解禁です。尺まで出ました。ドライです。

解禁日の釣りは例年あまり良くない。水温、気温も低くその上渇水気味。
でも今年は暖冬だったこともあり、少し期待していたので例年とはパターンを変えてみた。

というわけで今年は支流でなく本流に出かけることにした。
とはいうものの、山岳はまだ冬だろうなあ、などと思いながら家を出た。
川沿いの道を走るに連れ外気温がどんどん下がって行く。

現地には６時半に着いたが、気温は０度、やはり山岳は暦通りなのかな。
などと思いながら入渓点を目指す。多分フライマンは少ないと思うが
エサ師はかなりいるだろうと覚悟。しかし予定していたエリアにはつりびとの気配はまだない。
よしよし、とほくそ笑みつつ落ち葉でわかりにくくなっている踏み後を慎重にたどる。

渓に降り立つとやはり水量がかなり少なく、水温も５度と厳しい条件だ。
水も澄みきっている。それでも久しぶりの本格渓流なので気分は上々である。
この条件だとさすがにドライは厳しいだろうと、ルースニングで様子を見る。
しかし３時間ほど頑張るが全く魚の反応はない。

そのうち広い瀬が続くポイントにたどり着いた。
するとかすかだが、ライズらしき波紋が目の片隅に飛び込んできた。
「あれはライズだ」と自分に言い聞かせ、ドライシステムに変更する。
そしてライズがあったと思わしきポイントへフライをキャスト。
沈み石の向こう側、そうそこだ！
ガボッと魚が出た。ヒット！
３月１日解禁日の第１号をライズで捕る。当然ドライだ。うれしい！！

サイズこそ大したことはないが、尾鰭がオレンジ色に光る美形のアマゴだった。
この後、この１尾しか釣れなかったとしても多分今日は満足しただろう。
しかしこの後、私の解禁日記録となる楽しい時間が訪れることになる。

１尾目でかなり気をよくした私は、もうドライオンリーで前に進む。
次に気になったのはやや水深のある瀬である。
この時期こんな瀬にはほとんどアマゴは入っていないのだが、
１尾目のこともあり、例年の常識を忘れることにして、流れにフライをキャストした。
するとアマゴがすぐに飛び出した。フッキングはしなかったが
間違いなく水面上のフライにアタックしてきた。
フライを変え、再度同じレーンを流すと、再びアマゴが飛び出した。
今度はガッチリフッキングした。１尾目より型は良さそうだ。
慎重に寄せてランディング。

３月１日に山岳渓流で２尾、それもドライでね。うれしいね。

そして同じエリアで３尾目がヒット。

サイズは落ちたが、この魚体は申し分ない(^^)

昼前後になり気温も大分上がってきた。１０度。いい陽気である。
前方に小さな落ち込みが見える。このころから風が強くなり思ったところにフライが落ちない。
落ち込み下の流れにフライを乗せたいのだが．．．
やや強引にキャストし何とかラインにのると「ゴボッ」と良型が飛び出した。
しかしフッキングはせず。フライを替えて再度同じポイントへ。
２回、３回とキャストを繰り返すがなかなか出てこない。
昨年好調だったアダムスパラをティペットに結び再度キャストする。
すると着水と同時に魚が飛び出した。今度はガッチリとフッキング。
しかしなかなか寄らない。思った以上に大きい。
ティペットは７Ｘなので十分大丈夫だ。つっこみを何度かこらえ、
ランディングしようとするが、ネットがやや小さい。
ようやくネットに収まったのは、３０ｃｍを少し越えたオスの尺アマゴだった。

残念ながら放流魚ではあったが、思わぬ今日の釣りのおまけかな。
しかし実はこのあとから気温の上昇とともに活性が上がりだし、
結局１５尾の釣果となった。バラシも４，５尾はあったし、
ドライフライへのアタックはかなりあった。予想外の解禁釣行となった。

少し早めに終了としたが、水際のねこやなぎの綿毛が銀色に輝いて春を感じさせてくれた。
今年もどうやら良い年になりそうだ。