第100回の高校ラグビー記念大会が開幕した。
無観客大会である。
同時期に開催されている高校バスケの全国大会ウインターカップでは、コロナ感染あるいは濃厚接触者ということで出場辞退をする高校も数校見られた。
プロ野球は開催されたし、大人はGo Toトラベルで旅をした。
けれど子どもたちはたくさんのものを諦めた。とくに高校3年生は。
バスケットボール部やラグビー部、サッカー部などはまだ良いほうだ。
夏の高校野球。できたのではなかったか、と今なら思う、今ならば。
野球だけでは、もちろんない。
文化祭は中止され、大会は中止され、修学旅行も下手をすればというところ。そしてこの高校3年生は、大学入試においても振り回されてきた。もう二度と戻ってはこない1年間である。翌年にチャンスが残されているわけでもない。こんなことになるなどとは思ってもみなかったから、当然のことながらそんな心構えで過ごしてきてもいない。
客観的に見ていて、やるせない思いではある。
去年は良かったなあ、とつい思ってしまう。
世界各国のラグビーファンが集まって、言葉もわからないままにビールで乾杯し、どちらのチームをも応援し、ハイタッチをして別れた。大声でそれぞれの国歌を歌い、ハーフタイムにカントリーロードを歌い、何度も拳を突き上げた。
とても楽しい時間だった、2019年の秋。
まだ若いラガーマンたちの明るい未来を信じていたい。
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