ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

2025年2月14日。ウクライナ侵攻から1086日目

2025-02-14 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報

 2025年2月14日。バレンタインデーですね。ベラルーシではチョコレート祭りというより愛の日です。

 今日、ウクライナ政府が前日の夜(IAEAによると今日の午前2時ごろ)にチェルノブイリ原発が39年前に事故を起こし、すでに廃炉になった4号炉のに衝突したそうです。

 4号炉を覆っているコンクリート製のシェルター(石棺)は損傷し、火災も発生。

 火災はすぐに消し止められ、放射能レベルも上昇していません。しかし4号炉からの放射能漏れを防ぐための覆いであるシェルターが損傷し、そのまま修繕されないでいると、将来そこから放射能が漏れる可能性が高くなります。

 アメリカとロシアが停戦についての話し合いを始めると言い出したこのタイミングで、どうしてこんな攻撃をするのでしょう?

 もしこれで放射能が漏れたら、他の国にも被害が及ぶので、黙っていないでしょう。話し合いがスムーズにできなくなります。(と思っているのは私だけで、今チェルノブイリ原発を攻撃しておく方が、その後のスムーズに話が進むと考えられているのでしょうか。)


2024年10月23日 

2024-10-23 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報

 2024年10月23日。

 次回のベラルーシ大統領選挙が、2025年1月26日に実施されることが発表されました。

 立候補者の署名集めなどの準備期間のことを考えると、来年の1月に投票が行われるのは、時間がとても短いように思われます。

 これから大急ぎで選挙に向けて動き出す模様です。

 

 


2024年9月9日。ウクライナ侵攻から931日目

2024-09-09 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2024年9月9日。
 日本人男性がスパイ容疑で逮捕されたという内容の特別番組が放映されてから4日後の今日、在ベラルーシ日本大使館領事部から在留邦人に一斉メールが届きました。以下、そのままご紹介します。

・・・
在留邦人の皆様

 先日、在留邦人がベラルーシ政府に拘束される事案が発生しました。
 このことを受けて、在留邦人の皆様が嫌がらせをされたり、不必要な職務質問を受けることも否定できません。
 外出時にはなるべく目立たない行動をお願いします。また外出先での携帯電話による通話についても、緊急性がなければ帰宅後に行いましょう。 当地では閲覧が禁止されているサイトがありますので、無用なトラブルを避けるためにも通の乗り物内でのスマートフォンの閲覧についてもお控え下さい。
※普段の生活をしている中で、不審な動きを感じたり、身の危険を感じた場合は、すぐに大使館に連絡をして下さい。少しでも不安な事があれば、躊躇無く大使館へ連絡を下さい。
※本メールを受信されましたら、受領メールのご返信をお願いいたします。
在ベラルーシ日本国大使館 領事部

・・・

 この後、大使館の代表電話と領事部の電話番号が記載されています。しかし、おそらく大使館内が今月4日以降混乱しているようですので、このブログ上では電話番号は記載しません。どうしても日本大使館に直接電話したい人は、公式サイトから調べておかけください。

 この注意喚起メールを読んで思ったことは、ベラルーシで日本人男性が逮捕されたことで、どうして他の在住日本人がこんなに気を遣って生活しなければいけないのかということです。

 言いたいことはたくさんあります。
「このことを受けて、在留邦人の皆様が嫌がらせをされたり、不必要な職務質問を受けることも否定できません。」
→ 今後、ベラルーシで日本人が白い目で見られたり、人種差別されたりする可能性が高まったということでしょうか。確かにそうかもしれないし、気をつけようとは思いますが、ベラルーシ人から人種差別してくるのをこちらからどうやって防いだらいいのでしょう?
 別に職務質問を受けてもいいですよ。私は犯罪行為をしている(あるいはしていた)わけでもないですし。大使館が不必要に善良な日本人を脅かしているようにも思えますし、あるいは在留邦人の中に心当たりのある人がいるのかもしれないで、こういう事案(外国で日本人がスパイ容疑で逮捕される)ことが起きた時にはこういう注意喚起メールを送ること、という決まりがあるのでそれに沿っただけのようにも思えます。

「外出時にはなるべく目立たない行動をお願いします。」→どうしてこんなに気を遣いながら生活しないといけないのでしょう。目立たない行動とは? 日本の人と真夜中の公園で木の影で話をするとかですか?

「また外出先での携帯電話による通話についても、緊急性がなければ帰宅後に行いましょう。」→この末尾の「行いましょう」というのが小学生に向かってしゃべってる先生みたいです。前々から思っていましたが、大使館員は在留邦人に対して自分達の方が上の立場にあり、こちらの言うことを聞きなさい、という感覚の人が多いですよ。現地での邦人保護は大使館の大事な仕事なので、「保護してあげている」と言う感覚になっているのかもしれませんが。ある大使館員から「ベラルーシに自ら望んでやってくる日本人はみんな変人ばっかりですよ。(大使館員はベラルーシへ自分から望んでやってきたのではないから、変人ではない。)」と言われたこと、私ありますよ。
 
「当地では閲覧が禁止されているサイトがありますので、無用なトラブルを避けるためにも通の乗り物内でのスマートフォンの閲覧についてもお控え下さい。」
→脱字をそのまま転載しました。大使館内が相当混乱しているようです。
 この文面を読んで、閲覧が禁止されているサイトだけ公共交通機関内で見なければいいだけの話では?と思いました。これだとスマホでサイトの閲覧をすること自体控えなさいということになりますよね。どうしてこんなことを大使館からアドバイスされないといけないのでしょう。それとベラルーシ政府が閲覧を禁止しているサイトは現在、閲覧そのものができなくなっています。接続できないので、私は読むことが全くできなくなりました。というより読みたいとも思いません。もちろん接続の抜け道方法があるので、それでブロックされているのをくぐり抜けて禁止サイトを閲覧しているベラルーシ人はたくさんいます。しかし機械音痴の私はそういう抜け道の方法を知らないし、知りたいと思っていません。読みたいと思っていないからです。

