雷鳴が胸に鳴り響いて
閉じ込めていた感情が溢れだしていく
もう見失ったりしない
私だけの思いを
しずくさんのソロ曲「Solitude Rain」の
出だしの部分のセリフです
本来私の推しはかすみさんであり
声優の方の推しは鬼頭さんなのですが
虹学のアニメで心に残った回を問われれば
しずくさんの回である第8話を挙げます
なぜ私がこんなにもこの回に惹かれたのか
それは彼女の不器用さ、繊細さに
他のどの人物よりも共感を覚えたからです
彼女は演技についてこう語りました
「私、小さい頃からずっと
昔の映画や小説が好きだったの
でもそんな子は私しかいなかったから不安だった
(中略)
そのうち他のことでも
人から違うなって思われることが怖くなって
だから演技を始めたの」
自分の心を守るための手段
それが彼女の演技についての考えです
では彼女は演劇を否定したのでしょうか
いえ、そうではありません
彼女が否定したのは演じる自分じゃない
好きを隠して怯える自分なのです
とはいえ彼女が演技をやめ
ありのままの自分をさらけ出すと
決めたことは事実です
それは彼女の成長でもあります
しかし演劇を続ける以上
演じるのをやめることはできません
その矛盾がこそがこの回のおもしろさでもあります
すなわちこれは結果は同じでも
そこに至る過程の違いには大きな意味がある
ことを示唆しているのです
しずくさんは自らの演技の
負の側面を発見している
その点で彼女は演劇の良さにしか
気がついていない人よりも
演劇への想いが強いのです
普段はその差異が現前することはありません
しかしひとたび試練が訪れた時
演劇に踏みとどまる力が強いのは
間違いなくしずくさんです
演劇に限らず対象から遠ざかる
という心の動きはそこから戻ったとき
その対象への想いをいっそう強くするのです
Solitude Rainで彼女は歌いました
「天から舞い落ちる雨粒が
ぽつりぽつり頬伝って
知らないうちに心覆ってた仮面を
そっと洗い流していくの」
雨が彼女の心を覆う仮面を流しても
彼女は演劇を失わない
彼女の心の奥にはかつての映画や小説が
好きだった自分が残ってるから
だから彼女はより強い決意で
再び舞台に立ちます
誰かのヒロインになるだけではなく
自分だけの大好きを届けるために