ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

今年の文部科学省奨学金留学生募集

2024-05-31 | 日本文化情報センター
 日本人の皆さんは知らない方が多いですが、日本政府(文部科学省)が毎年世界中から国費で外国人留学生を日本の大学や専門学校などに招聘しています。
 ただし、各国で選抜試験があり、当然ですが狭き門です。
 ちなみに現在、日本の大学や大学院でこの制度で学んでいる外国人は全部で9000人以上で、出身国内訳は飛び抜けて中国が多いです。
(このいわゆる外国人国費留学生制度について、日本国民の税金で給付型の奨学金が毎月11万〜14万円、各外国人留学生に支払われているのですが、こういう国が税金でしていること、日本の皆様は知っておいたほうがいいと私は思いますよ。)

 今日はベラルーシでこの選抜試験の申し込みの締切日でした。
 ベラルーシは人口も少ない小国で日本との縁も少ないし、日本語学習者も多いわけではないので、現在3つのプログラムのみで募集されます。
 わかりやすく説明すると「大学院留学」「大学留学」「専門学校留学」。
(もう一つ日本語専門に一年間だけ研修に行けるプログラムもありますが、条件が大学で日本語を専攻している学生のみで、しかも大学間の取り決めが重要なので、大学のような教育機関ではない日本文化情報センターの生徒は申し込みすらできませんので、このプログラムのことは意識の中にありません。)

 さらに上記の3つのプログラムのうち、それぞれ1名ずつしかベラルーシの場合選ばれません。要するに一つの国から3人のベラルーシ人しか国費留学はできないということです。
 優秀なベラルーシ人が選ばれないことには、日本政府が奨学金を払う意味がないです。
 ベラルーシではプログラムの種類や年によって違いますが、だいたい8人に1人とか10人の1人とかの倍率です。
 100人に1人の倍率という国もありますが、そのような国からは全部で数十人選ばれます。
 ベラルーシは3人だけです。
 
 今年は弊センターからは3名の日本語生徒が挑戦しますが、書類選考を通ると次に筆記試験、それを通過すれば面接があります。

 ・・・とここまではこの留学コンクールの説明でしたが、私が言いたいのは別のことです。
 日本政府が3人でも優秀なベラルーシ人を日本で学べる機会を与えてくれているのはいいのですが、問題なのはベラルーシ側です。
 ベラルーシは6月が卒業シーズンなのですが、そのためかわざと1か月ほど前に新しい法律を作りました。高校の成績証明書(内申書)の複写は法的無効とするものです。
 つまり、ベラルーシの高校生が大学入試のために内申書を提出するのは、原本(本物)の内申書なので問題がない。しかし、留学コンクールなどで求められる内申書の複写は法的に無効としたため、使えない。そうするとそもそも無効な書類を作成する必要性はないと判断する学校側が内申書の複写をくれなくなったのです。

(こうすることによって、国内の大学進学はできても、外国の大学や教育機関の進学や留学ができなくなります。つまり、ベラルーシ政府は自国民の若者が出国することを阻止したいのです。すでに20万人が政治的経済的理由で出国してしまい、出生率も下がり、ベラルーシの人口が減少してしまったからです。そして労働力不足、兵員不足になっています。日本は人口減が社会問題になっていますが、ベラルーシも同様なのです。
 日本では「最近の若者は内向き志向になった。留学とか海外での仕事に消極的だ。気概がない。」と批判している人もいますが、ベラルーシ政府が聞いたら「国内人口が減少しているんだから、若者が内向き志向なのは大歓迎すべきなのに。こっちはいかにして若者が国外へ行かないようにするか悩んで、こんな法律まで作ってるのに。」と思うでしょうね。
 日本人からしたらベラルーシなんて国、共通点などないと思われがちですが、実は同じ社会問題を抱えています。)

