私は根っからのドラゴンズファン。
最近体調が思わしくなく、病院での検査通いが続いている。
テレビで、ドラゴンズの選手たちが塁上を駆け回る姿を見ていると、体調の事なんぞ、忘れさせてくれる。
根尾選手の投手と野手の二刀流の起用法に立浪監督への雑音が聞こえてくる。
「二頭を追う者は一頭も得ず」という言葉を持ち出し、まずはバッティングをしっかりという意見が大半である。
私の勤めていた会社の会長は、戦後裸一貫で自動車部品の工場を立ち上げた。
常に社員には「常識にとらわれるな。オンリーワンのものを作れ」と檄を飛ばしていた。
社員を育成し、苦難を乗り越え、晩年には黄綬褒章を天皇陛下から頂いた。
食堂に社員が集まり、勲章を見せて頂いた。
「授賞式の時、隣に八千草薫さんが座っていたんだよ」と言いながら、はしゃいでおられたお顔が今でもわすれられない。
発想が独走的で先を見越すことについては、中部の財界でも一目を置かれていた。
インターネットで通販の利用者が出始めた頃、「デパートは今までのような売り方をしていたら、潰れる」と予見。トヨタの当時の会長の奥田氏にも歯に衣を着せぬ言い方で、「おまえのところが海外で工場をつくったら、国民は霞を食うことになるぞ」と産業の空洞化を指摘されていた。
40年ほど前、イギリスの工作機メーカーが手がけて中途半端になって捨てられていたマシンが有った。会長がそれを拾い上げ10年ほどかけて、最新の制御技術を搭載し完成させた。ところが、「こんなだれも見たこともない実績の無い機械は売れない」と獄評を食らったのだ。
すると、会長は「この機械は世の中に一台しかないオンリーワンの機械だ。どうやって使うかは、お客が考えればいいのだ」と一喝。
「実績などあろうはずもない2000万円以上する機械に、実績ばかりを気にする会社は相手にしなくても良い。この機械で、何が出来るか、探究心があり挑戦的な会社だけを相手にすれば良い。」という会長からのお達しが出て以来、既に25年以上経ったが、なぜか内外を問わず売れ続けている。
購入した会社からは、感謝状まで届けられた。
さて、話を戻す。
本格的に野手と投手の二刀流を成し遂げた人物はいない。だからといって、頭から否定して良いものか。ひょっとして根尾選手の能力は、今までの日本プロ野球の常識では考えられない能力があるのではと思うときがある。
ドラゴンズの二軍では、個々の選手の能力を見いだす努力がなされているようだ。
ピッチャーとして入ったんだから、ピッチャーとして育てればいいというのが、今までの野球界のセオリー。
そのセオリーを打ち破ろうとしているのが、今の立浪ドラゴンズ。
こうしてみると、ショートを守る根尾選手のワンポイントリリーフの姿が見られる日も遠くはない。
頑張れ 立浪ドラゴンズ!
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