2022年9月8日
英国 エリザベス女王が崩御された
国葬は9月19日に行われた
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美しい方だった。
歴史的な場面に立ち会ったので
記録を残しておきたいと思う。
お亡くなりになった時間に
バッキンガム宮殿とウインザー城に虹がかかった。
既にただ事(もの)ではない。
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群衆は、「ああ、女王が今虹の橋を渡っている」と見送ったそうだ。
人々はこの時、悲壮感よりも
これまでの女王の偉大な功績や、愛に対し、ただただ感謝していたように思う。
そして、新しい国王(それまでの支持率はエリザベス女王が85%に対してチャールズ国王は50%以下だった)
へのエールと、新しい英国への希望が多く聞かれた。
弔問には13時間〜50時間の列ができた。
皆、覚悟で並びその時間さえも女王を偲ぶ時間にあてた。
厳粛で荘厳な国葬と葬列。
儀式としてそのあり方や兵士の動きや音楽全てを見て
英国という国のプライドと強さをそして伝統の重みを改めて強く感じた。
それは少し人生観が変わるほどだった。
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沿道には、200万人が集まり、国内外の要人2000人が参加した。
歴代首相が一緒に揃って入場され同じブロックに着席されたのもとても印象的だった。
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私がイギリスに住んでからの歴代首相が揃った
(右下から パートナーとともに)
ジョン・メージャー 1990年 ~
トニー・ブレア 1997年 ~
ゴードン・ブラウン 2007年 ~
デーヴィッド・キャメロン 2010年 〜
テリーザ・メイ 2016年 〜
ボリス・ジョンソン2019年〜
リズ・トラス2022~
このリスペクトの方法が英国らしいなと思った。
70年間で女王に仕えた首相は ウィンストン・チャーチル氏から15人。
2868個のダイアモンドが散りばめられた棺の上に置かれた王権の象徴の王冠。
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バッキンガム宮殿の周りはお花で埋め尽くされ
世界中の人たちに尊敬され愛された女王のお人柄を偲んでいた。
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女王はお亡くなりになる2日前まで、
新首相リズトラス氏の任命式という重要な公務を笑顔で行なっていた。
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このことこそが、女王が世界中から尊敬され続けたことの象徴だ。
強靭な生命力と体力。命尽き果てる瞬間まで女王であり続けること。
そして、またリズトラス氏も
「私も多くの人と同じようにこの時を恐れていたが、前に進むしかない」と述べた
イギリスという国は本当に強い国だ。
絶対に後を振り返らない。
どんな困難であっても立ち向かい、国民が一致団結するパワーを
この20年間、私は目の前で見てきた。
女王の即位50周年と、60周年は何十万人という観衆と共に
バッキンガム宮殿に詰めかけ一緒に祝った
一塊りでありながら、うねりを持った大波のような観衆の愛国心の大きな叫びは
強く心に残っている。
また、ダイアナ妃の葬儀の時は、沿道にあれだけの人がいるのに
針が落ちても響くほど静かだった。
数年後、イギリスという国はどうなっているのか。。
これまで
地球を40周して行った公務は2万回。偉大なる功績。
どうぞ安らかにお眠りください
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お花の写真:Ritsuko Bachmann, Hiromi Owen (友人から借用)