 今回の留学コンクール申し込みには、弊教室からは4名の希望者がいたのですが、うち1人は内申書の複写を提出することができず、参加できなくなったのです。
 放課後、本人が泣きながら私に話してくれたのですが、それによると、2年前に卒業した(在籍中の高校生でなくても、「大学留学」「専門学校留学」希望者は高校の最終学年とその1年前の学年の成績証明書を提出しないと、申し込みができない。)高校へ行き、内申書の複写をくださいと頼んだところ、
「え? 何のために? 留学コンクールの申し込みのため? どこに留学? は? 日本? だめです! 日本はダメ! 日本は現在ベラルーシの非友好国リストに載っているんですよ!」
と校長先生や教頭などに囲まれて、拒否され、挙句には
「日本に永住するのか? ますますもってだめ! え? 留学であって永住するわけではない? でもダメ! あーあ、中国かロシアに留学するんだったら、いくらでも成績証明書でも校長からの推薦文も出せるのに。日本はだめ! 今はそういう法律なんです!」
とわざわざベラルーシの外務省が作った「ベラルーシの非友好国リスト」の一覧表まで鼻先に突きつける始末。
 挙句には「そんなに日本に行きたいなんて! あんたは外国の代理人? スパイなの?!」
と何の根拠もないことを言われました。
 こんなことが今のベラルーシの高校の校長室で起こっているんですよ。

 ちなみに内申書の複写だけではなく、学校の校長あるいは教員の推薦状もコンクールの申し込みに必要なのです。
 もちろん、この生徒に誰も推薦状など書いてくれません。

 しかし、日本文化情報センターの生徒のうち3人は申し込みができました。
 それは校長先生や担任の先生が、親切な人たちで、内申書の複写ではなく「簡易版の成績証明書」を出してくれたからです。このように出身高校の校長が、頑固に法律厳守の方針の人なのか、生徒の将来にチャンスを与えたいと法の抜け道を思いついてくれる人なのかによって、日本留学コンクウールに参加できるかできないか運命が変わってしまうのです。

 また毎年7月中旬に行われていた留学コンクールが今年はなぜか6月になったので、高校の成績証明が「まだ卒業試験が終わっていないから成績証明がしたくてもできない。」と学校側から言われたり、大学生の申込者は「まだ大学の後期試験が終わってないから、成績証明が出したくても出せない。」と大学から言われて、とにかく申し込み書類を完全に揃えることができず、大変でした。
 来年は6月末申し込み締め切り、7月にコンクール(筆記試験と面接)実施のスケジュールに戻してほしいです・・・。
 
 とは言うものの、日本の文部科学省や現地の日本大使館の都合に合わせないといけないので、こちらからの意見(ベラルーシ事情)は誰も耳を貸してくれないのでしょうね。
 ただ日本大使館側からも、高校生に対して、「内申書が出たらその後で追加で提出してください。とりあえず筆記試験を受けられるようにしてあげます。」と締め切りに猶予を持たせてくれたようです。良かったです。

 余談になりますが、留学コンクールの筆記試験の日程を6月6日と日本大使館HPで発表していたのですが、この日はいわゆるベラルーシのセンター試験最終日なんです。
 センター試験の日程など、とっくの昔にベラルーシ教育省が発表しているのに、やっぱりベラルーシの日程や規則に疎いのか、日本留学コンクールの筆記試験をこの日にすると決めてしまう日本大使館・・・。
 案の定、「私、その日センター試験受けに行かなきゃ行けないんですけど、そうしたら留学コンクールに出られない! どうしたらいいんですか?!」という問い合わせ(苦情)の電話が複数、日本大使館にかかってきたそうです。
 あきらめず苦情を言ったおかげで、留学筆記試験の日が6月7日に変更になりました!

 それはいいんですが、筆記試験の日程が変更されたことを日本大使館は公式HPのトップページに大きく表示するべきだと思うのですが、そういうことをしないのです。
 私は生徒に聞かされるまでずっと6月6日だと思って、それに合わせて授業のスケジュールを組んで、仕事のシフトも決めていたのに、またやり直しですよ。
 さらに今度は「6月7日は私、大学の後期試験の日なんですけど!」という大学生も出てきたでしょうね。すると大学を卒業できません。
 また6月6日も7日も平日なので、申し込み希望者の中には社会人になっている人もいるので、それに合わせて、欠勤届を出さないといけないのに、いつの間にか筆記試験の日程を変更して、それをトップページで知らせないのは、困りますね。

 とこのように大変な状況です。
 日本文化情報センターでは、留学コンクール参加者に対して今月15日から特訓授業を行なっています。
 最終結果は6月末までに本人に通知されます。弊日本語教室の生徒の結果発表はその頃に弊ブログでもお伝えする予定です。