「※普段の生活をしている中で、不審な動きを感じたり、身の危険を感じた場合は、すぐに大使館に連絡をして下さい。少しでも不安な事があれば、躊躇無く大使館へ連絡を下さい。」
→この不審な動きとは、例えば尾行されていると気づいたといったことでしょうか。あのですね、例の特別番組では、スパイ容疑で逮捕された日本人男性と大使館員が真夜中の公園で密会していたと報道されていましたよ。そのほうがよっぽど不審な動きですよ。
「いや、それはベラルーシ側が捏造したもので、真実ではない。二人は会っていなかった。ベラルーシ側の嘘だ。」と主張する日本の方が多いと思います。このあたり、裁判が始まったら、はっきりするのではないでしょうか。番組内で名指しされた大使館員は、裁判所で、本当にこの日、被告の男性と真夜中公園で会っていなかったと証言し、その証拠を出せばいいのではと思います。実際にそうしてほしいです。日本大使館員がスパイの手助けをしていたから、バックに日本政府がいるのだとを全国放映されたんですよ。名前まで出されて。ぜひ身の潔白を裁判で証明してほしいです。そうでないと被告の男性が日本政府が送り込んだスパイと断定されます。邦人保護が大使館の仕事なら、この男性のためにも、国のためにも真実を証言してほしいです。
 
 この大使館からの一斉送信メールのどこかにこの大使館員の行為について在留邦人に対して「説明・弁明」が書かれているだろうと思って、メールを開きましたが、携帯電話で会話するのは帰宅後、家の中でしましょうねといった「アドバイス」しかなくて驚きました。


2024年9月5日放送の特別番組「東京のサムライの失敗」について

2024-09-06 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 ベラルーシで拘束された日本人男性についての特別番組がこちらの5日午後9時45分から放送されました。
 視聴しましたが想像以上の内容でした。これはスパイ活動をしていたと断定されて当然で、本人も自分が犯罪行為をしていたと取り調べで認めています。
 ベラルーシ当局はかなりの長期間に渡り、中西氏を尾行し、望遠カメラで同氏が軍事関連施設などを撮影していた様子を撮影していました。
 言い逃れなど全くできないほどの大量の証拠です。
 
 分かりやすいように内容を時系列で箇条書きにします。( )内は私からの補足です。

 中西氏は法律が専門である。(日本の大学の法学部出身のようです。)

 中西氏の妹が浄水装置・水処理作業の会社社長と結婚したが、その後離婚。この元義兄が日本の国家公安委員会とコネがある。(この会社社長のフルネーム、顔写真も番組内で報道されました。ちょっと検索したらすぐその会社のHPが見つかりましたが、このブログ上では伏せておきます。)

 この元義兄社長から諜報活動の資金援助があった。

 中西氏は一時期、東欧各国を旅行していた。そこでも諜報活動をしていたようだ。

 そしてちょうどマイダン革命が起こった2014年にウクライナへ行き、そこで諜報活動をしていた。

 2016年、ウクライナのクプリャンカにある教会で洗礼を受けて、アントニーという洗礼名をもらい、正教徒になった。

 2018年にベラルーシに入国してゴメリで居住を始める。お金を出して、ゴメリのベラルーシ女性と婚姻関係を結んだ。女性のほうもお金のために戸籍を売った。お互い同意の上だが、ベラルーシはこれは違法行為で、これだけでも罪に問われる。中西氏はゴメリの居住権を得られ、ゴメリ大学での日本語講師の職にも就けた。
 しかし日本語教師という肩書きは諜報活動をしていることを隠すためだった。

 婚姻届上だけの妻ともその後、離婚。(最初からその約束だったようす。同氏の逮捕により、元妻はお金のために婚姻関係を結んだという違法行為が明るみとなり、おそらくすでに処罰を受けたと思われる。)

 同氏は2019年にゴメリで会社を設立。しかしこれはペーパー会社で、実際には何の業務形態もなく、日本からの資金受け取りの隠れ蓑として存在していただけだった。会社が存続するように税金はきちんと納めていたが、それも利益から捻出したのではなく、日本からの入金の一部をそのまま税金としていただけで、全く形だけの企業だった。

 大学の日本語教師の安い給料では考えられないほど、多くの出費があった。

 2018年から今年の逮捕に至るまでの6年間で、ベラルーシの国中を旅行しまくっていた。行き先は観光地ではなく、国境近くの町や村であり、鉄道などの交通インフラ、鉄橋、工場、軍事施設などの写真を大量の撮影していた。ゴメリ空港の写真とビデオを撮影し、元義兄社長に送ったと中西氏は証言した。

 2020年の大統領選挙後のデモのようすも写真やビデオに収めていた。
 写真だけで9000枚撮影し、元義兄社長に渡していた。その元義兄は公安に渡していたというのがベラルーシ当局の見立て。だから、日本政府のスパイだと報道している。

 元義兄社長とは2週間に6回電話をしたこともあり、ラインを通じて長期間に渡り大量のやり取りをしていた。それが今回証拠として押収された。内容の一部が番組内で報道された。ラインの画面がそのまま映し出された。 

 元義兄社長はベラルーシに起業進出したいと思っていたらしく、そのことも中西氏に依頼していた。ラインでは「現状では(ベラルーシに進出しても)日本企業のメリットは少ない。ベラルーシ進出はかなり厳しいのが実情。」「(ミンスクの企業の)社長秘書と話してもダメですね。」 「ベラルーシ(経済)は中国に飲み込まれるのは時間の問題。」などと元義兄社長に助言している。取り調べで日本と中国は経済上のライバルなので、一帯一路のような中国についての情報もベラルーシで集めていたことを認めています。)

 さらにベラルーシ当局は中西氏が在ベラルーシ大使館員と積極的にコンタクトを取っていた。同氏は尾行されており、例えばベラルーシ当局の記録によると、日本大使館が面している大通りにあるレストランで同氏が日本大使館員とよく食事をしていた。2021年9月7日の深夜ミンスク市内の公園で同氏が日本大使館員の男性と落ち合って木の影で何かしゃべっていた。(全部ベラルーシ当局にばれてますね。)
 2022年4月24日、ミンスク市内の書店の近くで同氏と日本大使館員が落ち合って何かしゃべっていた。
 この日本大使館員のフルネームは報道できないが、下の名前は「ヤスシ」である。(いや、これで誰のことなのかばれてしまいますよ。ベラルーシのテレビ番組で晒しています。が、ベラルーシ側はわざとそうしており、日本大使館を威嚇したように思えます。ベラルーシ当局からするとそれぐらいしても構わないだろうと思っていますね。つまり日本大使館があ諜報活動に加担している証拠が大量にあり、大きな自信があるということです。)

