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読書(小説) 「キネマの神様」 2008年 原田マハ著

2020-03-22 18:37:07 | 読書
            

                   「ああ、俺は本当に映画が好きだ。
               映画を見続ける人生でよかった。」
         (小説「キネマの神様」からゴウの言葉)

あらすじ
ギャンブルと映画マニアの79歳の丸山郷直(通称ゴウ)は、映画雑誌「映友」が主宰するブログに映画評論を投稿していた。そのおかげで、失業中の娘歩(あゆみ)は「映友」の専属ライターとして採用される。「映友」の経営状態は芳しくなかった。そのためブログに力を入れ、リニューアルを考えていた時、ゴウの映画評論に出ていた「シネマの神様」というタイトルでブログの拡張を図ったところ、それが功を奏し、ブログへのアプローチは延びて、雑誌にも影響し始める。

そんな中で、歩は以前いた会社の後輩清音が、アメリカに住んでいたので、アメリカ版の「シネマの神様」を開設したところアプローチは10倍に膨らむほど盛況になる。
ある日、ゴウが投稿した「フィールド・オブ・ドリームス」の記事に対して、アメリカのローズ・パットというハンドルネームの反論記事が載り、バトルが繰り広げられた。それがますます「シネマの神様」のブログを煽った。

ゴウが足繁く通う、市ヶ谷の名画座「テアトル銀幕」の経営者寺林新太郎(テラシン)は、経営危機から名画座の閉鎖を宣言した。ゴウや歩は、やむなくローズ・パットに対し、相談するブログを掲載し、回答を待つことにした。待つ内にローズ・パットとは、アメリカで著名な映画評論家リチャード・キャパネルであることが判明する。時間を置いて存続を願うという回答と共にトム・ハンクスや著名人から署名入りで存続を願う手紙が殺到する。それによって「テアトル銀幕」の入場者は増えて、存続することができた。

ゴウとキャパネルは、お互いに会うことを約束するのだが、キャパネルは癌で急逝する。
そして、「テアトル銀幕」のキネマの神様感謝祭では、「映友」関係者、ゴウ、歩などが、亡きキャパネルの席も確保して、みんなが一番好きな映画をみんなが一番好きな場所でみんな一緒に見るのだった。その映画とは ?

感想など

l       この小説は出来栄えとは関係ありません。とにかく映画好きな連中が、ブログを介して映画議論のバトルを繰り返し、一喜一憂するということで、ごく身近な話でした。😊 

l       また、名画座の存続やシネコンの話題が絡み、有名作品が実名で書かれ、作者の思い入れの感想が詳しく書かれていて、大いに共感できたのも面白かったのです。

l       映画の神様というのは、ゴウという79歳の映画マニアが、発想したもので「映画館には神がいて、映画という奉納物を見て喜ぶ観客を楽しんでいる」というものです。

l       映画「フィールド・オブ・ドリームス」の評価について、ゴウとローズ・パットの受け止め方の違いは、この映画のもつ面白味でもあるわけです。

l       「ニューシネマパラダイス」「硫黄島からの手紙」「ローマの休日」「カサブランカ」「オールアバウトマイマザー」「トークツーハー」などなどの名画の名前がぞろぞろ登場するのも映画好きにはたまりません。 

l       作者は原田マハさん。1962年生まれ、「カフーを待ちわびて」で作家デビュー。この作品は2007-8年に別冊文藝春秋に掲載され2008年刊行されたものです。
   「リーチ先生」で新田次郎文学賞、「美しき愚か者たちのタブロー」など過去3回直木賞の候補に挙がった。

現在、映画化されていて今年中(2020年12月)に公開される予定です。作品は山田洋二監督で、志村けんと菅田将暉,永野芽郁,宮本信子が出演します。

追記; 4月に撮影開始予定でしたが、3月半ばに志村けんさんは、新型コロナウイルスに感染して入院したようです。70歳と高齢なので心配です。(3月26日)

追記; 4月からの撮影は困難として、志村けんは降板したと報道あり😰 。(3月27日)

追記; 3月29日にお亡くなりになりました。ご冥福をお祈りいたします。(3月30日)

                                   


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