ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

ベラルーシで記録的大雪

2013-03-16 | ベラルーシ生活
 3月15日はベラルーシは憲法記念日です。しかし祝日ではなく、みんな通常通り働いています・・・が。2013年の3月15日は違いました。
 3月に起こる天気としては50年ぶりという悪天候・・・。
 とにかく風が強いうえに15日朝には降り始めていた雪が16日になってもまだ降っています。
 登下校が危険なので16日の学校の授業は中止になりました。
 除雪作業は全く間に合わず、あちこちでスリップ事故が起きて公共交通は地下鉄以外ほとんどストップ。
 交通事故は1日で160件発生。(死傷者はなし。)
 ミンスクとゴメリの幹線道路も50キロの渋滞。
 ミンスクの空港も離着陸不可能。
 
 こちらのニュースサイトの画像を見てください。
 大げさではなく、ミンスク中がこんな状態でした。(地下鉄はぎゅう詰めだったようですね。)

http://news.tut.by/society/339305.html


 車の運転も視界不良、道路の状態が非常に悪いので、S夫はマイカーでの帰宅を断念。ほとんど徒歩で帰ってきました。
 昼間は何とかバスが動いていたので、私は普通に出勤したのですが、帰るころにはほとんどのバスが動いていなかったため、3キロの道のりを1時間かけて歩いて家に帰りました。
 足元は雪がずぼずぼの状態。それはいいとしても、顔に風と雪が当たって、目が開けられず、ときどき立ち止まりながら帰ったので、こんなに時間がかかってしまいました。
 周りにも歩いて帰っている人がたくさんいました。日本の豪雪地帯に住む人たちの苦労が少しですが身をもって理解できましたよ・・・。

 16日は緊急事態を除き、ミンスクから市外へ車で出ることが禁止されるという事態にまでなっています。
 道路の除雪が追いつかないのでしょう。
 除雪作業のために軍隊に出動命令が出ました。

 家の中は暖房が効いていて暖かです。15日は家にたどりついて、ほっとしましたが、夜になって窓の外を見ては
「まだ降ってる・・・。」
と家族でぼやきあっていました。
 夜中近くになっても道を歩いている人をマンションの窓から見ては「あー、かわいそ。早く家に帰れますように。」と思いました。なぜか歩道を歩いている人がほとんどおらず、車道の真ん中を歩いている人が多かったです。みんな歩いている格好がイソップ童話の「北風と太陽」に出てくる旅人みたいな格好。(もちろん北風に吹かれているときの旅人のほう。)
 たぶん歩道は全部雪にうずもれて、車道のほうがまだましな状態なのでしょう。しかも車もほとんど走っていませんでした。
 
 ちなみにミンスクだけがこうだったのではなく、ベラルーシの半分から北はどこもこんな状態でしたが、東南部のゴメリでは気温が8度で大雪ではなく、大雨が降っていたそうです。一方でベラルーシより南のウクライナ北部地方でも大雪だったらしいし、気候はいったいどうなっているのか、謎です。

 国全体で見ると、車に乗っていて雪で立ち往生してどこにも行けなくなった人からの救助要請も多数あったようで、助け出された人も1000人以上。
 停電になったり、孤立してしまった地域や村なども300箇所以上になるそうです。 

 いやあ、雪に慣れているベラルーシ人ですら、当惑するほどの大雪。ああ、大変だった。明日(17日)は雪は降らないそうです。やれやれ。天気予報が当たってほしい。
 それにしても春になってこの積もった雪が一斉に融け始めると、今度は何が起こるのか・・・と今から危惧する声もちらほら出ています。うわあ。
 
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 画像は3月17日に撮影したものです。日本文化情報センターの近所で撮影。とにかく積もっています。
 

第4回 体調と対策メモの続報です 「不快症状の対策」 (追加情報あります)

2013-03-14 |   体調と対策メモ
 2012年3月2日に「第1回 体調と対策メモです」という記事をご紹介しました。

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/7c3b6b189f0299a89958d4ab94d88e5a


 さらに2012年5月11日(第2回)と10月11日(第3回)にこの記事を寄稿してくださった方から続報が届きました。

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/ad35361e4bb057209f45ea6e495feee7


http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/90b9c65bc7e19a8f61a58f3ae64cbab8
 