 同氏には集めた情報を日本へ渡す手段として二つの方法を使っていた。一つは予備(詳細はこの番組内では語られませんでした。)もう一つは日本大使館経由であるという証拠をを抑えている。(日本大使館が情報受け渡しに関与しているので、中西氏が日本政府の諜報機関のスパイであると言っていいというのがベラルーシ当局の見解です。)

 確かに中西氏は元義兄社長とラインで以下のような会話をしている。2021年9月6日。中西氏「明日は大使館関係者と飲みに行くのですが、基本は割り勘とすべきなのでしょうか。アドバイス頂ければと思います。どちらかと言えば私が誘った感じです。もっとも勤務時間外でもいいですよ、との声は大使館関係者からですが。」(←私は「日本大使館関係者が勤務時間内にお酒を飲みに行くの?」と思いましたが。)
元義兄社長「大使館員であれば割り勘で問題ないと思いますよ。ただ流れを見て出さなければいけない場合や向こうが出す場合は見抜くことも必要かと思いますよ。」
 (このようなやりとりが日本大使館員と接触があった証拠、ということですが、これだけで日本大使館員が諜報活動に加担していたどうかと言われると・・・。それより真夜中の公園で日本人の男二人が待ち合わせとかそちらのほうが怪しいですよね。とにかく中西氏も日本大使館員も完全にベラルーシ当局にはマークされていたんですね。中西氏は尾行されていたことに全く気がついていなかったのでしょうか。それだとスパイとして素人ですよね。そこのところを少々馬鹿にするためにこの特別番組が制作されたような気もします。)

 さらに2022年1月26日(ウクライナ侵攻およそ1ヶ月前)元義兄社長とはこのようなラインのやりとりも。社長「とにかく安全第一ですからね。ウクライナ近いので心配です。」中西氏「ありがとうございます。こちらの部隊は既に臨戦体勢にあります。先日も専用貨車に軍用車を搭載していました。写真なんて撮ったら即拘束でしょうね。」社長「写真はやばいですよー。」中西氏「全くですね。」

 このように写真撮影をしたらいけないことも自覚していた上で諜報活動をしていたということです。番組の最後のほうで、髪型からして拘束されてまもない頃の取り調べの様子の録画が放送されており、取り調べ官から「これ(写真撮影)が犯罪だと分かっているのか。」という質問に「はい。分かっています。犯罪行為をしました。」と中西氏は自ら認める発言をしています。

 日本の方から見れば「いや、これは罪を認めるよう言わされているのだ。」と思われるかもしれませんが、私が見たところ、中西氏には拷問を受けたような跡はなく(テレビ画面に映ってないだけかもしれませんが。)健康上の問題はないと面会した大使館員(これはヤスシさんではないでしょう。)が証言しており、そのように官房長官も記者会見で言っており、髪の毛は短く刈られ、手錠はかけられているものの非人道的な扱いは受けていないと思われました。
 
 ベラルーシ当局は同氏のバックに日本の公安と大使館がいるので、日本政府の特殊任務を受けてベラルーシに送り込まれてきたスパイだとしています。大使館は治外法権なので、大使館員のヤスシさんがベラルーシの警察に捕まることはありません。元義兄社長も日本に住んでいるから逮捕されません。ベラルーシ領内に入ったら、逮捕される恐れがありますが。
 中西氏は逮捕できるから逮捕されました。これから起訴され、有罪判決が出るのはまちがいないでしょう。
 しかし同情する気は全く起こりません。ベラルーシの法律を知っていた上で6年間もあえて撮影禁止地区で撮影禁止の施設の写真を撮っていたのですから、罰せられるのは当然です。
 同じ日本人として恥ずかしく思います。ベラルーシで犯罪行為をしていた日本人がいたことを申し訳なく思います。特にゴメリ大学の日本語の学生さんたちに申し訳ないです。日本語を教えてくれていた先生が逮捕されたと知って、どれほど驚き落胆したか・・・。このせいで日本を嫌いにならないでほしいです。日本語の勉強をやめる人が出てこないことを祈ります。

 日本大使館が諜報活動に加担していたと国営テレビで報道されて、日本外務省は何と言うでしょうか。本国大使館員が同氏の諜報活動に関与していたなどとは事実無根だとかベラルーシ当局が挙げた証拠は捏造だとか主張するのでしょうか。
 日本とベラルーシの関係が悪化しないことを祈るばかりです・・・。

・・・・・

 追記です。
 9月6日、官房長官は今日の閣議後会見で、ベラルーシの国営放送が、同国で拘束された日本人男性に関する特別番組を放映したことについて「極めて遺憾」だとし、放映後ベラルーシ外務省に抗議したことを明らかにしました。
 
 官房長官によると、この放送に先立ち番組の予告映像の中に男性の人権の保障の観点から問題ある内容が含まれていた(←これは手錠をはめられていた様子が映像の中に入っていたことだと思います。)ことを受け、在ベラルーシ日本大使館からベラルーシ外務省に対し、放映中止を強く申し入れていたそうです。
 もちろん、ベラルーシ側は日本政府側の声を耳など貸しません。逆に「情報の受け渡しに日本大使館(日本外務省)が加担していたのに、何を言うか。」と思っていたのではないですか。
 そして予定通り放映。中西氏が日本大使館経由で情報を渡していたのだから、日本政府がベラルーシへ送り込んだ特殊任務員だと内容です。こちらの大使や大使館員たちはどのような思いでこの放送を視聴したのでしょうか・・・。

 官房長官は「政府として邦人保護の観点からできる限りの支援を行っていく」と述べました。どれぐらいの支援ができるでしょうか? 
 以前ベラルーシで逮捕された日本人2人に対しても、大使館員が拘置所へ面会に行く、裁判のときの通訳や弁護士は必要か尋ねる、大使館員が裁判の傍聴をするということぐらいしかしていませんでした。と言うより、支援などできないんですよ。「いや、この日本人は悪くない、無罪だ、釈放せよ。」と日本政府がベラルーシ政府に言ったら、ベラルーシの法律を日本政府は尊重しないのか?と抗議されるだけなので、ほとんど何もできないんです。
 
