ねこのみなさんごきげんよう。
ぼくのおたくのまわりには、じゆうねこさんが
おおくいらっしゃいます。
このところおさんぽのとき、おたくのまえにあるくさむらから
こねこさんのけはいをかんじますので、おさんぽのたびに、
ねこさんにあたえらししんぴのちから:にゃん通力をもちいて
せっしょくをはかっていたのです。
そうしましたら、ほんじつ、こねこさんのおかあにゃんが
ぼくのところにやってきまして、はなしあいのよちもなく
フーシャーどころかあまつさえ、まあおまでもおみまいされ
てしまいました。
(ヒトのことばにやくしますと、
フー:どこのモンジャ
シャー:なんかようでもあるんけ
まあお:いいどきょうしとるやないけ
このさきは
まああお:やるんけ
まあああお:やるんけ!やるんけ!
まああああお:やるんやな?
まあああああお:やるんやな!やるんやな!
ここまできますと、このつぎは、おつめによるうちあいとなり
ちがながれ、おけなみにあながあくまでやまないたたかいとなります。
ですので、ここに至るまえに、どちらかれいせいなほうが、
しらんぷりをしなければなりません。)
ぼくは、ねこさんのうちではおおきいほうで、犬でいうなら
チワワとかトイプードルとか、そういったのよりまったく
おおきいねこさんですし、たたかえばかてるくらいのちからもちです。
そんなぼくにむかって、フーシャーまあおをはつどう
させるとは、おかあにゃんとは、ほんとうにこわいものなしですね。
と、こんなことがありましたので、ふっと
あのこのことをおもいだしたのです。
きょうは、あのこのことを、おはなししましょう。
あのこ、とは、ぼくがぼくの兄と、ぼくのしもべ、兄のしもべで
くらしていたころ、ぼくがそだて、あらたなしもべのもとへ
おくりだしたこねこさんのことです。
あれは、蝉がここぞとばかりになきつづける、そんなころでした。
ちかくでこねこさんたちがうまれたことを、
ぼくとぼくの兄はしっていました。
しばらくは、おかあにゃんとそのこねこたちでしずかに
くらしていましたが、こねこさんたちがあるけるようになったころ
いちにちじゅうおおきなかぜがふき、つよいあめがふるひがありました。
かぜがおさまり、あめがやむと、こねこさんがひっしに
おかあにゃんをさがすこえがきこえました。
このかぜとあめのため、おかあにゃんとはぐれてしまった
こねこさんがいたようです。
ぼくは、ねこさんにあたえられししんぴのちから:にゃん通力をつかい、
そのこねこさんとせっしょくをはかりました。
こねこさんのうちは、にゃん通力がはったつしていないばあいもあり
そのつかいかたもおぼつかないものですが、さいわいこのこねこさんは
ぼくのにゃん通力をじゅしんできるていどのちからはあったのです。
それで、ぼくのしもべのみみに、
こえがとどくところまでくるように
こねこさんをゆうどうし、
しもべにむかえにゆかせました。
ところが、ぼくとどうようゆうねこさんのもとに
うまれたこねこさんでしたから、
むかえにいったぼくのしもべのことがただのニンゲンに
みえたのでしょう、たいそうこわかったようで、
しもべがちかづくと、ピタリとなきやんでしまうのです。
しもべはこねこさんをみつけられず、
こねこさんのなきごえではなかったのかな?