・・・・・

 6月8日の追記です。
 今回の留学コンクール筆記試験を受けた弊教室の生徒によると・・・
 ベラルーシから上記の「専門学校留学プログラム」に申し込んだ人はゼロでした!
 やはり、高校の内申書の複写を出身高校からもらえず、申し込みに必要な書類を集められなかったベラルーシ人が今年は多かったものと思われます。
 さらに「大学留学プログラム」に申し込んだのは7人(うち3人が弊教室の生徒)で、「大学院留学プログラム」には9人でした。激減しています。
 大学院留学には高校の内申書を提出しなくてもいいのですが、大学側からの成績証明と推薦状が必要なのです。
 やはり外国の大学に留学(人材の国外流出)を阻止するよう国からお達しが出ているようで、大学によっては推薦状を出してくれないケースも増えているようです。
 コロナ前の2019年にはこの3つのプログラムに合計50人ほど申し込んでいたことを考えると、日本への国費留学はベラルーシでは狭き門ではなくなっているのかもしれません。
 うちの生徒からするとラッキーなのかもしれませんが、見方を変えれば、その分優秀な人材が日本に来なくなるということです。
  


 
 

2024年5月31日。ウクライナ侵攻から829日目

2024-05-31 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2024年5月31日。

 NATOのストルテンベルグ事務総長は今日、ウクライナに西側諸国が供与した武器を使ってロシア領土内を攻撃するのを認めれば緊張が高まりかねないとするロシアのプーチン大統領の警告を一蹴しました。
 プラハで開かれたNATO外相会議の合間に、NATO加盟国はこれまで何度も同様の警告を聞いてきたとし、自衛は緊張の高まりではないと述べました。
 アメリカ大統領はウクライナが米国供与の武器でロシア国内を攻撃することを一部容認しました。
 ドイツ政府報道官も今日、ウクライナは国際法に従い、ロシアとの国境に近いウクライナ北東部ハルキウ周辺に対しロシア国内から行われる攻撃への自衛手段として、ドイツが供与した武器を使用できると述べました。
 オランダ外相は武器の使用に地理的制限を課すことなくウクライナの自衛権を強調しました。
 ロシアに攻撃的でウクライナの味方であるような発言が多いですが、結局は自国を守るにはどう言う立場でいるべきかということを念頭においていると思います。

2024年5月24日。ウクライナ侵攻から822日目

2024-05-24 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2024年5月24日。
 ベラルーシ大統領との会談のため、ロシア大統領が昨日ベラルーシに到着しました。ミンスク市内のメインストリートにはベラルーシとロシアの国旗がずっと2列に掲げられています。

 今月21日にロシアは戦術核兵器部隊の演習の第1段階を始めました。今日の会議ではその第2段階からベラルーシも加わることについての協議がされました。
 会談後の記者会見で、ロシア大統領は戦術核演習は「NATOの活動と比べ異常なものではない」と正当化し「ロシアは、核兵器に関する義務を完全に順守している」と主張しました。
 一方でウクライナとの停戦交渉を巡り「交渉再開の必要性が再び議論されている」と指摘しています。ウクライナは「(2022年の)交渉の基本合意と、今日の現実を認めて交渉に戻る必要がある」とし、ロシア側は「準備ができている」と述べました。
 停戦についての交渉が始まるでしょうか。そうなった場合、ベラルーシは仲介役や交渉の場の提供など会談で提示したと思われます。


2024年5月23日。ウクライナ侵攻から821日目

2024-05-23 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2024年5月23日。

 ウクライナ北東部ハルキウ州の州都ハルキウの印刷会社「ファクトル・ドゥルク」で今日、ロシア軍によるミサイル攻撃があり、同州知事によると、7人の死亡が確認されました。
 警察、検察によると、印刷会社は午前10時半ごろ、地対空ミサイル「S300」によって攻撃を受け、大規模な火災が発生。当時は約50人が勤務しており、亡くなった女性5人、男性1人、性別不明1人は全員が同社の従業員でした。他に17人が負傷。

 ファクトル・ドゥルク社は、ウクライナ国内の大半の出版社が出す書籍の印刷を担っていたそうです。つまりウクライナ語書籍の出版です。
 警察は「ここに軍事施設はなく、軍人も一人もいない」という関係者の談話を伝えました。

 関連会社のビバトは「ファクトル・ドゥルク社を応援したい方は、同社で印刷された書籍の写真をSNSに投稿してください」と呼びかけました。すると、駐ウクライナ英国大使らから多くの写真が投稿されました。
 コルスンスキー駐日ウクライナ大使も、外交などに関する3冊の著作が、今回攻撃にあった印刷会社で刷られたとし、Xでは、自著の写真を投稿して「(企業活動を)続けてくれ」と日本語で訴えました。


