まずはあらすじから
スイーツのコンテストに出るため
パリを訪れた宇佐美さんたち
しかし突然現れた謎の怪物のせいで
シエルさんが絶不調に陥ってしまいます
そんなとき彼女はかつての師匠
ジャン・ピエールさんと再開します
彼は他人の評価など気にせず
ただ自分の求めるスイーツを追求する人でした
しかしそんな彼の心に
クックというパティシエの幽霊がつけこみ…
という感じです
まずはジャンとシエルさんの考え方の
違いについて書いていきます
ジャンはこのように述べます
「パティシエはいばらの道だ
頼れるのは自分の力のみ
他人となれあっていては弱くなるだけ」
対するシエルさんはこう言います
「私はみんなといることで強くなれるの
もし私が弱くなっているとしたら
それは私自身の甘さ
それをみんなのせいにされたくない
だから私は自分の強さを証明しなくちゃいけない」
ジャンは仲間とは自らの成長を阻害するもの
シエルは仲間とは自らの成長を促進するものと
考えているわけです
一人でやるのがいいのか
それとも仲間とやるのがいいのか
その答えはこの映画では明言されません
しかし一つ言えることは
スイーツは決して自己完結しないということ
なぜなら人を笑顔にさせたり、感動させてこそ
スイーツには意味があるからです
思い起こせばスイーツ=エンプティーフード
すなわちからっぽの食べ物だということも
本編では言及されていました
キラキラル自体、スイーツだけでなく
人の心からも生まれるものです
ジャンの作った究極のスイーツからは
キラキラルはほとんど出ませんでした
そのスイーツが単なる自己満足
にすぎないものだったためです
しかし、繰り返しになりますが
この映画は一人でスイーツを作ることを
否定しているわけではありません
少し長いですがシエルさんが
ジャンに向けた言葉を抜き出してみます
「あなたは大天才だった
圧倒的な実力と自身を持ち
どんなスイーツも一人で作ってみせた
そんなあなたから見れば、チームでやっている
私たちは弱く見えるのかもしれない
でも私はやっぱり一人じゃなく
みんなと一緒にやっていきたい
なぜって、そのほうが強くなれるということを
私は彼女たちから学んだから
(中略)
でもだからといって、ジャン・ピエールの
やり方がだめだとは言わない
だって、私はあのとき本当に、本当に
感動したんだもの」
シエルさんは仲間と強くなることを決めました
でもそれがただ一つの正解じゃない
なぜなら大切なのはやり方ではなく
人を幸せにできるかどうかだから
自分の中の答えを見出しつつも
それを他人に押し付けたりはしない
本編においてもそれぞれの大好きを
肯定しつつ、繋がることを主張した
プリアラさんらしい映画だったと思います