時には、旅の日常

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桂川源流探訪 佐々里峠越え-02~京都バス32系統 広河原行 ②

2017-09-26 18:41:20 | 京都
 花背峠に達した京都バス32系統の路線バスは、終点の広河原を目指して、さらに北上を続けます。

 <<桂川源流探訪 佐々里峠越え-01>

 市街地から一気に山中の景色と化した、花背峠の京都側とは対照的に、峠を越えた先の車窓風景は、山里のそれが続く、穏やかなものでした。
 道路も、京都市街を離れて花背峠を越えるまでの区間に比べると、拡幅された区間も多くなっていた印象(狭い区間はそれでも長かったですが)。

 先へ進むに伴って、混雑していた車内も空いていき、終点の広河原で下車した乗客は、私を含めて僅かに2名のみ。
 始発の出町柳駅前から40km弱の道程を、2時間弱の所要時間で走破した32系統のバスは、京都市最北の停留所でもある終点の広河原に到着しました。


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 花背峠を越え、カーブの続く下り坂をしばらく進むと、畑地が目に入ってきました。
 峠を越えた下り坂の区間は、峠の京都市街側の区間よりは、地形の険しさも幾分かは緩やかな感じ。

 初秋の京都の山里の風景…久々に目にする光景です。



 人家も見えてきました。
 峠を1つ超えただけで、市街とは対照的な山村の眺めへと劇的に変貌する、風景の断絶性も、山地に囲まれた盆地に街が開けた京都の特徴でしょうか。

 そして、京都の北部山間部の集落に建つ家屋は、この入母屋造の屋根が特長です。
 かつては軒並み茅葺きであったのでしょうが、今日ではほとんどが瓦等に葺き替えられています。



 不思議なモコモコ感が面白かった、杉の木立。
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 道路際に点在していた空き地…かつては家が建っていたのでしょうか。
 たとえ京都市内(左京区です)であっても、山間部にある地区は、過疎が問題となっている現実もまた、垣間見えます。



 花背高原前で、出町柳駅前を出発以来初めての、相当数の下車がありました。
 画像に写っている橋を渡って、バスの通っている道路から分岐した道が、近くの峠や山へのハイキングコースの出発地点となっているようです。

 この停留所の出発時、幾分減少したとはいえ、まだバス車内は立客がある位には、混雑していました。
 因みに、このバスには補助席も設置されていましたが、使用していたのは、後方の半分程でした。



 しばらく、道路はせせらぎに沿って進んでいきます。
 水のある眺めは、見ているだけでも、潤いを与えてくれますね♪

 このせせらぎは、やがて桂川となる流れの1つのようです。



 とある停留所の時刻表掲示が、ちょうど座っていた座席の目の前にきたので、撮影。

 この32系統の本数、画像のとおりで、全てです。
 基本1日3往復の京都バス32系統ですが、平日朝には、出町柳駅前行が1便増発されるようですね。



 集落を離れると、林の中へ。

 集落、山林…を繰り返す車窓風景でしたが、花背峠のような急勾配の道程ではありません。
 ノンビリとした空気の中を、ゆっくりとバスは進みます。



 出町柳駅前から約1時間半程経過した9時20分頃に到着した小野谷口で、ほとんどの乗客が下車していきました。
 ここもどうやら、ハイキングコースの入口のようですね。

 リュックサックを背負ったハイカーさん達が、続々とバスを降りていきます。
 それまで、賑やかなおしゃべりに満ちていた車内が、あっという間に静けさに取って代わられていきました。



 小野谷口まで、立客もいた程に混雑した車内が、小野谷口出発後にはこのとおり、乗客はわずか5名に;
 すっかり取り残され感に包まれた、車内ですw

 このような状態となった車内には、俄然ローカルな雰囲気に満たされますね。
 バスも、心なしか一息ついた感じで、残りの行程を走っているかのようでした。



 山々の緑に抱かれて、やがて桂川となる清流が、明るい陽光の下で流れゆく、爽やかな山の風景。
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 川原に敷き詰められたような、白い石の鮮やかなコントラストも、印象的な眺めでした。

 狭い箇所も多い、カーブの連続で、バスはゆっくりと走行せざるを得ず、車窓を流れる風景を、ゆとりをもって楽しむことができます♪



 往く道は、センターラインのある整備された一部区間を除くと、相変わらずこんな感じ;
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 ほぼ道幅いっぱいの車幅のバス、安全走行で進みます。
 北上する程に、対向車もほとんど来ない位に、通行量は激減していました。
 この通行量では、拡幅や花背峠のトンネル化等、地元が要望している整備も後回しにされてしまう訳ですね…。




 更に進み、ここ花背交流の森前で3名が下車し、乗客はついに2名となってしまいました。
 出町柳駅前を出発した時の喧騒が、嘘のようです。

 最後部の窓から、バスが動き出して離れてゆく停留所を眺めます。
 この、後部からの、見ているものが離れていき、小さくなっていく眺めというものには、何ともいえない情感を覚えるものですね。