 ノルウェー政府は今日、今月29日から観光や買い物など不要不急の渡航を目的とするロシア人の入国を禁止すると発表しました。
 ノルウェーはロシアのウクライナ侵攻を受けて2022年春以降、ロシア人に対して観光目的などのビザ発行を取りやめていますが、それ以前にノルウェーが発行したビザや他のシェンゲン協定国が発行したビザを持っているロシア人も今後、ノルウェーに入国ができなくなります。
 例外として、ノルウェーにいる家族への訪問やシェンゲンエリアで働く人などは入国を認めます。
 日本では今でもロシア人が日本へ観光目的で入国していますが、政府としてはどう思っているのでしょう?
 日本はロシアに対して経済制裁を発動しているのですが、ロシア人が日本へ観光に来てお金を落としてくれることを目的にしているのでしょうか。


 ロシア大統領は今日、アメリカがロシア中央銀行などの資産を没収した場合、ロシア国内にあるアメリカの財産を差し押さえることを認める大統領令に署名しました。対象は、ロシア国内にあるアメリカ政府と法人などの預金や有価証券、不動産など資産全般に及びます。
 ロシア側の資産保有者が、アメリカの没収で損害を受けたとロシアの裁判所に訴え、被害が確定すれば差し押さえて補償できます。
 もっともロシア国内には米欧の中央銀行の資産は少ないようです。


 1年以上の空席を経て、今年3月に来日した新・駐日ロシア大使のニコライ・ノズドレフ氏が今日、皇居を訪れ、天皇陛下にプーチン大統領からの信任状を渡す「信任状捧呈式」に臨みました。
 通常はその様子がマスコミに公開されますが、今回は外務省の要請により、記者団に非公開で行われました。記者団は公開を求めていたそうです。宮殿南車寄せに大使が到着した際の取材だけが許可されました。
 外務省儀典外国公館室の担当者はその理由について「現下のロシアをめぐる国際情勢を踏まえて、(儀式の模様が)対外的に発信されるのは望ましくない」と説明しました。

2024年5月21日。ウクライナ侵攻から819日目

2024-05-21 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2024年5月21日。
 ロシアの凍結資産について、EUの閣僚らでつくるEU理事会は今日、資産から生じる利益をウクライナ支援に活用することで最終合意しました。アメリカもG7で凍結資産の扱いについて議論する考えです。
 日本政府は同調しないのでしょうか。

 


2024年5月20日。ウクライナ侵攻から818日目

2024-05-20 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2024年5月20日。

 ウクライナ国旗の色に髪の毛を染めたモスクワ在住のロシア人男性が、「軍隊に対する不名誉罪」で有罪判決を受け、5万ルーブル(約8万6000円)の罰金を科せられた。

 この男性は先月、髪を染めた後にバス停で(見知らぬ人から?)暴行を受け、被害届を出すため警察署を訪れました。ところが、男性の髪の色を見た警察官は彼を起訴することを決めました。
 (バス停と警察署での会話の内容が何となく想像できますね。)

 警察では「私はロシア政権もウクライナ政権も支持していない」と言ったそうですが、裁判所は「ロシア軍に対する否定的な態度を表現したものだ」と指摘。
 さらに男性は「(侵攻前の)2017年から髪を明るい色に染めてきた。私の髪の色はウクライナと何の関係もない」と主張しましたが、判決は有罪。罰金ですんでまだ良かったのかもしれません。

2024年5月18日。ウクライナ侵攻から816日目

2024-05-18 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2024年5月18日
 ウクライナ政府は、今日から国外在住の徴兵対象年齢である18~60歳の男性への領事サービスを再開すると発表しました。
 ウクライナ外相は、国外にいる徴兵対象年齢の男性について、前線での戦いを人任せにしていると批判し、当局はパスポート発給などの領事サービスを停止していました。ちなみにベラルーシ大使館も国外在住の自国民に対するパスポート発給を停止しています。

 ウクライナ政府の狙いは、軍が兵員不足に苦しむ中、徴兵対象年齢の男性の帰国を強制するためでした。パスポートの有効期限が切れても新しいパスポートをもらえないので、帰国しなくてはいけません。
 しかしウクライナ外務省は17日付の声明で、最新の徴兵登録書を所持していることを条件に、「4月23日に停止していた徴兵対象年齢の男性への領事サービスを再開するよう在外公館に指示した」と発表しました。