などととぼけたことをかんがえて、かえろうとします。
そうすると、こねこさんは、またひっしでさけびます。
あ、やっぱりどこかにいる、
としもべがちかづきますとこねこさんはなきやむ。
とこんなことをだいぶながいことくりかえし、
もうとっぷりよがふけたころ、ようやくこねこさんは
しもべのまえにすがたをあらわしました。
あとでこねこさんがおしえてくれましたが、
これは、ごじぶんをみつけたニンゲンに
かならずごじぶんをたいせつにしてもらえるやりかたで、
このこのおかあにゃんが、このこだけにおしえた
そんなとくべつなやりかたなのだそうです。
このこ、のなまえは、わたさんです。
ぼくは、わたさんがはじめておあいするみけねこさんでした。
みけねこさんのあばれんぼうぶりは、うわさできいていましたが、
ほんとうに、あばれんぼうでした。
ぼくのしっているどんな蛙よりもたかく、たくさんとび、
ぼくのしっているどんな蛇よりもすばやく地をはいまわり
ぼくのしっているどんな蝉よりもながくあみどにひっつき
カーテンにのぼり、おりれなくなってはあばれ、
わたさんのためのおうちおかえりいただけば、
おうちのなかのすべてをひっくりかえし、
おそとにでればぼくにたいあたりし、
はねかえったさきで兄にねこさんキックをし
まいりましたとにげる兄のしっぽにおつめでおそいかかり、
兄はハゲ、ぼくはごはんをとられ、しもべはふとんをとられました。
このことが、わたさんがきてから、三日のうちにおこりました。
いちばんにまいってしまったのは、ぼくのあにでした。
もともと、ぼくという弟がいましたから、
兄はこねこさんのめんどうもみることになるだろうと
おもったのですが、兄はやさしいところがありますから、
しっぽっぽにひがついたようにあばれまわるわたさんのことを、
とめることはできなかったのです。
そこへきてぼくは、やさしさにはむとんちゃくなほうですので
むりやりおなかのしたにわたさんをしいてだまらせたり
おててでおつむでもおなかでもおさえつけてじっとさせたり
かみついてきたら、かみつきかえしましたし
たかいところにいて、のぼってこれないわたさんをみくだしもしました。
もちろん、フーもシャーもおみまいしました。
でも、ねているときは、ほんとうにかわいいのです。
そしてなにより、とてもあたたかくてぼくにはぴったりだったのです。
それで、しもべのそだてかたやあつかいかたについては
おもにぼくがおしえてあげました。
きにいらないごはんやおねどこをあてがわれたとき
どうたいおうするのがよいか、
おトイレがきたないとき、いいかげんファブリック類を
あらってほしいときはどうしたらいいか
とにかくたくさんのことをおしえてあげました。
そのうち、わたさんにもにゃん通力がつかいこなせるようになって
わたさんに兄のこえがとどくようになり、
しだいに兄ともうちとけていきました。
おたくに、ぼくたちだけしかいないときは、
ねこさんだけのたしなみなども、3にゃんでたのしむことさえ
できるようになったのです。
ずっとぼくたちといっしょにいることもできたのですが、
わたさんにはゆめがありました。
それは、ごじぶんせんようのジャングルジムをもつことです。
ジャングルジムとは、棒のあつまりで、
のぼったりおりたりぶらさがったりできるものだそうです。
わたさんがうまれたところにあって、
ちいさなサイズのニンゲンたちが、たのしそうにのぼったり
おりたりぶらさがったりしいたというのです。
ぼくと兄にはどういうものかわかりませんでしたが、
わたさんとジャングルジムが、ぴったりにちがいないことは
すぐにわかりました。
それなら例のネットワークにおねがいするのが
いいでしょうということになりまして、
にゃん通力でもってネットワークにせっしょくしましたら
すぐにしもべこうほがごあいさつにやってきました。
ぼくはこのしもべこうが、かるがるしくわたさんに
さわるのがきにいりませんでしたので、
いつもならぼくはみしらぬニンゲンのまえに
すがたをあらわしたりしないものですけれど、
ごじぶんからでていって、ぶれいもの、といってやりました。
つぎにしもべこうほがきたときには、
すっかりしもべとなっていて、おたくには
ジャングルジムもよういした、といっていました。
わたさんとは、これっきりあっていませんが、
たまーににゃん通力でおたがいのけはいを
おくりあっていますよ。
わたさんにはやっぱり、ジャングルジムがおにあいでした。
またこねこさんとくらしてみたいものです。
このおしゃしんからも、どんなにあばれんぼうだったか
おわかりいただけるでしょう。
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