・・・・・

 さらに追記です。この番組で本名や顔を晒された中西氏の元義兄社長さんですが、すでに日本のマスコミから取材を受けています。
 それによると・・・
 長野県に本社がある会社社長の男性は6日、「番組内容は事実無根だ。そういう機関とは会社としても個人としても付き合いはない」と語った。共同通信の電話取材に応じた。 番組は男性を中西さんの情報提供先と指摘したが、男性は取材に「完全なプロパガンダだと思っており、これからも全く関係ないと主張していく」と語り、日本政府とも相談する意向だとした。
 ・・・だそうです。ああ、お気の毒なことです・・・。

・・・・・
 また追記です。
 ベラルーシ外務省はスパイ活動容疑で日本人男性の身柄を拘束したことに関連し、山本広行駐ベラルーシ大使を呼んで抗議したと発表しました。
 5日に報道された特別番組について日本政府が放送中止を「執拗に」ベラルーシ政府に要求したとしています。そして放映後は、放送したことに対する抗議文を送ってきたそうです。
 これに対しベラルーシ外務省は、犯罪を隠すという日本側の要求は馬鹿馬鹿しいものであり「(日本政府が)無能のため」(ベラルーシ政府は)考慮しなかったと回答しました。
 ベラルーシ側は山本大使に「日本人によるスパイ活動で自国の安全が損なわれた」と批判しました。

 ベラルーシ外務省によると、事件の捜査は最終段階にあり、起訴も間近なようです。
 ベラルーシの法律によるとスパイ活動容疑に対しては3年から7年の懲役の判決が出されるそうです。
 拘置中の容疑者に日本大使館員が面会することなどは認めています。ベラルーシ外相は、この件に関してベラルーシ外務省は日本側との更なるコンタクトを拒否するものではない(全く話し合いたくないわけではない)と述べました。
 その一方でベラルーシの主権を侵害する外国諜報機関のいかなる行動も容認できないことを強調しました。(当然ですよね。)

 山本大使を呼びつけたのは、今回の番組放映に対して抗議したから抗議し返したというのが目的ですが、その日本大使館員の中に中西氏のスパイ活動に協力していた人がいたというのがベラルーシ側の主張なので、その点についても抗議されたと思います。
 テレビ番組でフルネームではないものの名前を名指しされた大使館員は、ベラルーシ政府からペルソナ・ノン・グラータを発動されてもおかしくない状況だと思いますので。


2024年9月5日。ウクライナ侵攻から927日目

2024-09-05 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2024年9月5日
 前日の4日に、ベラルーシの国営テレビが「日本の情報工作員が拘束された」と伝え、さらに今日詳細を報じる特別番組を放映する予定であり、その番組予告の映像を放映したことを受け、日本の官房長官も今日の記者会見で言及しました。

 報道によると分かっていることは、拘束されたのは日本人男性(50代)で、7月9日に身柄拘束されており、ゴメリ国立大学で日本語講師をしていた中西雅俊という氏名の人物だそうです。

 まずこのブログに書いておきたいことは、私はこの日本語の先生とは全く面識がなく、今回の報道で初めて存在を知ったということです。
 ですので、私に「中西さんはどんな人?」ときかれても答えようがありません。
 全く知らない人です。
 7月に身柄拘束されていたことも知りませんでした。

 中西氏については、東京の民間団体で約20年間勤務し、2018年にゴメリ州でベラルーシ人女性と結婚。(ということは少なくとも6年間はベラルーシに住んでいた日本人ということになりますが、私は会ったことはありません。私がミンスク在住なので、地方都市在住の日本人と会う機会はめったにないです。)

 ゴメリ国立大学は日本語教育を2020年から始めたそうですが、同大のサイトによると2021年時点で同氏は日本語講師として勤務していたことが分かっています。2020年の日本語学習スタート時点から教師をしていたのかどうかははっきりしません。
 在ベラルーシ日本大使館HPに、日本大使がゴメリ国立大学を公式訪問した際にも、同氏が大学側の教職員として出迎えており、担当していた日本語学生が大使との交流会に出席しています。
 今年7月9日に拘束されたためだと思いますが、同氏は現在すでに同大学を解雇されています。
 ウクライナとの国境で軍事インフラを撮影している際に捕まったとする報道もあります。 

 同氏もTさんもベラルーシで日本語の先生をしているから、面識があるはずだと思う方もいるかもしれませんが、ないです。
 理由ですが、ます同氏はゴメリ、私はミンスクで教えているので距離が離れています。
 次に同氏が教えていたのは大学という教育機関ですが、私が教えているのは公立の児童図書館です。立場も私は教師でも講師でもなく、図書館職員です。
 ベラルーシの日本語教師会は会員の減少により、数年前に解散したとも、休会中だとも言われています。この教師会にも私は加入したことがありません。私は教師ではなく図書館職員が半ばボランティアで無料で来館者に日本語を教えているというレベルです。私の元で日本語を4年間勉強したところで、卒業証書がもらえるわけでもありません。このような公式な修業証明書を図書館員が出せるわけではありません。教育施設ではなく、図書館ですから。
(だから卒業証書が出せない代わりに、学習者のみんなは日本語能力試験のレベル認定証をもらえるようにがんばりましょうというのが弊センターの方針なのです。)

 同氏はベラルーシ当局に国内法違反で拘束されたということですが、日本外務省からもウクライナ侵攻が始まって以来、ベラルーシ在住邦人と旅行者に対して、ウクライナとの国境から30キロ内の地帯に近づかないようにと勧告のメールが何度も送信されているのです。
 同氏も少なくとも2018年からベラルーシ在住で、2023年12月に日本大使と面会していることが大使館HPに記載されているのですから、在留届(ベラルーシでの連絡先)を絶対提出していたはずです。ということは私と同じように日本外務省・日本大使館からの注意喚起・勧告メールを受け取っていたということです。
 それなのにそれを無視して国境地帯に近づくなんて日本人なのに、どうしてこんなことをしたのでしょう・・・。

