お恥ずかしいことですが、このブログを始めるまでといいますか、高蔵寺ニュータウンで40年も暮らしているのですが、映画「人生フルーツ」のことは全く知りませんでした。
建築家・津端修一さんとその奥様英子さんを題材にしたドキュメンタリー映画です。
津端修一さんは高蔵寺ニュータウン設計に携わった方で、当初、自然との共生を目指した計画だったようですが、できあがったニュータウンはコンクリートタウンになってしまいました。ご本人の描いた姿とは違っていたようです。
そこでニュータウンで土地を購入し、自然を取り戻すために雑木林を育て始め、庭に野菜を育てながらふたりで自給自足の生活をはじめたとのことです。
映画のところどころで、ナレーションの樹木希林さんが、語りかけます。
風が吹けば、枯れ葉が落ちる。
枯れ葉が落ちれば、土が肥える。
土が肥えれば、果実が実る。
こつこつ、ゆっくり。
人生、フルーツ。
「高蔵寺ニュータウン夫婦物語」(津端修一、津端英子著 1997年発行)という本も出されています。
私も定年後、妻が相続した東谷山の裾野の土地(800坪)で、二人で10年ほど野菜作りをしました。名古屋の下町で育った私には、すべてのことが初体験であり、土を耕すことの大切さを知りました。早朝に収穫したばかりのキュウリの美味しさはなんとも言えません。汗にまみれながら陽が落ちようとするころ、夜鷹が間近まで飛んできてくれます。
丘陵地ですので、草刈りは斜めになりそうな体のバランスを取りながらの作業で大変でした。
恐らく、このニュータウンも開発される前は、こんな雰囲気だったんでしょう。