 清々しい川の流れの景色には、ついつい視線を向けてしまいます。
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 流れの左側の、屏風のような緑の壁の連続が、とても印象に残った風景です。
 個々の木1本1本の微妙な緑の濃淡や明暗の違いが、素敵なグラデーションとなって、明るい陽光に映える様子に見とれる他ありませんでした。



 最早、空気を運んでいるといっても過言ではなくなってしまった;、バスの車内。
 人家もいよいよ疎らとなった、広河原へと至る最終区間を、黙々と走り抜けていきます。

 桂川となる清流も、相変わらずお供をしてくれているかのように、道路に沿って流れています。



 9月に入ったとはいえ、まだ日中の最高気温が30℃を超える日が続いていましたが、穂を出したススキの群生を見るにつけ、季節の移ろいを感じました。
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 空気の中にも、確実にカラッとした秋の成分が紛れているのには気付いていましたが、こうしたススキ等の姿を見ると、感覚的であった秋の訪れや息吹きといったものを、具体的に実感することができるようになりますね^^
 緑の中に浮かび上がる、ススキの穂の黄金色の輝きも、とても美しい眺めでした。



 吊り橋が、架かっていました。
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 ワイヤーを支える主塔等の、鮮やかな赤色が印象的で、目を引きました!
 こじんまりとした、素朴な吊り橋でしたが、吊り橋というものも、目に入ると渡ってみたい衝動に駆られてしまいますねw



 京都らしい?というか、風雅な名前の停留署名も散見された、32系統のルート。

 実際には、何の変哲もない田舎のバス停なのですが、ついその名前に魅かれて、ふらりと降りてしまいそうになりますw
(降りてしまうと、大変なことになってしまいますが;)



 広河原へと近付くにつれ、岸辺も岩肌が剥き出しとなっている場所も出てきて、一段と山深くなりつつあることを実感。
 バスの中からも、川底の様子がハッキリと分かる程に、澄んだ水の流れです。
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 それまでの進行方向と同じ向きに流れていたのが、この広河原への最終区間では、流れの向きが進行方向とは逆となっています。
 先程通過した、花背交流の森前の少し手前辺りから、桂川となる道沿いの清流は、実は流れの向きを変えていました。

 その、この道路沿いで流れの向きの変わる地点が、2つの流れの合流しているポイントとなっていたのでした。
 合流ポイントでは、道路もこの道路(京都府道38号線)と国道477号線とが分岐していて、桂川の流れは、そこから西へと向かう国道477号線に沿って、流れ下っていきます。

 

 川が拓いた谷と山肌との境にポツポツと散在している、入母屋造の家々が、車窓を流れ去っていきます。
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 その谷の幅も狭まり、川と道路の両側の山肌との距離も、狭まりつつあります。
 間もなく、終点の広河原です。



 7時50分に出町柳駅前を出発してから1時間55分後の9時45分、バスは終点の広河原(ひろがわら)に到着しました。
 定刻の到着時刻は9時41分なので、ほぼ時間どおりの運行…離合困難な峠道を含む狭隘路の続くルートを安全に走破してくれた運転士さん、お疲れ様でした&ありがとうございました。
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 距離にすると、およそ40km弱といった、この京都バス32系統の路線の、全区間乗りとおした運賃は、1,100円。
 IC乗車券にも対応している京都バス、ありがたいことにチャージ不要のポストペイ方式(クレジットカードと同じですね)のPiTaPaもOK!
 当座の現金が要らないのは、助かりますね^^

 

 京都市最北端のバス停留所である、広河原。
 停留所の周囲には、何軒かの家があるだけで、バスが走ってきた京都方向には何も見当たりません
 これでも、岡崎公園・平安神宮や南禅寺に永観堂、銀閣寺等の著名な寺社や、京都大学、府立植物園等の施設が所在しているのと同じ、京都市左京区です!

 左京区の面積は246.77㎢で、225.21㎢の大阪市全域よりも広い区域を誇ります。
 因みに、総面積827.8㎢の京都市(リンク先の地図上をクリックすると京都市区画図へ遷移、更に区画図上のクリックで、クリックした位置にある区のWikipediaのページへ遷移します)で面積が最大の区は、平成17年(2005年)に隣接していた京北町(けいほくちょう)を編入した右京区で、面積は292.07㎢あります。

 道路は、この広河原の停留所から先へと続いていますが、その行く手は、佐々里峠(ささりとうげ)を擁する山道へと変貌します。
 冬季には、降雪により道路が閉鎖される佐々里峠。
 桂川の源流も近いという、距離にして約10km程の佐々里峠越えに、いよいよ徒歩で(佐々里峠越えをする公共交通機関がないため)挑みます。

 <桂川源流探訪 佐々里峠越え-03>>



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