 ベラルーシ政府は同氏が日本政府の特別任務機関のスパイであるという見方を示していますが、とにかくベラルーシの夜10時から放映される特別番組を視聴してみます。
 この番組のタイトル、日本語に訳すと「東京のサムライの失敗」だそうです。本当に同氏は東京出身のようですね。少なくとも東京で20年間働いていたので、東京のサムライと表現されたようです。ちなみにベラルーシではこのような表現方法としてはサムライというのは日本人男性という意味に過ぎません。もし同氏が女性だったら「東京のゲイシャの失敗」という番組名になっていたのだろうと思います。この「失敗」という表現も
裏を返せば、「外国人のスパイ活動を阻止したベラルーシ当局は優秀」ということと同義であり、つまりベラルーシ国民への「ベラルーシ政府は頼りになる」というメッセージに繋がります。

 ベラルーシで逮捕され、起訴された日本人は今まで2人いますが、こんな特別番組まで制作された人はいませんでした。7月の拘束から2ヶ月の間にベラルーシ当局も同氏の違法行為の証拠を相当数抑えたはずです。動かぬ証拠があるので今後起訴され、有罪判決が出る可能性が非常に高いです。

 それと、ベラルーシ人にも言いたいですが、ベラルーシで日本語を教えている日本人はみんなスパイだと思わないでほしいです。
 純粋に日本語を熱心にベラルーシ人に教えている日本人の先生もいるのに、一つのイメージでまとめられたくないです。

 そして日本とベラルーシの関係がこの一人の日本人のせいで悪化してほしくないです。
 ベラルーシに住んでいる日本人として、同氏の行動について、腹が立つというかもうあきれていますし、ベラルーシ人に対して申し訳ない気持ちになり恥ずかしいです。同じ日本人だからと同氏を擁護する気持ちも私には全くありません。

 ゴメリ大学で日本語をまじめに勉強していた学生さんたちも新学年度が始まったら、先生が逮捕されて解雇されていたと知ってショックでしょうし、日本語教師が不足している今、レベルの高い日本語教育を大学で続けるのも難しくなってしまうのではないでしょうか。(ちなみにゴメリ大学で日本語を教えているのは同氏一人だけではなく、ベラルーシ人の先生もいるそうです。まだ良かったです・・・。)

 それでは今晩の特別番組を視聴しましたら、また改めて投稿します。

2024年8月17日。ウクライナ侵攻から908日目

2024-08-17 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2024年8月17日。

 ウクライナ軍によるロシア・クルスク州への越境攻撃が続いています。
 周辺地域のロシア軍部隊に弾薬や食料を渡すために使われていたクルスク州グルシュコボにあるセイム川にかかる橋がウクライナ側の攻撃によって破壊されました。

 ロシア側では住民ら18万人の大規模な避難が進められていますが、ウクライナの越境攻撃は想定外だったようで、食料などの物資が不足しています。戦争中なのに避難や疎開の支援物資など事前に準備していなかったということですね。あらゆることを想定しておかないとけないのに、すぐにウクライナが降参すると思っていたら、もう侵攻開始から900日を超えています。

 AP通信によると今日、ウクライナのスムイ州ではロシア軍のドローンやミサイルによる攻撃により、2人が負傷したほか、車や建物が被害を受けるなど国境沿いでの戦闘は激しさを増しています。

 ロシアの政府系の世論調査団体によりますと、当局の行動に不満を感じると答えた人は25%と、先月下旬より7ポイント増えました。

2024年8月16日。ウクライナ侵攻から907日目

2024-08-16 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2024年8月16日。
 
 今日からベラルーシで登録されているすべての乗用車のリトアニアへの入国が禁止されました。
 現在リトアニア領内にある乗用車は、2025年1月18日までにベラルーシから出国しなければいけません。これを守らなかった場合、罰金そして車が没収されます。
 所有者や運転者の国籍には関係がなく、乗用車のナンバープレートによります。
 1ヶ月前の7月18日からリトアニア当局はベラルーシのナンバープレートをつけた乗用車の入国制限を導入していました。
 今日までは、「販売目的ではない乗用車」で「ベラルーシ人が所有しており」「リトアニアでのビザ、一時的または永住許可を持っており」「自らがその乗用車を運転する」いるという条件に合えば、入国できましたが、もう全て入国禁止になりました。
 ただしこの禁止は外交官ナンバープレートを装着した車には適用されないので、万が一ベラルーシに戦火が広がることになったら、大使館職員はすぐに陸路で退避するのではないでしょうか。私は夫の車でリトアニアへ移動することはできません。ベラルーシに住んでいる日本人は少ないので、政府のチャーター機も飛ばないそうです。 


 CNNの報道によると、ロシア軍は少なくとも1000人で構成される旅団相当の部隊が複数、ロシア南西部のクルスク州に振り向けられたそうです。
 ロシア軍がどこにどれだけの兵力を割り当てるのかといった問題に直面しているようです。
 ロシアはクルスク州防衛に当たり、国内の他地域から動員した未熟な徴集兵を第一の戦力としているようです。


 ウクライナによる越境攻撃が長期化して首都モスクワで支援物資が集められています。しかし国の支援は官僚主義的で遅いのでボランティアが精力的に始めたようですが、本来ならこれは国が組織しないといけないことですよね。
 支援物資集めや募金は、ロシアの野党グループが呼び掛けたもので、モスクワやサンクトペテルブルグなど各都市で行われています。
 越境攻撃を受けている地域や住民らの避難先で、政府による支援物資が足りていないなか、市民らは国に頼らず助け合う方法を模索しています。
 この調子だとロシア大統領への批判が高まるでしょう。

2024年8月15日。ウクライナ侵攻から906日目

2024-08-15 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
2024年8月15日。

 ベラルーシ大統領は今日、ロシア国営テレビのインタビューで、
「交渉のテーブルに着いてこの戦いを終結させよう。ウクライナ、ロシア、ベラルーシのいずれの国民も戦いを必要としていない。必要としているのは彼ら(西側諸国)だ。戦争の継続を望んでいるのはアメリカの高官たちだけだ。西側諸国はウクライナとロシアがお互いを破壊し合うことを望んでいるためウクライナの戦闘を支援している。」との見方を示しました。
 ベラルーシの大統領が、ウクライナ、ロシア、ベラルーシのいずれの国民も戦いを必要としていない、と国民の目線で発言してくれたのは嬉しいです。兄弟国だと思っている一般人が多いと思うんですよ。ただ、ロシアの東の端に住んでいる人はそのように感じていないかもしれません。


