こんにちは。
今回は、観光タクシーで回ったのですが、その中で、化野の山に近くなればなるほど、皆が顔をしかめても、ひたすら、屍体の風葬鳥葬の話ばかりを振ることがありました。
京都では、特に重い夢を見なかったのですが、今朝は、やっぱり出ました。
集団の中にいるのに、ひときわ響く低音の声。
あーあ、そうだよ。これは、幽霊の常套テクニック。
なので、相手を探そうとしても、誰一人見当たらない。
でも、声だけ響く。
聞いていると、「化野に眠る霊の安寧を妨げる」ような話のまま、声だけが響いていきます。
ところが、途中で、わたしがそれを遮って話した時、目の前には男の人だけになり、対峙できるようになりました。
「化野の眠る方々にアクセスしたつもりもないし、心霊幽霊だと騒いだ覚えもない。」
「世の常は、いつも我々を、静かに忍んでくれない。」
「わたしは、あなたよりすごく後に生まれた人間で、あなた方のお弔いの方法に非常に興味があった。あなたも、異文化を持つ豪族にそう感じることはないか。」
「そうだな。あったな。」
「我々はもう、静かに自然に還るどころか、焼いてもらった骨が、いつまでも土に還らないお弔いをしている。あなた方は、風葬なり、鳥葬なり、自由に自然に還って、生き返ったつもりで死ねた文化なのだと思う。」
「しかし、亡くなる時は無念であったのだ。」
「うーん。亡くなる時に、万事バッチリと言う人は少なくともいないと思うよ。パンツがオムツだったり、死にたい時に死ねないから、理不尽なんでしょう。上手に死ねる人は、本当に少ないか、既に覚悟を決めた人ばかり。その中にも、無念はあるんだよ。」
「静かに眠りたいと、あなたは思わないか。」
「そうだなぁ。静かに眠らせてくれりゃ最高だけれど、後の人が考えることは、あなたの時代が風葬だったけれど、今の時代が火葬なだけに、見当がつかないだろうね。」
「それでは、我々はどうしたらいいのだ。」
「静かに京都を感じて過ごすことは、諦めるんだね。あなた方の他の豪族への思いや、野蛮だと思ったこと、様々な形で、因果応報なんだよ。それを止める手段はない。」
「しかし。」
「でも、あなた方が祟るのは、一応観光対策にはなるよ。1億総活躍の時代らしいから、眠ってた幽霊まで働かされて、京都の街の繁栄に貢献しないと。」
「繁栄?亡くなったわたしに何ができるのか?」
「京都って、その昔の文化を愛おしむ観光地だから、せいぜいおどかしておやりなさい。あなた方の眠る地は風光明媚な樹木の手入れを手にすることも、様々な思わぬ恩恵もあるだろう。」
「死して、尚、無念を晴らせるのか。」
「まぁ、相手を恐怖のどん底に叩きのめすと、誰も来ない寂れた場所になっちゃうからね。程々で、こんにちは。ごきげんようで、結構だよ。その反応の良さ、ノリの良さで、いっちょ上がりだ。そこまで、あなたには、眠らせない人を恨むつもりもなさそうだもん。」
「しかし、時に、不埒な輩が・・・。」
「うちも観光地に立っちゃってるから、不埒な輩の深夜の大騒ぎに悩むけれどね。そんなの、多少見過ごさないと、あしらい悪いよ。程々にしないと、寂しくなっちゃうよ。」
「ふうむ。そうか。ちょっと考えてみよう。」
「生きてる時に、受けた暴力の仇は取れないよ。」
「それは、わかっている。わたしの刻は、様々な鬼がいて、志半ばの無念が多いのだ。」
「鬼って言っても、病気だし災害だし、未だ、打つ手がない時もあるしね。」
「ありがたい。心が鎮まった。」
「いや、話せてよかったよ。ありがとうございます。」
そんな夢でした。
あー脅されるとか、グロとか見なくて済んで良かったです。
化野。
幽霊たちも観光業に立ち上がるようです。我々もマナーわきまえていけば、程々の怖さを堪能できます。でも、本来は、昔の文化を愛おしむ場所です。
いかがっすか?
朋
>肩をとんとんされて振り向くと誰もいないとかより、あからさまに声が聞こえるとか写真に写るとかすると喜ばれそうですね。
「幽霊の常套テクニック」という単語にウケました。「幽霊の掟☆マニュアル」とかあるのでしょうか。
幽霊の世界も新しくなって、新人幽霊には「幽霊研修」とかあったら面白いですね。
化野ではそのうち「幽霊における観光客へのおもてなし」で人気になるかも知れませんね(幽霊が穏やかでいられる位の穏やかさで)
チーリンさまより
いや、これは嗜好の差だと思う。(笑)
トントンされて、目が充血して鼻息荒い奴がいる方が怖い。苦笑。
声だけ聞こえるのも意外とホラーですよ。相手の表情が見えないとは大変だと思うことがあります。
写真も、撮ったら、凄く不健康そうで、ヤバめだと困りますが、逆に、退廃的だと美学に通じます。
もう、その範囲で、退廃的の意味を履き違えないような、デカダンな感じで、沢山の方を熱狂させるような感じでお願いしたいです。履き違えて、出会い頭に、心中を持ちかけてしまうのも、どうかと。
やたら、人妻と心中して歩く太宰治が、浮かんでしまいました。
でも、彼も人気があるんですよね。
うーん。わたしは、幽霊になるより、祟り神になる!by厨二病。(笑)
いつもありがとう。
「幽霊の常套テクニック」という単語にウケました。「幽霊の掟☆マニュアル」とかあるのでしょうか。
幽霊の世界も新しくなって、新人幽霊には「幽霊研修」とかあったら面白いですね。
化野ではそのうち「幽霊における観光客へのおもてなし」で人気になるかも知れませんね(幽霊が穏やかでいられる位の穏やかさで)