直列☆ちょこれいつ

最近は神社や神道などの古い文書の解読をしています。
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問子&答子 3話

2007年01月03日 | とーこ とーこ
●会社がない?


 このまえあんたんとこに電話かけたらさぁ。
 『ここでは情報がないので別の場所にかけて』
 とか言われたんだけど。

 情報がないって、なに?
 会社は会社でしょ? ふざけてるの?

 名前と会社は別物なんだからねっ!



★ポイント

 たとえばパナソニック。
お客さんはパナソニックという会社に
電話する気分だったりしますが、
パナソニックなんて会社はありません。
会社は松下電器産業株式会社で、
パナソニックはその芸名みたいなものです。
(2006年12月現在)
また、同じ名前に見えても、ねっこは違ったりするので
電話する際などには注意が必要です。


 ここで架空のパソコン機器系製造会社
『オキシ』で話を進めましょう。
オキシは別のパソコン機器系製造会社『シン』と合併し、
『オキシとシン』となりました。
……が。これが問題です。

 以後、ここでつくられるパソコンには
『オキシトシン』マークが付くようになり、
お客さんは『オキシトシン』という会社があるものと
思いはじめます。

 そしてパソコンの調子が悪いと、
目に付いた『オキシトシン』の会社に電話をかけ、
なんとかしろと言います。
 でも、そこで言われるのです。
「こちらは修理をお受けする窓口ではありません。
 お手数ですがこれから申し上げます窓口に
 お電話いただけますでしょうか?」
 ……お客さんはここで怒り出します。

 さて。なぜこんなことになるのでしょうか?

 この話の裏を見てみると、実は
『オキシ電機産業』と『シン電子機器』が合併したのは、
もっとも費用のかかる新機器の開発を
一緒に行うことで技術力の増加と
費用の減少を図ろうとのこと思惑がありました。
 そして合併した結果、会社の資本や資産金は増大し、
流通も拡大します。
ただ、それに伴って、税金もかかるようになったし、
二人いた社長のうち、一人は席がなくなってしまいました。

 じゃあ、どうするか。

「……あたらしい会社作っちゃえ!
 これなら税金も安く済むし、
 ほかのお偉いどもに席も用意できるぞ」

 と、こういうわけです。
(他にも赤字部門の分離、
 人件費の削減、株主からの注文、などもあるようですが)


 そんなわけで企画・開発を別会社化し、
販売会社も分離。修理サービス会社も別に作り、
人材調整会社を新設。
それぞれのもともとある会社間の
流通を促すために、会社流通会社を作りました。

 個別に書けば、
『オキシトシンデバイスマネジャー』
『オキシトシン販売』
『オキシトシンサポートサービス』
『オキシトシン人材』
『オキシトシン運搬』。

(その中で、『オキシトシンサポートサービス』の社長が
 天下り先として、『バソプレシン修理』という修理会社を
 作ったとしましょう。
 そこへ、中小企業のパソコン系別会社が、
 自社製品を大企業の公式オプション品に
 認定してほしかったり、委託料で利ざやを稼ぎたかったりして、
 修理やサポート要員として金儲けのための生贄を出向させます。
 わたしはそこにいるわけです)

 でもお互いが別れていては顧客が離れてしまうので、
『オキシトシン』というブランドを作り、
すべては『オキシトシン』グループである、と
くくりました。
 
 ここが重要です。『オキシトシングループ』であり、
『オキシトシン株式会社』ではありません。
グループ、という文字が見えない
(会社側があえて書かない)ために、
お客さんはうっかり『オキシトシンデバイスマネジャー』に
電話をして、パソコン本体が壊れた、などというわけです。
もちろん向こうの電話番は企画開発業務の一人ですから、
修理なんてどうすればいいかもわかりませんし、
最悪は修理会社がどこかも知りません。
(企画開発は会社の中心なので、
 この会社が一番偉いことが多いです。
 そして偉いところの人は、
 それ以外のことはばかばかしくて
 覚えるのも理解するのも拒むのです)

 そこでお客さんは怒ります。
「あんた、それでもオキシトシンなの!?」

 まあ、そこで済めばいいですが。
今度は教えられたわたしたちの場所に
最初っから怒って電話をかけてくるわけです。
「ふざけないでよ! 何度たらいまわしにすれば
気が済むわけ? 電話代とパソコン代返しなさいよ!
このどろぼう!」

「だまれ気違い」


 と、言えればいいですが。
さすがにそんなことは言えませんので、
最初から半ばクレームの対応にあたされます。
 一度違う場所にかけてかけなおしを求められただけで、
『何度たらいまわしにすれば』と
言える神経の持ち主ですので、ことごとく言葉をひねり、
くだらない解釈をくわえてからんできます。

 でもね。わたしたちは下請けの下請け。
わたしたちが会社をややこしくしているわけでも、
部署を変えているわけでもないんです。

 すべては会社が、自分たちの地位と税金対策のために、
お客さんを無視して縦割りの力関係を作り、
わざわざお客さんからわかりづらくした結果なんです。
それで『お客さんのことを考えて、
常にお客さん第一で』とかうそぶくので
働いているこっちもたまりません。

 お客さんの故障の話を受け続ければ、
その製品の壊れどころや弱い場所がわかってきますので
製品仕様を変えるように報告しては? と言ったりしますが、
「ほら、あっちは別会社だしさぁ」
で、終わりです。
外からは同じに見えても、
別の会社とはすごい力関係がありますので
伝える手段もなければ声を出すこともできません。

 ですので、文句が言いたいのであれば、
修理専門部署ではなく、中心部――
いわゆる『本社』に電話をして、
責任者を出すように告げてから、
どうぞお好きなだけ文句を言ってください。

 電話をたらいまわしにされたとしても、
「あんたの部署はどうなってるの!?」
ではなく、
「なぜこんなにわかりにくい会社体制にしているの!」と
本社に、本社に電話をかけてください。
 とどめに『書面で回答を求めたい』とでも言えば完璧。
どんなきれいごとが返ってくるのか楽しみです。
 たぶん、「そういったことにはお答えできない」と
言われるでしょうが、『それならなぜ答えられないのか、
どういうことなら答えられるのかを書面で回答して』と
言うのもいいかもしれません。

 ……まあ、それは冗談ですが。

 わたしも働きながら、
こんな会社つぶれてしまえと思っています。

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