 ロイター通信はリトアニア国防相の発言として、ロシアの飛び地カリーニングラードからロシアが自国軍をクルスク州に部隊を移動させていると伝えています。
 ロシアの独立系メディアは、本来は戦地に送られないとされる定期招集で兵役に就いている新兵らが、クルスクの防衛にあたれるよう国防省との契約を結ぶことを強いられていると報じました。
 ウクライナのゼレンスキー大統領は今日、ロシア西部クルスク州への越境攻撃で、同州の町スジャを完全制圧したと主張し、この町への軍司令部の設置を表明しました。もちろんロシア側は制圧を否定しています。


 ウクライナ軍のシルスキー総司令官は今日、クルスク州の約1150平方キロの地域と計82集落を制圧したと主張しています。一方でロシア国防省は、ウクライナ軍にいったん制圧されたクルスク州の集落クルペツを奪還したと発表しました。1箇所だけですか。ロシア軍はウクライナ東部では攻勢を続けています。ロシア国防省は今日、ウクライナ東部ドネツク州の集落イワニウカを制圧したと発表しました。この集落から約20キロに位置するポクロウシクの制圧を目指しています。


2024年8月14日。ウクライナ侵攻から905日目

2024-08-14 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2024年8月14日。

 ロシア西部のウクライナ国境沿いに位置するベルゴロド州が今日、非常事態宣言を出しました。
 ベルゴロド州知事はSNS「テレグラム」に投稿したビデオメッセージで「州内の情勢は引き続き極めて厳しく、緊迫している」と述べました。同州では12日から住民の避難が始まっています。
 同知事によると、地方当局は連邦当局に対し、全国的な非常事態宣言を要請している。
 ロシア全国で非常事態宣言を出してほしいと大統領に頼んでいるんですか? 例えばウラジオストクでも危険ということですか?
 同知事は、州内の2カ所にウクライナ軍のドローン攻撃があったと述べました。死傷者は出なかったものの住宅2棟が被害を受けたそうです。

 一方、ロシア国防省は今日、前夜から朝にかけ、防空システムで「飛行機型」のドローン117機などを迎撃したと発表。その一環として、クルスク州でドローン数十機と戦術ミサイル4発を撃墜したと述べました。

 クルスク、ベルゴロド両州と隣接するボロネジ州の知事は、ウクライナから飛来したドローン35機あまりを破壊したと発表しました。その落下した破片で建物や車両、市のインフラが損傷したそうです。ドローンを迎撃しても結局が被害が出てしまいます。

 ウクライナのゼレンスキー大統領は13日、クルスク州で74の集落を制圧し、「次の段階」に向けて準備を進めていると述べました。
 ウクライナ軍は今日、クルスク、ニジニーノブゴロド、ボロネジ各州の露空軍基地計4か所を狙った過去最大規模の無人機攻撃を行いました。燃料や弾薬を標的としています。これが「次の段階」なのでしょうか。
 ウクライナから見るとニージニーノブゴロドはモスクワの向こうに位置します。私はこれが一番驚きでした。

 ウクライナ大統領は大きな成果を上げるにはミサイルの使用が欠かせないと指摘し、パートナー国の「大胆な決断」を求めています。


 2022年9月下旬、ロシアとドイツを結ぶ天然ガスの海底パイプライン「ノルドストリーム」4本のうち3本が破壊された事件についてドイツ連邦検察庁は今日、ポーランド在住のウクライナ人男性に破壊行為などの容疑で逮捕状を出しました。
 容疑者はウクライナ人のダイビングインストラクター「ヴォロディーミル Z(Volodymyr Z)」で、氏名はすべて明らかにされていません。。事件当時、ヨットでバルト海を航行していた疑いがあり、押収したヨットから爆薬の痕跡などが見つかったそうです。
 容疑者は最近までワルシャワ近郊に潜伏していましたが、既に国外逃亡しており、身柄を確保することはできなかったということです。今どこの国に隠れているのでしょう。

 ドイツ政府は「今回の逮捕状の発出でウクライナとの関係が悪化することはない」としていますが、「ウクライナはノルドストリーム破壊の損害を補償すべきだ」と主張する連邦議会議員もいます。
 米国でも今日にウォール・ストリート・ジャーナルが「ウクライナのザルジニー総司令官(当時)がウクライナの実業家から30万ドル(約4500万円)の資金を得て実施した作戦だった。この作戦を察知した米国からの中止要請を受けてゼレンスキー氏は作戦中止に動いたが、間に合わなかった。」と報じています。

 実行役だった容疑者はこの中から報酬金を受け取ったということでしょうか。それにしては金額が少なすぎませんか?
 ウクライナ政府はこの報道を否定しています、名指しされたザルジニー氏(現・駐英大使)も「このような作戦は知らない」との回答です。当然ですね。


 ウクライナ軍が越境攻撃してロシアの天然ガス輸出拠点を制圧したため、欧州の天然ガス価格は年初来高値となりました。
 また物価が上がります。今はまだ夏ですが、冬場の暖房はどうなるのでしょう。

 ウクライナとロシアは今月、カタールで部分的な停戦について交渉する予定だったそうですが、越境攻撃のせいで中止になりました。ロシア側は「ウクライナ軍が自国領内から徹底させない限り和平交渉には一切応じない。」としています。でもそれがウクライナの狙いだったのではと思います。こちらに不利な条件で停戦交渉に臨む前に、今のタイミングでの越境攻撃ですよ。
 ウクライナ大統領は「越境攻撃の目的は緩衝地帯の設置だ」としていますが、本音とは思えません。

2024年8月12日。ウクライナ侵攻から903日目

2024-08-12 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2024年8月12日。

 ベラルーシの選手は中立の立場でパリ五輪に参加しましたが、その数は合計 17 人。
 その結果、ベラルーシはパリオリンピックで4つのメダルを獲得しました。
 ベラルーシのトランポリン選手イワン・リトビノビッチとヴィオレッタ・ボルディロフスカヤが金と銀、ボート競技のエフゲニー・ゾロトイが銀メダル、重量挙げ選手のエフゲニー・ティホンツォフは銅メダルを獲得しました。もたらしました。

