昨日あっという間に読んだ本を、紹介します。図書館で借りた歴史ものですが、日本古来の神話が絡むお話です。
周防 柳(著) ハルキ文庫 時代小説文庫から出版されています。
簡単に蘇我入鹿の忘れ形見の美しい盲目の娘コダマを主人公にしたお話です。日本の成り立ちを編纂する一族に引き取られることになった幼子は、目が不自由であるが、自然の音や物語を瞬時に聞き分け、記憶する能力にすぐれ、血なまぐさい乙巳の変からの政争とは無関係に過ごして美しく利発に成長していきます。
しかしながら、蘇我入鹿の娘であることを知る為政者がコダマを殺害しようといろいろ画策するようになります。からくも難を逃れ、幸せな生活を送り始めますが、天智天皇の跡継ぎ争いに家族が巻き込まれる悲劇に見舞われます。そんな悲劇を乗り越え、優れた聴力から記憶した神話のお話や日本の古来の成り立ちを古事記をしてまとめる力強い女性の生き方が描かれています。 日本の神話のお話が古来の政争と似た出来事であることに驚いたとともに、神話のお話が章ごとに紹介されるので、神話の面白さにも触れることができ、古事記を読んでみたくなりました。
古来の歴史が好きな人におすすめです。
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