piano 竹内直子

in other words, "I LOVE YOU".

「エディット・ピアフ」

2007-09-30 | オンガク。
以前から必ず観ようと思っていた映画。
公開翌日に、西武線沿線の映画館、レイトショーにて。

「ピアフ」とは俗語で「雀」のことである。
「エディット」は本名。
路上で歌っていた彼女を見出した偉大なプロデューサーが、最初につけた芸名は、「ラ・モーム・ピアフ」。後に「エディット・ピアフ」と名乗るようになる。

両親に捨てられ、娼館に預けられたとき、実の子供のようにかわいがってくれた娼婦ティティーヌ。精神的要因と虚弱体質により4年間失明した時にも、聖テレーズに一緒に祈りを捧げてくれた彼女。クラブに出演するようになってから、姉妹のように同居し、共に過ごした友人。彼女達と別れなければならなくなったそれぞれの時に、「わたしを殺して!」と叫ぶシーン、空いた深夜の映画館で、我ながらビックリする程声を上げて泣き、ティッシュを持参しなかったことを悔やんだ。本当だよ。そりゃそうだよ。と一人でブツブツつぶやきながら。気持ち悪くてすみません。それにしても空いててよかった。

生まれてきたことを歓迎されなかった悲しみは、一生の絶望感と沼の上を歩いているような不安感と孤独感を孕む。それでも自己防衛の殻を纏うことなく、剥き出しで沼の上を凛と歩いていく彼女。そして最愛の恋人が乗った飛行機は、ピアフに会う為に向かう途上で墜落する。その日の夜のステージで、彼に捧げた「愛の讃歌」を創唱するはずだったピアフ。

日本で知られている日本語で綴られた「愛の讃歌」とは、全く違う内容の歌詞である。叙情的で光に満ちているけれど、決して感情を押し付けるような過剰さはなくて、むしろクールな歌声だと感じた。聞く人に、それぞれのこの歌を体験させてくれる、ゆだねてくれる。私は彼女のその命がけの美意識に、小さい頃から畏敬の念を感じていた。

“エディット・ピアフ”
“マレーネ・ディートリッヒ”
“ジャンヌ・モロー”

長い間じっと見つめ続けたこの3人のフランス人は、クールな美しさを湛え、ずっと感動を与え続けてくれた。心の支えでもあった。

もうひとつ、心からパリを素晴らしいと感じるところ、富める人も貧しい人も、同じく楽しめる一流のステージがあるというところ。席は違っても、同じアーティストを同じ空間でオープンに受け止められる。クローズドな空間には、川は流れないから。文化が澱んでしまうと思うから。
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「カレンダーメーカー」

2007-09-29 | Weblog
一ヶ月間悩んだ挙句、月末には逃避行。
・・・ってどこへですかっ。誰とですかっ。

「脳内メーカー」はグータラ三昧だったし。
うむむー。

「カレンダーメーカー」のサイトはこちら
みなさま気紛れにお試しあれ~。
コメント (2)
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サックス工房

2007-09-15 | オンガク。
ほんとうに、あたたかい一日。

輿石先生初め、みなさま、本当にどうもありがとうございました。
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