 今回は不快症状の対策について、続報が届きました。同じような症状のある方はぜひお読みください。

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不快症状の対策

 現在、その後の体調をメモしていますが、最近、腰痛をはじめとして、その他不定愁訴の方が増えているらしいので、取り急ぎ、今わたしが実践している方法の中で、緊急対策として、すぐ効果が感じられるおすすめな方法をいくつかお知らせしようと思いました。

○痛み関係

 腰痛をはじめとして、神経系の痛みに、大きな効果が感じられたものは、高濃度ビタミンDです。ビタミンDは脂溶性なので、高濃度のものを服用する場合は、瓶に書いてある使用量を守り、飲み過ぎないように気をつけてください。
(わたしの経験では、毎日20000IUくらいまではだいじょうぶですが、これは自己責任でお願いします)
海外サプリには高濃度ビタミンDが一般向けに売られています。同時に、ストロンチウム対策として、ストロンチウムを排出するアルギン酸ナトリウムや、吸収を阻害する乳酸カルシウムなどを摂るといいと思います。


○不定愁訴

 表現しがたい体調不良が続く場合、アップルペクチンの粉末を溶かしたお味噌汁をおすすめします。お湯を沸騰させてアップルペクチンを溶かし、火を止めてから味噌を入れてください。とろみのついたお味噌汁になります。
 お味噌は、天然のお味噌にしてください。具はなんでもよいとおもいますが、切干大根などなら、不足しているカルシウムも補充できます。
 わたしは、ひどい体調不良が続いたとき、これを飲んで劇的に復活しました。
 これはほんとうに、おすすめです!
(どういうメカニズムで体調がよくなるのかはわかりませんが、効果があるのはたしかです)安価で、すぐ試せるので、ぜひ試してみてください。

 また、ビール酵母やビールが効果があります。
 ビールについては、知人が広島・長崎で被曝された方に直接「ビールがいい」と聞いたそうです。わたしも、1度ほんとうに体調が悪かったとき、おつきあいで飲めないビールを少しだけ飲んだら、体調がよくなり驚いたことがあります。

ビール酵母とビールについて
http://www.nirs.go.jp/news/press/2005/index.php?03_24.shtml
http://www.nirs.go.jp/news/press/2005/index.php?08_11.shtml


○爪が割れやすくなった。骨が折れやすくなった

 スギナのお茶が重金属排出効果があるので昔から有名なのですが、スギナは珪素を含んでいますので、骨や爪を強くします。震災以降爪がぼろぼろになって割れやすくなった友人は、スギナのお茶であっという間に爪が元通りになりました。スギナはサプリメントもあります。長期服用の弊害の噂もありますが、わたしの周囲は一年以上継続しても問題はありません。
 やはり、安価なものなので、ぜひ試してみてください。


○身体のあちこちがつっぱる。わきの下やそけい部など、リンパ関係のところが腫れたり凝ったりしている。筋肉痛がするなど。

 天然塩を焼いて、キッチンペーパーなどに包み、輪ゴムで口を閉めて、それで足の裏や痛いところ、ツボをマッサージすると、かなり痛みが取れます。腰痛や関節痛にも効果があります。使った塩は、再度煎って使えます。
 漢方でよくやる方法のようで、塩は安いものですし、手軽にできますので、とても便利です。

 わたしの症状は内部被曝が原因ではないかもしれません。
 しかし、じっさいに不快な症状がある場合には、対策しないわけにはいかないし、あれほどの事故がおきて、一因として放射能をまったく考慮しない、というのも、かえって極端かなと思います。
 世の中には有害な物質があふれており、もちろん原因はひとつとは限りませんが、「精神的なものだ」といってなにもしないよりは、さまざまな複合した結果として、重金属をはじめとしたデトックスをしていけば、結果的に放射能対策も同時にしていることになると思い、できることを続けています。

 体調を崩すといろいろと不安になることが多いと思います。すべての体調不良が放射能のせいとは言いませんが、実際に体調がすぐれないとき、「気にしすぎ。気にしなければなおる」では片付けられないこともあります。
 それに、気にすまい気にすまいと、思い悩むより、むしろできる対策をしていたほうが、かえって気持ちが落ち着くという方もいるかもしれません。
 わたしの体調メモは、そういう方の役に立てればと思っています。
 どれもちょっとした方法ですし、とくに害のないものですので、ぜひ試してみてください。