 トランポリンのリトビノビッチ選手は東京五輪に続いての2個目の金メダルです。すごいですよね。
 しかし、東京五輪の時は純粋によかったと思えるものの、今回は中立選手としての立場を証明しなくてはいけないとか、大変だったろうなと思います。ウクライナに攻め込んだロシアと違って、ベラルーシでは中立の立場イコール、プーチン大統領を支持していないから、選手を責めるということもありません。ロシア選手よりまだ精神的ストレスが少なかったと思います。それがメダルの数にも反映しているように思えます。


 今日、ロシア大統領は軍や自治体関係者との会合を開きました。
 ウクライナ軍の進軍状況について話そうとするクルスク州知事代行の発言をロシア大統領が遮ったりするシーンがありました。
「数字は軍が報告するでしょう。あなたは支援についてだけ話してください。」
 テレビカメラの前でしゃべられたくないことがあるのでしょう。
 12日の時点でクルスク州の避難区域に指定された地域には18万人が住んでいて、そのうち12万1000人がすでに避難。
 現在ウクライナ軍の支配下にある28の集落の住民2,000人の安否が不明であると明らかにしました。

2024年8月11日。ウクライナ侵攻から902日目

2024-08-11 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2024年8月11日。

 ウクライナ大統領は今日、ロシアが占拠するウクライナ南部のザポリージャ原子力発電所でロシア軍が火災を発生させたとSNSに投稿しました。
 同大統領はザポリージャ原発の敷地内にあるタワーから大きな煙が上がる映像をテレグラムに掲載。放射線の数値は正常だとした上で、ロシアが「ウクライナと全欧州および世界を脅すために」原発を利用していると非難しました。
 近く(隣国ですが)に住んでいる人間としては、こういうニュースが一番心臓に悪いです。
 
「我々は世界の反応を待っている。我々はIAEA(国際原子力機関)の反応を待っている」とウクライナ大統領は述べ、「ロシアはこの責任を負わなければならない」と強調しました。

 原発の対岸に位置するニコポリのウクライナ当局者は、ロシア軍が冷却塔で大量のタイヤに放火したという非公式情報があると指摘。「挑発あるいはパニックを引き起こそうとする試み」と位置付けた。原発については「占領された状況下で可能な限り正常に稼働している」とした。
 ああ、よかった。(でもこういった情報のどこまでが本当なのか・・・。)

 一方のロシアは、ウクライナが原発の敷地内で火災を発生させたとして非難しています。
 いつものことですが、このようにお互いが相反する情報を流すので、ニュースを見ているとときどき頭がこんがらがってくる錯覚を覚えます。
 
 ザポリージャを占領するロシア側の当局者は、「ウクライナ軍がエネルホダルの街を砲撃した結果」として火災が発生したと述べ、その上で原発やエネルホダルが放射線によって脅かされる状況ではないとも述べています。
ロシア側の別の当局者は、ウクライナがドローン(無人機)で原発を攻撃したと述べている。
 ロシア外務省の報道官は、ウクライナが「核テロ」を行ったとして非難、IAEAに対応を促しています。IAEAも大変ですね。
 IAEAは今日、「夕刻に複数の爆発音が聞こえ、原発の北部から黒煙が上がるのを専門家が目撃した。同原発からは、冷却塔の一つがドローン攻撃を受けたとの報告があった。原子力の安全性に関する影響は報告されていない」とする声明をXに投稿しました。


 ロシアは、パリ五輪に国としての参加が認められず、個人の中立選手(AIN)として出場しましたが、獲得メダルは1個だけで、ロシア・オリンピック委員会(ROC)として出場した前回東京五輪の71個から激減しました。存在感がほとんどゼロです。

 テニス女子ダブルスのミラ・アンドレエワとディアナ・シナイジェルは唯一のメダルとなった銀メダルを獲得しました。記者会見では、侵攻を正当化したり支持したりする交流サイト(SNS)の投稿に「いいね」をつけていた点を問われました。メダルを取ってよろこんでいるときに記者会見でこんなことをきかれるんですね。
 シナイジェルは「政治的な質問には答えられない。今日の試合について聞いてください」と答えました。

 今回のパリ大会には、ロシア人が個人の中立選手(AIN)として15人が参加しましたが、AINに認められるにはウクライナ侵攻を積極的に支持しないことが条件なので、プーチン政権の意向に従わなかったことになります。国内では参加者に対して批判の声が出たそうです。同じ国の人からも責められるんですね。国内でも批判され、オリンピック記者会見ではスポーツと関係ない質問が出るんですね。

2024年8月10日。ウクライナ侵攻から901日目

2024-08-10 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2024年8月10日。

 9日にウクライナからベラルーシ領内に侵入したドローン数機を撃墜したと発表したベラルーシ国防相は今日、ウクライナ国境の部隊を強化したと発表しました。ついこの間、大統領が国境地帯の緊張は解消されたからと国境地帯に配置していた軍を移動させていましたが、もう緊張状態に逆戻りです。

 ベラルーシ大統領は今日の記者会見で、ウクライナから飛来したのは攻撃型ドローンだったとの見方を示し、この「挑発」に対して安全保障の対抗措置を取るよう軍参謀本部に指示したことを明らかにしました。
 またウクライナ軍が最近、ロシア西部クルスク州に仕掛けた越境攻撃に言及し、ウクライナ側には和平の用意がなく、引き続き緊張を激化させていることが分かると主張しています。

 国防相も会見で、ウクライナとクルスク州をめぐる情勢を受け、大統領がウクライナの挑発に対抗するため、国境に近い南東部ホメリとモジルの部隊編成を強化するよう指示したと説明しました。特殊部隊、地上部隊、自走多連装ロケットシステム「ポロネズ」や核弾頭の搭載が可能な弾道ミサイル「イスカンデル」を含むロケット部隊などが現地に向かい、防空システムや航空部隊が強化されていると述べました。

 またベラルーシ外務省は今日、ウクライナの代理公使を呼び出し、強く抗議したと発表。挑発が繰り返された場合、ベラルーシ側は領土保全のために報復措置を取り、首都ミンスクのウクライナ公館についても存続の必要性を問い直す可能性があると伝えたことを明らかにしました。
 相当に厳しい表現です。怒りすぎかなとも思います。いやわざと強く言っているようです。これもベラルーシ側の作戦ですね。

