時には、旅の日常

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2015 バスク・バルセロナ紀行-27~ビスカヤ橋<1>

2016-07-11 20:47:54 | スペイン
 ビルバオから約20分、ポルトゥガレテで近郊電車を降りてネルビオン川沿いを河口の方向へ向けて歩くとすぐ、行く手にビスカヤ橋の印象的な姿が目に入ってきます。

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 大型船の通行を可能にするために、高所から吊り下げられたゴンドラに人や車を載せて川を渡らせる形式を世界で初めて採用し、世界遺産にも登録されている、ビスカヤ橋です。
 鉄骨で組まれたスリムで美しい姿と、対岸との間を行き来するゴンドラを、しばらくの間眺めていました。

 <ビスカヤ橋>(バスク語:Bizkaiko Zubia スペイン語:Puente de Vizcaya)


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 スペイン国鉄(RENFE)のビルバオ近郊路線ネットワークである、セルカニアス・ビルバオ(バスク語:Bilboko Aldiriak スペイン語:Cercanías Bilbao)のC-1線ポルトゥガレテ駅(Portugalete)。
 駅舎の建材と駅前の舗装とが描き出す模様が印象的な、こぢんまりとした駅です。
 周辺は、ビルバオ郊外の住宅地、といった風情で、背後の崖の上にも、高層住宅が建っています。

 ビルバオ(バスク語:Bilbo スペイン語(公式名称):Bilbao)のターミナル、アバンド駅(アバンド・インダレシオ・プリエト駅/バスク語:Abandoko Indalecio Prieto geltokia スペイン語:Estación de Abando Indalecio Prieto)からは、約20分位の所要時間で到着しました。



 ポルトゥガレテ駅からすぐ、ネルビオン川(バスク語:Nerbioi スペイン語:Río Nerbión)沿いに河口の方向へ5分も歩けば、行く手にお目当ての、ビスカヤ橋の美しい姿が見えてきます!
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 画像左端に見えている大きなバスクの旗がバタバタと千切れんばかりに翻っているように、とにかくもの凄い風の強さ;;
 空模様も、この風で運ばれてくる雲によって、晴れたり雨となったり、目まぐるしく変化を繰り返していました。

 空を舞う海鳥も、バランスを保つのに難儀している様子…。



 赤く塗られた鉄骨が日に良く映えて、その美しさに目を引かれます。
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 高所から吊り下げられたゴンドラが、一番手前の街路樹の間から見えていますね。

 ビスカヤ橋は、ネルビオン川を遡る大型船の航行を妨げないように、両岸を行き来するゴンドラで人や車を運ぶという画期的な形式を採った運搬橋として、1893年に建設されました。
 世界で初めて建設された運搬橋であり、2006年に世界遺産として登録されています。



 対岸からこちら側へとやってくるゴンドラの様子を、動画で撮影してみました。
 (風切り音がかなり大きいので、ボリュームを控えめにしてください)

 風切り音、橋の中央部の白い旗のはためき具合、川面に立つ白波とうねり、雲の動き…等々、この日の風の強さも判ります;
 蜘蛛が通り過ぎる時には、通り雨のような天候となっていたので、雲が通り過ぎた後で日が差すと、うっすらと虹を見ることもできました!

 高所からの多数のワイヤーでしっかりと繋がれているせいか、ゴンドラはこの強風をものともせず、滑らかに静かに川面の上を移動していました。



 ゴンドラを吊り下げるために、高い所で主塔間に渡してある橋桁へは、主塔にあるエレベーターで上がって、歩くこともできます。
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 とにかく、じっと立っているのも難しい位の強風であり、(厳重に囲いが完備しているであろうとはいえ)身の危険を感じたので残念ながら、上がるのは断念しました(T_T)
 そもそも、この日は上がることができたのでしょうか…?

 ちょうどゴンドラの上あたりの空に、虹が架かっていますね。



 一旦、橋の袂を通り過ぎて、今度は下流側から橋を見上げます。
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 大切に整備されているであろうとはいえ、19世紀に建設されたとは信じられない程、21世紀の今日でも当たり前のように現役で活躍している姿は、とても素敵に映ります^^
 1893年に建設されたビスカヤ橋、スペイン内戦時には爆撃も受け、フランコ統治時代を経て民主化を遂げた今日に至る、スペイン激動の現代史の証人でもあります。



 ネルビオン川の河口。
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 この河口の先に続く、ビスケー湾そして大西洋の大海原へと、大航海時代の先人達は思いを馳せて心を逸らせたのでしょうね。
 そんな気持ちになったであろうと妙に納得させられた、心躍る開放的な眺めでした。



 再び橋より上流部へと戻り、ブレてしまいましたが、ネルビオン川を遡った、ビルバオへの方向を眺め遣ります。
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 大変な強風は弱まる気配もなく、川面のうねりも一層激しくなっているような気がしました;
 空を雲が覆ってきたな…と思うと程なくバラバラと雨粒にも見舞われますが、下手に傘を差すと、そのまま風に持っていかれてしまいそうになる荒天ぶりです。



 橋の袂。
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 対岸に建つ橋の主塔の足元に、白いゴンドラが見えています。
 対岸に接岸しているようにも見えますが、こちらへ向け、既に川の中ほどまで進んできています。

 対岸はゲチョ(バスク語(公式名称):Getxo スペイン語:Guecho)という街で、こちら側のポルトゥガレテ(Portugalete)とは別の自治体となります。



 ゴンドラを斜めから見ると、こんな感じです。
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 ゴンドラは、中央部に車、両脇の部分に人を載せるような仕様となっています。

 この画像を撮影した時は、雲が通り過ぎて抜けるような青空となっていました。
 相変わらずの強風でしたが、長いワイヤーで吊るされているゴンドラが、この風でも少しも揺れたり煽られたりすることもなく、滑らかに進んでいるのが、実に不思議に思えます。



 離れて眺めると、組まれたような鉄骨がスリムに見えて、優美な雰囲気の主塔ですが、足元から真上に見上げてみると、流石に力強く、堂々たる風格を感じ取ることができます。
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 高所に渡された、徒歩用の通路も見えています。
 ちょっとかなりコワそうだけど、歩きたかったなぁ…(´-`)

 …そろそろ私も、ゴンドラに乗って、ゲチョへと渡ることにしました。

 <2015 バスク・バルセロナ紀行-28>>



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