 この外国に滞在している自国民に現地の自国大使館が新しいパスポートを発給してくれないというのは問題です。矛盾していると思います。
 別に兵士動員逃れのためでなくても、外国でパスポートを紛失したり盗まれたり、うっかり燃やしてしまったり水に落としてしまうということが起こりうるからです。
 新しいパスポートを作ってくれないとがないと、帰国することすらできなくなりますから、自国軍に入隊できないですよ。

2004年5月17日。ウクライナ侵攻から815日目

2024-05-17 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2024年5月17日。

 ウクライナ大統領は今日、一部の受刑者の軍への入隊を可能にする法案に署名しました。ロシアと同じことをしています。それだけ兵員不足が深刻化しているのでしょう。
 受刑者には入隊の申請が認められた場合、仮釈放が与えられます。そして戦場へ。ただし重大犯罪で有罪判決を受けた受刑者は対象外です。ここがロシアとはちがうところですね。これでウクライナでは最大約2万人の兵士の補充が可能になると言う試算もあります。
 ウクライナでは徴兵逃れに対する罰金を引き上げる法案も署名されました。
 
 ウクライナ軍兵士の平均年齢は40歳以上とされていますが、太平洋戦末期の日本軍の兵士の平均年齢も相当上がっていたのではないでしょうか。。ちなみにウクライナでは動員可能な年齢を25歳以上60歳以下としています。


 加盟国閣僚らでつくるEU理事会は今日、ノーボスチ通信やイズベスチヤなど、プーチン政権の影響下にあるとされる4メディアに域内での放送活動の禁止を決定しました。

 

2024年5月12日。ウクライナ侵攻から810日目

2024-05-12 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2024年5月12日。
 ロシア大統領は今日、国防相のショイグ氏を安全保障会議書記に任命し、後任に第1副首相だったアンドレイ・ベロウソフ氏を任命しました。
 安保会議はロシア大統領が議長を務める安全保障問題の最高政策立案機関で、盟友ショイグ氏を自身の補佐役に置いたことになります。
 ベロウソウ氏は経済発展相などを歴任した経済官僚で、軍事の専門家ではありません。しかし国防相になります。軍制服組トップのゲラシモフ参謀総長は留任したので、この軍トップの二人がうまくやっていけるのかどうか。
 ショイグ氏は軍需産業分野を統括する政府軍事産業委員会の副議長も兼務しています。プーチン氏はウクライナ侵攻継続に向けた軍備強化などを引き続き担当させるそうです。
 あからさまなクビにしなかったのは、ショイグ氏の解任がロシアの「特別軍事作戦」が思い通りに進んでいないことを国民に認めることになるからです。
 

 ロシアの警察は、ウクライナ東部で6人の仲間を射殺した容疑でロシア軍兵士を捜索しています。
 容疑者はユーリ・Gとよばれる57歳の「元受刑者」の二等軍曹です。つまり犯罪者で服役中だったのが、軍にスカウトされて6ヶ月生き延びれば、無罪放免になるという話にのった一人です。
 テレグラム・チャンネル「バザ」によれば、ドネツク人民共和国で5月4日に榴弾砲大隊の兵士6人を射殺した後、逃亡したそうです。
 サイレンサー付きのAK-12アサルトライフルと弾薬を所持している可能性があり、警察はロシアの国境地帯であるロストフ、ベルゴロド、ボロネジを捜索している、とバザをはじめとするロシアのニュースサイトが伝えている。この周辺地域に住んでいる人たちは気が気じゃないですね。戦争で敵国から攻撃を受けるのを恐れるだけではなく、味方の軍の頭のおかしい犯罪者が近所をうろつくようになる、これが戦争の持つ一面なのですね。

 ロシア軍では他にも、ドミトリー・ロボビコフという軍曹が昨年2023年1月13日から14日にかけて行われた新年会の最中に部下7人を手榴弾を爆発させて殺害し、少なくとも10人を負傷させた罪に問われています。
 コメルサント紙が報じたところでは、ロボビコフ軍曹は部隊の様子を確認するために兵舎に行き、そこでRGD-5手榴弾を取り出してピンを抜いてから、兵士の一人にピンを元の位置に戻すよう命じました。しかし、命令を受けた兵士は、やり方を習っていないと答えました。するとロボビコフは兵士を罵り、そして別の小隊の兵士が寝ていた隣の部屋に手榴弾を投げ込み、ガスボンベを爆発させ、7人を死亡させました。
 ロボビコフ軍曹は拘束され、殺人、殺人未遂、故意による身体的危害の加害、故意による器物損壊、爆発物の不法所持で起訴され、今日裁判が始まりました。
 ロボビコフの弁護士によれば、被告人は模範的な働きをしてきたが、脳震盪のために服用した鎮静剤とアルコールとの組み合わせで正常な状態ではなかったうえでの予想外の事故だったと主張しました。
 手榴弾はロボビコフが廊下で見つけたもので、兵士と言い合いになった後、彼は意識を失っていたそうです。その間に手榴弾は隣の部屋に入り込んで爆発し、ロボビコフ自身も重傷を負ったので、犯罪行為を行える状態ではなかったという主張です。