 さらに、ウクライナが事態を緊迫化させたことは「犯罪行為」であり、紛争拡大を図る危険な試みだと非難。近隣の欧州諸国に向けて、紛争が拡大すれば「EU諸国を含む地域全体に炎が広がり、だれも勝者にはならないだろう」との警告を発しました。
 ベラルーシはEUから攻撃を受けることを最も避けたいと考えていますから、この発言は当然です。
 ドローンを飛ばしてくるなど、ウクライナはいらないことをベラルーシにしてくれるなと思っていますよ。


 ウクライナ大統領は今日の声明で、「戦線を侵略者の領内に押し込んでいる」と強調しました。露領への越境攻撃を事実上認めたということです。「ウクライナが侵略者に圧力をかけられることを証明している」とも述べました。


 露当局は今日、クルスク州の国境地帯から7万6000人超が避難したと発表。国境から約20キロの州内の村で敵を阻止したとしています。一方、露軍がハリコフ州北部などから部隊を増援したとの情報もあります。
 今度はロシア人の避難民です。国が広いので、国境から離れたところへ避難すればいいのですが、ロシアの一般市民がどんどん巻き込まれています。

2024年8月8日。ウクライナ侵攻から868日目

2024-08-08 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2024年8月8日。

 ウクライナのロシア越境攻撃から2日経過し、国境沿いのクルスク州の住民が怒りの動画をSNSに投稿しました。
 ロシア大統領を名指しで
「情報を担当する指導者たちに真実を示すよう、本当の行動を示すよう伝えてください。なぜならこれは嘘だからです。嘘です。嘘なのです。」
と訴えています。
 一般人が大統領にビデオメッセージを作ったということです。21世紀の戦争ですね。
 彼らは家を失い銃撃の中を逃げ、「状況は安定している」という国防省の公式声明は真っ赤な嘘であると主張しています。地方自治体はほとんど機能しておらず、国境地域からの避難誘導も行われていないそうです。
 自力で避難してきたということですが、それをはっきりと発言しています。
 当局から弾圧される危険があるのに。「当局の発表は、嘘だ、嘘だ、嘘だ」と何十人もが顔を隠さずに声を上げる動画を見て、衝撃を受けました。大統領に向かって一般市民がこのように訴えているということは、命の危険が非常に高かったということでしょう。
 黙ったまま死ぬことと、言論統制の圧力をかけられ罰されることを考えると、命の方が大事なのですから、言いたいことを言ってしまえという心理状態になっているのではないでしょうか。

 そして今日、ロシア大統領は地元知事と会合をしました。今回の越境攻撃について、「戦争」や「侵攻」といった言葉を使わず、「挑発行為」だと呼び続けています。
 ロシア大統領が発言したのは避難者への補償ですが、提示したのはわずか1万ルーブル(約1万6000円)です。
 クルスク州から列車に乗って安全なところへ移動する片道切符ぐらいは買えるでしょうが、その後どうやって生きていけばいいのでしょう?
 ボランティアが支援物資をモスクワなど大都市で善意の市民から募っているそうですが、こういうこと、政府が手配するのが当たり前でしょう? 国(大統領)は無責任だ、と人心が離れていくきっかけになるかもしれません。


2024年8月6日。ウクライナ侵攻から897日目

2024-08-06 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
  2024年8月6日。
 広島原爆慰霊式典に今年もロシアとベラルーシの大使は招待されませんでした。
 再び核の脅威が高まっている現在の状況。原爆の犠牲者の魂に見せられません。
 
 今日未明に始まったクルスク州スジャ方面などへのウクライナ軍の越境攻撃。ロシア国防省軍事政治総局副局長が国境から少なくとも10キロまで侵入されたと認めました。ウクライナ軍は最大で20集落を制圧したそうです。
 ウクライナ軍がロシアの中に入って攻撃を開始しました。これから戦局が変化していきそうです。

 

2024年8月5日。ウクライナ侵攻から896日目

2024-08-05 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2024年8月5日。

 2021年の東京五輪期間中に日本でベラルーシからの亡命を求め、パリ五輪には陸上女子200メートルにポーランド代表として出場したクリスツィナ・ツィマノウスカヤが登場しました。
 ツィマノウスカヤ選手はベラルーシ代表として出場した東京五輪では自らの意に反して専門外の1600メートルリレーのメンバーに入れられたとし、コーチ陣を批判。これをインターネット上に流したのがよくなかったようです。ちなみいん政治的な発言をしたわけではありません。彼女は200メートル走の選手で、リレーの練習なんてしていなかったのです。
 コーチ陣は代表チームからの離脱、帰国を強制。同選手は成田空港で飛行機への搭乗を拒否した後、空港職員んい助けを求め、spの後ポーランド大使館で保護されました。そしてポーランドへ亡命しました。

 2023年8月には世界陸連が3年間の待機期間を免除して国籍変更を認め、ツィマノウスカヤ選手はポーランド代表として大会出場が可能になりました。
 片やベラルーシチームは、五輪出場を実質拒否されたので、もし、ポーランドに亡命していなかったら、ベラルーシ人選手としてパリ五輪に出られなかったでしょう。
 それがポーランド選手としてパリに行けたのですから運がいいです。

 しかし、念願の200メートル走は記録が伸びす、今日敗者復活戦に出場しましたが、23秒01というタイムで準決勝進出を逃した。試合後のインタビューで
「(昨年は)何度も体調を崩した。医師はストレスが原因だと言っている。自分が22秒50で走れることは分かっている。でも今年は無理。自分の国、自分の家に帰れないので幸せではない。この3年間は、特に精神的につらかった。両親は今もベラルーシを離れることができておらず、両親に会いたくなることもある。両親は自分を支えてくれる存在。五輪前の重要な時期にはなおさら。でも、私の置かれている状況で会うのは不可能。」
と話しました。
 メダルを取ったら、ポーランドの獲得数としてカウントされますから、亡命を受け入れてくれたポーランドに恩返しもしたいと考えていたでしょう。
 ベラルーシ側は、同選手がメダルを取ったら、悔しがっていたでしょうか。メダルを取れなかったことに安心したでしょうか。分かりません。自国の選手がほとんど五輪出場できず、もう亡命した選手のことなどどうでもよくなっているでしょうか。