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貴重な体験をありがとうございます。いつも文字通り体を張っていろんなことを試しているこの姿勢に感動しています。
 ペクチン入りお味噌汁なんて、私は考え付きもしませんでした。
 日本人も知恵を出し合って、実際に病状が出ている人は解決の道を探るほうがいいですよね。
 ビールは子どもは飲めないですが、ビール酵母のサプリもありますし、何とか道は見つかると思います。

 今回お寄せくださった情報が不快な症状で苦しんでいる方のために役立てば幸いです。

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 追加情報です。 
 上記の体験談を寄せてくださった方から追加の情報がありました。こちらもぜひお読みください。

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 ビタミンDはとても効果があるのですが、食品から摂取しようとしますと、魚介やきのこにしか含まれておらず、しばらくはサプリメントで摂取したほうがいいと思いますが…

 それと、今回の事故で放射性銀が放出されていますね。
 これは、崩壊するとカドミウムになるそうですので、神経の痛みで苦しんでいる人は、これが原因かもしれません。
 神経の痛みは、ビタミンDは効果があります。ただし、食品からの摂取では量が少なくたいして効果はありませんでした。

 先日から、膝にあざができて、少し怖いです。
 かかりつけの医師の助言ですが、身に覚えのないあざができた場合は、携帯で写真をとっておくといいといっていました。
 それは、皮膚の場合は、いざ医者に行ったときに、消えている場合があるからだそうです。
 気になる症状がある場合は、こまめに携帯で写真をとり、保存しておくといいと言ってました。


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 なるほど。勉強になりますね。
 あざに限らず、血液検査の結果など、何でも病気の記録や証拠はきちんと保管してください。
 後で診断の参考になる可能性があります。


 以下はさらに追加情報です。


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 でも、わたしたちの中で常識中の常識のペクチンでさえ、「危険性があるかも」と避けている人もまだいらっしゃるのですよね。

 わたしは、いままで2年近くインターバルなしでペクチンを飲んでいますが、マルチビタミンやマルチミネラルを日々飲んでいれば、栄養が流れ出すなどの問題はいっさいおきません。(体調不良の波がありますが、血液検査などの結果は良好です)
むしろ、爪の検査でペクチン摂取中の友人家族全員がセシウム不検出だったこと
 ペクチンはセシウムに効果ありと思っています。
(残念ながらストロンチウムとウランは検出されてしまいましたが)

 原因不明の体調不良の方はわたしの健康対策を試してくださったらな、と思っています。また、健康で症状の出ていない方も、できれば対策をしてほしいと思います。
 ビタミンとカルシウムをたくさん摂取するだけでも、かなり違うと思います。

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 ペクチン摂取を「体に必要な栄養素(ビタミン類)も排出してしまうから、飲まない。」という人もいるでしょうね。
 でも日本にはマルチビタミンのサプリも気軽に買えるし、それに普段の食生活でも補えるものですから、極端に栄養の偏った食事をしていなければペクチンを飲んでもビタミン欠乏症のようになることはないです。
 それより、ペクチンを飲む前を飲んだ後の内部被ばくを気軽に測定できない今の日本の状態が問題だと思います。効果を実感できませんからねえ・・・。
 このあたりの状況を改善してほしいです。

「第5回 体調と対策メモ」はこちらです。

 
 

日本文化情報センターの活動 講演会「東日本大震災から2年・私が見た福島」 2

2013-03-11 | 日本文化情報センター
 平日の午後5時に講演会が始まる、ということ、また楽しいテーマでもないということで、入場無料とはいえあまり人が来ないのではないかと心配していたのですが、実際には予想以上の人が会場となった閲覧室を訪れました。
 しかしほとんどが女性・・・。男性は関心が薄いのかな? と感じました。でも意外と若い世代の人が多く来てくれたので驚きました。ちなみに画像には来てくれた全員が写っているわけではありません。

 あくまで講演会という形を取り、あえて追悼式にはしていません。どういう会にしようか、悩んでいたのですが、黙祷をするのは個人の希望によるものであって、日本人でもない外国人に強制するべきでないと考え、あくまで情報を伝える場にすることにしました。
  
