼、の本来の意味は
『カメラのレンズが見ているものが撮影者にも見えるシステム』
です。
でも、いまや本来の意味は失われてしまいました。
変わりに、その単語でまったく違うことを
表現することになったのです。
では現在どういう意味なのかといえば、
『レンズ交換可能』ないしは、
『本体だけではレンズがなく、
別途、レンズを用意しないと使えない』
という意味です。
つまり、『デジタル一眼カメラ』であれば、それは
『デジタル/一眼/レンズ交換/スティルカメラ』
を意味するのであり、
詳しく述べれば、
・外の画像をデジタル感光体で処理して記録する、
・カメラのレンズが見ているものが
撮影者にも見えるシステムを持った、
・本体だけではレンズがなく、
別途レンズを用意しないと使えない、
・静止画を撮影するカメラ
ということを含んだ名前なのです。
いわゆる一眼レフやリフなし一眼は、
本体には写真を撮るためのレンズがありません。
コンパクトカメラなどではレンズがついている場所に
ぽっかりと穴が開いているだけです。
●一眼と名のつく三種類
さて、ここからが本題です。
上記を踏まえて、冒頭にも述べた
『一眼レフ』
『一眼もどき』
『リフなし一眼(ミラーレス一眼)』
を見てみましょう。
ここで言う『一眼』とは、簡単に言えば『レンズ交換型』
ということですので、それぞれを直すと
『レンズ交換型レフ』カメラ、
『レンズ交換型もどき』カメラ、
『リフなしレンズ交換型』カメラ、
となります。
この三種類、どれもレンズ交換型なのかと思いきや――
『一眼もどき』はレンズ交換ができません。
がんもどきという食べ物がありますが、
あれはがんもどき→
【雁のように見えるけれど、雁『ではない』】という
意味の食べ物です。
同じく、一眼もどきとは
【一眼のように見えるけれど、『一眼ではない』カメラ】
つまり
【レンズ交換型に見えるけれど、
『レンズ交換型ではない』カメラ】
という意味です。
つまり、一眼もどきカメラとは、
いわゆるコンパクトカメラからコンパクトさを抜いたもの
と考えるとわかりやすいでしょう。
●『一眼レフ』と『リフなし一眼』
さて、残りの二種類、
リフ式一眼とリフなし一眼、
つまり一眼レフとミラーレス一眼の違いを見ていきましょう。
今はわかりやすくデジカメとして考えます。
このどちらにも共通しているのが、
・撮影はデジタル処理方式
・ファインダーは一眼式
・本体にレンズはなく、追加レンズ必須形態
・静止画撮影用
というものです。
簡単に『デジタル一眼』と呼んでいるとわからなくなりますが、
本来は
『デジタル処理撮影式 一眼ファインダー式
外付けレンズ必須型 静止画撮影用カメラ』
とでも呼ぶべきカメラです。
ではその上で、『一眼レフ』と『リフなし一眼』の
何が違うかと言えば――
これも、ファインダーシステムが異なります。
一眼レフは、ファインダーをのぞいたまま
太陽を見ると、目がおかしくなります。
リフなし一眼はファインダーをのぞいたまま
太陽を見ても、どうにもなりません。
(ただし、どっちもどうにかなる可能性があるので
試そうとはしないでください)
この差は何かと言えば、いわゆるレフ。
写真を撮るとき、顔の下に影ができるのを防ぐため、
レフ板を使うことがあります。
レフ板とは何かといえば、リフレクター、反射物のことで、
簡単に言えば鏡です。
こどものころ、厚紙と鏡を組み合わせて潜望鏡、
なんて工作をしたことはないでしょうか。
あの仕組みが通称『レフ』。
英語読みなら『リフ』。
一眼レフの中には鏡を使った仕掛けがあって、
レンズに写る世界を直接ファインダーから
見えるようにしています。
そのため、太陽を見ると目を傷めるのです。
一方のリフなし一眼は、鏡を使っていません。
テレビ局のカメラが撮った映像をテレビで受信するように、
カメラのレンズに入る画像をデジタル処理し、
ファインダーの中に設置したモニターに映しているだけです。
テレビに写った太陽を見ても目がおかしくならないのと
同じ理由で、太陽を見ても平気なわけです。
ごく簡単に言えば、リフなし一眼とは、
コンパクトデジカメにレンズ交換機能をつけただけのものです。
リフありの一眼は、機体内に実際の鏡の類を使い
それを動かして撮影しているので、
ほかのものに比べて大型化しやすくなり、
動作機構が増える分、パーツが増えて値段も高くなります。
リフありの一眼の撮影音、『バシャッ』というのは
中の鏡が跳ね上がる音です。
レンズの光がファインダーに来ていては
感光体に光が行かず撮影できないので、
鏡を跳ね上げて感光体に光をあて、撮影をしています。
というところを踏まえると、それぞれ意味的に正しい名称は、
・デジタル一眼レフカメラ=
『デジタル処理撮影式 物理反射一眼ファインダー式
外付けレンズ必須型 静止画撮影用カメラ』
であり、
・デジタルリフなし一眼カメラ=
『デジタル処理撮影式 デジタル処理一眼ファインダー式
外付けレンズ必須型 静止画撮影用カメラ』
となるでしょう。
もしわからなくなった場合は、
『一眼』とは『レンズ交換できる』、
もどきは『見た目はそうだけど、中身は違う』
と置き換えましょう。