2024年5月10日。ウクライナ侵攻から808日目

2024-05-10 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2024年5月10日。
 ウクライナ軍の情報筋は今日、ロシア国境に接する東部ハリコフ州で同日朝からロシア軍が攻勢を強め、ウクライナ領内に約1キロ進軍したと明らかにしました。州知事によると、州北部ボルチャンスクで砲撃により住民1人が死亡し複数が負傷。10日午後も戦闘が続きました。情報筋は、ロシア軍が自国領内への砲撃を減らすため国境から約10キロの範囲に緩衝地帯を設けようとしているとの見方を示しました。
 ロシアが進軍したのはボルチャンスク周辺。ボルチャンスクでは住民の避難が始まりました。
 昨日の第2次世界大戦の戦勝記念日から一夜明け、ロシアが攻勢のスピードを加速させています。

2024年5月9日。ウクライナ侵攻から807日目

2024-05-09 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2024年5月9日。
 第2次世界大戦中の対ナチス戦勝記念日です。
 ベラルーシでも戦勝記念の式典が行われていましたが、いわゆるキリのいい年ではないので、地味でした。おそらく7月3日のベラルーシ解放記念日が今年80周年を迎えるので、そちらのほうに多くの国家予算が投入されるものと思われます。

 モスクワで行われた戦勝記念式典での軍パレードの戦車はただ1台。大戦中に使われていた戦車です。
 その他の戦車は全てウクライナへ投入されているのでしょう。

 ロシア大統領は演説で「ロシアの戦略核兵器は常時戦闘態勢にある」と核で西側を強く牽制。しかし、「ロシアは今、歴史的に困難な、分水嶺の時を通過しつつある」と戦況について述べ、ロシアが優位に立っているとは発言しませんでした。
 ロシアは今日、ウクライナ侵攻について大きな戦果を国民に誇示するつもりだったようです。
 しかし、計画していたドネツク・ルハンスク両州の完全制圧を実現することはできませんでした。

 ロシア大統領は国民生活の飛躍的向上を約束しました。(ロシアの国防費をGDPの6%)ロシアの経済は22年、制裁を受けて2.5%縮小しましたが、昨年は成長率がプラス3.6%に急上昇しました。軍需生産への支出急増と、労働力不足による企業間の賃上げ競争で、投資・消費共に増えているからです。

 

2024年5月7日。ウクライナ侵攻から805日目

2024-05-07 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2024年5月7日。

 ウクライナ大統領らの暗殺計画に関与したとして、ウクライナ保安局は今日、ウクライナ国家警護部隊に所属する大佐2人を反逆やテロ準備の疑いで逮捕したと発表しました。2人はロシアの連邦保安局(FSB)に協力していたそうです。
 FSBはウクライナ大統領の警護につく軍人の中から、大統領を人質に取って殺害できる実行犯を探しており、上記の大佐2人が協力を約束したようです。
 具体的には、ウクライナ側の工作員が警護対象者の情報を渡し、それを受けてロシア側がミサイルやドローンで大統領を攻撃、さらには暗殺した痕跡も消すというものだったそうです。実行前に発覚したということです。

2024年5月4日。ウクライナ侵攻から802日目

2024-05-04 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2024年5月4日。

 ウクライナのゼレンスキー大統領とポロシェンコ前大統領が、ロシア内務省の指名手配リストに含まれました。刑事事件としていますが、詳しい容疑は不明。「ウクライナ政府の残虐行為」をロシアが国内外にアピールしたいだけでしょう。実際に逮捕されるかというとまあ、可能性はほとんどないでしょう。
 ロシアはこれまでも外国の政治家らを一方的に指名手配しています。例えばロシアは今年2月、侵攻を厳しく批判するエストニアのカラス首相を「ソ連兵の記念碑を破壊した」として指名手配したほか、侵攻の戦争犯罪に関してプーチン氏に逮捕状を出した国際刑事裁判所の赤根智子所長らも指名手配しています。