 地震や津波については、DVDの映像がありましたので、それも上映しました。
 一方で目に見えない放射能汚染の問題については、来日中にいただいた汚染地図を使って説明しました。ベラルーシ人には日本語の地名は分かりづらいのですが、何とか言いたいことが伝わってほしいと思いました。
 スクリーンに投影した写真ですが、私が現地で撮影したもののほか、写真家のトム・宮川・コールトンさんが提供してくれたものも使いました。トムさん、ありがとうございます!(プロが写した写真はやっぱりきれいで鮮明ですね。)

 講演の間は会場は静まり返って聞いていました。
 質疑応答では「状況がによく分かりました。質問はありません。」という人や「チェルノブイリの事故のときのことを思い出した。」「印象深い講演でした。」という感想をいただきました。
 「知らなかったことをたくさん聞いた。」という学生さんや「ベラルーシと日本の学者がもっと密に協力し合って、被曝問題にともに取り組むべきではないか。」という意見を述べる人もいました。

 会場に来てくださった方々には記念品、というほどのものではないですが、折り紙でつくったふくろう(ミミズクのほうが正しいかも。)と鶴を寄贈しました。
 折鶴は私が作ったものですが、折り紙のふくろうは日本人の方が作って寄贈してくれたものです。
 ふくろうは知識のシンボル、鶴は長寿のシンボルなので、「知恵を持って被曝を防ぎ、健康を手に入れましょう!」というメッセージを込めました。来場してくださった方だけではなく、日本人へのメッセージでもあります。

 この講演は19日にも同会場で他のベラルーシ人(ミンスクの児童図書館関連)対象に再び行う予定です。
 また21日はSOS子ども村でそこで働く職員さんを対象に講演を行います。
 他にも希望があれば、各地で3月11日に話したことを伝えていきたいと思っています。

 最後になりましたがDVDや放射能汚染地図など、さまざまな資料を提供してくださった日本の方々にお礼申し上げます。 
 

日本文化情報センターの活動 講演会「東日本大震災から2年・私が見た福島」 1

2013-03-11 | 日本文化情報センター
 東日本大震災発生から2年となった2013年3月11日、日本文化情報センターの活動として、講演会「私が見た福島」を行いました。
 2011年と2012年の10月に日本を訪れることができました。そのとき私が出会った人々から聞いた情報や、撮影した写真、いただいた地図などを使い、集まってくれたベラルーシの人たちに、自分なりに伝えたいことをお話しました。

 画像はセンター内に開設した展示コーナーです。震災や福島第一原発事故関連の書籍、雑誌などを展示しました。

2013年3月11日

2013-03-11 | 放射能関連情報
 東日本大震災発生から2年になりました。
 もう2年・・・という気持ちとまだ2年という気持ち、これから日本はどうなるのだろうという気持ちが混ざったまま、また3月11日を迎えました。
 来年の3月11日、5年後の3月11日、10年後の3月11日の日本は・・・いや、日本人はどうしているでしょうか。

 ベラルーシでは日本の震災や福島第一原発事故のニュースなども減り、関心を持っているベラルーシ人もいるのですが、現状はどうなっているのか、知らない、という人が多くなっています。
 日本文化情報センターは2年目に当たる3月11日、講演会を行いました。詳しくは改めてご報告しますが、私が話したことは、やはり地震や津波の被害は日本人先祖代々、経験していることであって、必ず復興することができると思っていますが、日本を多い尽くすかのような放射能汚染は経験がないので、どうしたらいいのか分からないというのが実情。しかし念のためということを考えて、対策を打っておいたほうがいいので、そのためにはチェルノブイリの経験も必要、ということです。
 
 実際最近の日本のニュースを聞いていて、対策をちゃんとしておかないといけない、と思います。  

 福島県の県民健康管理調査の検討委員会では2013年2月に18歳以下(震災当時)の2人が新たに甲状腺がんと確定したと報告されたそうですね。
 2012年9月に判明の1人と合わせ、これで3人となったことになります。さらに7人に腫瘍の疑いありということです。

 子どもに甲状腺がんができる可能性は、通常では「100万人に1人」だというのが通説です。しかし4万人検査してすでに3人が発症した、という結果は通常ではない事態だということです。

 しかし検討委の鈴木真一・福島県立医大教授は
「チェルノブイリでは事故から4~5年たってから甲状腺がんが発生しているので、総合的に判断すると被曝の影響は考えにくい」
と述べています。だから、この3人の患者さんは、事故が起きる前にすでに発症しており、それが今回の検査で偶然見つかった。だからカウントされた、ということになります。

 確かに、ベラルーシやウクライナではチェルノブイリ事故後4~5年たってかた子どもの甲状腺がんが急増しています。
 厳密に言うと、鈴木教授が言っているような「発生」ではなく「急増」です。
 事故1年目でも「発生」はすでにありました。
 
 ベラルーシ人にこの話をすると
「今の日本の高い医療技術や検査方法をタイムマシンに乗せて、1987年頃のベラルーシに持って行って、子どもを検査したら、とても多くの子どもの甲状腺に異常が見つかったに決まっている。当時のベラルーシには精密な検査ができる技術がなかったから、異常が起きていても気づかなかっただけ。気づかないから数としてカウントされてないだけで、実際には事故発生直後から異常はあったはず。」
と言う答えが返ってきます。

 たまたまカウントされたものがデータになり、記録になり、グラフになって「チェルノブイリのときはこうでした。」ということになっています。
 実際にはグラフの空白部分にも意味が隠されていることもあるのです。
 ベラルーシから日本に向けて、情報発信している私のような人間がこう言うのもなんですが、「チェルノブイリのときはこうだったから」福島の事例にそっくりそのまま当てはまるとは限りません。参考にならないことや、逆に参考にしてはいけないこともあるのです。

 放射能が人体に与える影響の詳細など、科学的に解明されているのはまだわずかです。
 人類の長い歴史の中で見ると、研究はごく最近始まったばかりです。
 何が起きるか分からない・・・だから「何もしない」「ただ不安がる」・・・のではなく、知恵を使って前もって対策をとっておくようにしてください。

チロ基金の活動「ビタペクト&『放射能と栄養』無料配布・SOS子ども村 第145回」おまけ画像

2013-03-07 |   ビタペクト配布活動
 SOS子ども村で保養中の家族にビタペクト3を配りましたが、いつもお茶とお菓子を出してくれます。
 今回の家族はペクチンがたくさん入っているお菓子を出してくれました。さすが、保養中の食育レクチャーが効果ですね。
 手前からゼフィールというお菓子。緑色のはマルメラード(固形マーマレードのこと)です。
 そしてドライフルーツであるプルーンを混ぜた手作りの焼き菓子。ドライフルーツにはカリウムが多く含まれているのでお勧めです。セシウムの内部被ばく対策のおやつとしてはこれにココアを足せば完璧ですね。
 子ども達もおいしそうにパクパク食べていました。
 日本人のみんなも見習ってー! と思います。 
 
 

チロ基金の活動「ビタペクト&『放射能と栄養』無料配布・SOS子ども村 第145回」

2013-03-05 |   ビタペクト配布活動
 3月4日にビタペクト3と「チェルノブイリ:放射能と栄養」のコピー無料配布運動として、SOS子ども村への第145回目の配布を実施いたしましたので、ご報告いたします。

 チロ基金がSOS子ども村でビタペクトを配り始めて、ちょうど10年になりました。
 これからも続けられる限りこの活動を続けていきたいです。

 今回はビタペクト3を5個、そして「チェルノブイリ:放射能と栄養」のコピーを10部渡しました。
 これで今までに配布したビタペクト2、ビタペクトT、ビタペクト3の合計は1998個、「チェルノブイリ:放射能と栄養」のコピーは1840部となりました。
 今回で通算157回目の配布となりました。
 延べ人数ですが、1998人の子どもにビタペクトを、1840家族に「放射能と栄養」のコピーを配布したことになります。

(これまでのビタペクト配布運動について、詳細はこちらをご覧ください。)

http://belapakoi.s1.xrea.com/chiro/katudou/bitapekt/index.html


http://blog.goo.ne.jp/nbjc/c/e1e67d76a4796f3c95377bb7bdabd215


(またこの活動報告を読むにあたり、「チロ基金の活動『ビタペクト2無料配布』について追加のご説明」も併せてご覧ください。)

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/67c3b73ea2f30e880c3d4eb8bedded13


(ビタペクト2とビタペクトTについてはこちらをご覧ください。)

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/5cab63b65562dd2f64a820a7e4298a0b


(ビタペクト3についてはこちらをご覧ください。)

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/922c333857741c5448f66d4fe00b25e1


(チロ基金は以前ビタペクトに代わり、ペクチン入りセルロースを配ったことがあります。セルロースについてはこちらです。)

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/43f810eddd1efc451f5171ef3cd35a7a


(「チェルノブイリ:放射能と栄養」について詳細はこちらをご覧ください。)

http://belapakoi.s1.xrea.com/chiro/katudou/chel/index.html


(SOS子ども村についてはこちらをご覧ください。) 

http://belapakoi.s1.xrea.com/jp/no2/2001/soschild.html


(WBCによる測定、ビタペクトを開発、製造、販売しているベルラド放射能安全研究所の公式サイトはこちらです。)

http://www.belrad-institute.org/


(ベルラド研究所について日本語でご紹介している記事はこちらです。)

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/c382ef7eca8660531e895c8a646e7f2a


http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%99%E3%83%AB%E3%83%A9%E3%83%89%E6%94%BE%E5%B0%84%E8%83%BD%E5%AE%89%E5%85%A8%E7%A0%94%E7%A9%B6%E6%89%80



 今回は2家族がSOS子ども村に保養滞在していました。それぞれの家族にお話を伺いました。

(家族A)

 ストルブツィ市(チェルノブイリ原発から約325キロ)から来た家族。お母さんが3人の子どもと1人の姪を引率していました。この家族には3個のビタペクト3を渡しました。
 それぞれの体重1キロあたりの放射能測定結果はこのとおりです。○印の子どもにビタペクト3を1個ずつ渡しました。

母親(事故発生時18歳)11ベクレル 
女子(12歳)22ベクレル ○
女子(11歳)21ベクレル ○ 
女子( 5歳)26ベクレル ○
姪 (12歳) 0ベクレル

 このお母さんには5人の実子がいますが、そのうち年少の3人を保養に連れてきていました。子ども達の健康状態についてききましたが、子ども達はよく風邪をひく、ということでした。実際12歳の女の子は風邪をひいている最中で咳をしていました。この女の子は風邪だけではなく、よく胃炎も起こしています。原因は分からないそうです。
 お母さんは健康に関心が高く、いろいろ勉強しており、特に
「ときどきデトックスをしていて、そのためにペクチンサプリを使っています。」
ということで、ペクチンのこともよく知っていました。
「ベラルーシ国民の5%しかサプリメントを利用していない、という統計の結果がある。」
とも教えてくれました。ベラルーシはもともとヨウ素欠乏症の人がとても多く、(国民の約8割)ビタミンも全て摂取できている子どもも10%もいないといわれています。
 サプリばかりに頼って食事がおろそかになっては意味がありませんが、サプリを上手に取り入れよう、という考えもベラルーシ人にはあまりないようです。
 理由としてはサプリメントが高価であることや、薬とちがって絶対飲まないといけないものではないということです。

 お母さん自身は5年前に子ども達といっしょにサナトリウムへ行ったときに家族全員が甲状腺の検査を受けたところ、甲状腺種が見つかりました。まだ大きさが小さかったので、投薬治療を受け、一度は小さくなって消えたのですが、また現れたので、再検査を受けて治療しないといけない、と話していました。
 ちなみにこのお母さんはストルブツィ市の生まれですが、事故が起きたときは大学に入学しており、ミンスクに住んでいました。

 この一家が住むストルブツィ市はミンスク州にあり、放射能汚染地域に指定されたことは一度もありません。
 ただストルブツィ地区にはホットスポットになっている村がいくつかある、とお母さんは話していました。
 その後私が2004年作成の汚染地図を確認してみましたが、そこでもストルブツィ地区には汚染地域が全くなかったので、お母さんの話が本当だとすると、ホットスポットがあったのは事故が起きて間もない頃で、その後汚染地域の解除を2004年まで受けたものと考えられます。
 
 お母さんの話によると、ストルブツィ市は甲状腺のほか、ストロンチウムのせいで関節や骨の病気の人が増えたそうです。
 子どもの3人に1人が背骨のゆがみなど異常があり、低年齢の子どもでも慢性胃炎を訴えるなど、普通ではない状況だと語ってくれました。

 汚染地域に指定されたこともないせいか、住民の放射能に対する意識は低く、学校でも被曝の話などほとんどしないそうです。
 お母さんは「もっと情報がほしい。勉強しないといけない。」と話していました。

 
(家族B)

 ミンスクに近いコロディシ(チェルノブイリ原発から約350キロ)から来た家族。お母さんが5人の子どもを引率していました。この家族には3個のビタペクト3を渡しました。
 それぞれの体重1キロあたりの放射能測定結果はこのとおりです。○印の子どもにビタペクト3を1個ずつ渡しました。

母親(事故発生時15歳)18ベクレル 
長女(20歳) 0ベクレル  
長男(17歳)21ベクレル ○
次男(13歳) 0ベクレル
三男 (7歳)25ベクレル ○
次女 (4歳) 0ベクレル 

 子ども達の健康状態について話をうかがいました。 
 お母さんは貧血気味。
 7歳の三男は2歳のころから左の腎臓から膿が出て、7歳まで治療を続けてきましたが、結局切除しました。今は経過を見ているところですが、健康ということでした。
 4歳の次女は扁桃腺がはれるなど、毎月1回は何かの病気になっています。
 17歳の長男は慢性胃炎。背中に黒いあざがあったのですが、腫瘍と診断され、切除する手術を受けました。その後良性だったと分かり、少し安心したそうです。

 このように心配したのはお父さんが3年前にがんのため死亡したからです。お父さんは38歳でした。ほくろだと思っていたのが実は皮膚がんで、切除したのですがすでに体のあちこちに転移が進んでおり、発症が分かってから4ヶ月で亡くなったそうです。

 ベラルーシで最も多いがんは皮膚がんです。皮膚がんそのもので死んでしまう人は少ないのですが、転移のスピードがとても早くて、手遅れになることが多い、とお母さんは話していました。

 お母さんは「最近は水疱瘡に2回かかる子どもが増えている。」と話していました。それは帯状疱疹では・・・と思ったのですが、そうではなく、「免疫力が低下すると水疱瘡に2回か2回以上かかる場合がある。」とリリヤ先生が話していました。
 やっぱり免疫力の低下が問題なんですね。

 お父さんが亡くなってからもお母さんは女手一つで子どもを育て、2部屋のアパートから一軒家に引越ししたそうです。多子家庭向けのローンを組んで家を建てて、ほとんど完成したということでした。
 
 このようにベラルーシでは多子家庭(未成年の子どもが3人以上いる家庭)への支援政策がいろいろとあります。
 家族Aのお母さんはストルブツィ市で多子家庭協会で働いており、とても詳しかったです。
 それによると子どもを5人以上産むと、「母親英雄」の称号と勲章がもらえます。これがあると、50歳で年金生活に入れます。(ちなみにベラルーシでは男性60歳、女性55歳で定年ですが、最近日本と同じで引き上げる話が出ています。)
 子どもの幼稚園代は50%免除、16歳になるまで毎月育児手当がもらえます。(地方自治体によって額は変わります。)学校の給食代は無料。
 大学に入学するとき、多子家庭の子どもは寮に優先して入れます。
 土地を持っている場合、土地税は免除されます。

 日本も少子化が問題になっていますが、ベラルーシの多子家庭支援策が、少子化対策につながっているわけですから、参考にしてほしいところです。

 画像は記念撮影のようすです。子どもたちに折り鶴や折鶴の作り方を説明した紙(千羽鶴プロジェクト)、折り紙用の紙をプレゼントしました。
 この前日はひな祭りで、ベラルーシではもうすぐ国際婦人デー(3月8日)でしたので、笛のついているお面や、お母さんにはエコバッグをプレゼントしました。
 それから日本の絵葉書の裏に子どもたちの名前を書いて渡しました。みんな大喜びで、自分の名前が日本語で書けるよう、早速紙に書いて練習していました。さらにマジックペンで腕に書いて「自分の名前の刺青」をする子どももいました。
 
 最後になりましたが、ビタペクト3の購入費、そして「放射能と栄養」をコピーするために必要な経費を寄付してくださった方々、折り紙や絵葉書、エコバッグなどのプレゼントを寄贈してくださった方、また日本ユーラシア協会大阪府連主催のバザーなどでSOS子ども村への交通費を捻出してくださった多くの日本人の皆様に、この場を借りて深くお礼申し上げます。
多くの方々に支えられて、この活動が続いています。
ベラルーシの子どもたちもお母さんたちもSOS子ども村の職員の方々も皆様に大変感謝しております。本当にありがとうございました。